20220410_アルケン有機触媒の機能開拓

ケムステの講演動画を見ました。講師は京都大の浅野圭佑助教。
https://www.youtube.com/watch?v=Anemd19lh9E&t=1339s

■興味を持った背景
有機触媒の最新動向について知りたかったため。

■内容
これまで有機触媒は触媒活性を出すために特異的な性質を持ちがちなヘテロ原子の官能基をベースに設計されていました。
浅野先生はアルケンのπ電子のルイス塩基性に着目して、新たな触媒設計をしています。
従来の触媒反応とは異なり、比較的ソフトな塩基を用いることで生体反応に近い、温和な活性で副反応の少ない反応を実現させるコンセプトで研究されているそう。

アルケンでもルイス塩基性を強めるために歪んだ構造でルイス塩基性が高められ、かつ、求核剤から攻撃を受けにくいよう立体的に保護されたtrans-cycloocteneの誘導体を触媒として採用していました。
Br+に配位させ、Br+のアルケン間の移動反応に展開するとのこと。結果的には触媒設計をしていく中で、アルケンに置換したベンジル基のπ電子供与がBr+に対して有効に作用していることが分かり、二官能性有機触媒の設計をしたとのこと。

ベンジル位の電子吸引・供与で活性が異なるため、光分解性の置換基を導入することで光で反応をコントロールできる系を開発していたのはなるほどと思った

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■感想
この系が果たしてアルケン特有の系であるのかよくわかりませんでしたが、反応基質のイメージが強いアルケン・炭素を触媒として使うのは面白いと思って見ていました。

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