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汎用性を重視したメタバース。oViceが目指すエコシステム構想

こんにちは。oVice CEOのジョンです。

前回は石川県にある本社の話から、ハイブリッドワークやテレワークを成功させるためのポイントを書きました。今回は私がoViceを作る上で大事にしているメタバースの考え方について書こうと思います。

oViceは他のメタバースと何が違うのか?

oViceが提唱するメタバースは「ビジネスメタバース」です。みんなが考えているメタバースは、どちらかというとゲームなどNFTを絡めたエンターテイメントのメタバースが思い浮かぶと思います。

私が考えるメタバースは、エンターテイメントは関係なく「人の生活」を中心に考えています。例えばインターネットのように、ビジネスから生活範囲まで幅広い領域に適用されるものです。そして今、ビジネス領域にフィットするメタバースがoViceだと考えています。

ビジネス領域で一番分かりやすいのは「オフィス」です。みんなが仕事をしているオフィスをメタバースで再現します。さらに拡張すると、展示会のようなこともできます。

ビジネス的な展示会は、出展する企業や商品があってユーザーとマッチングするためのものです。これがエンターテイメントの場合だとイベントやコンサートですね。エンターテイメントのメタバース技術で、ビジネス的な展示会をすると性質が違うのでミスマッチが起こります。

そのミスマッチとは「オーバースペック」です。エンターテイメントのメタバースは、機材のスペックや必要なネットワークに汎用性がありません。ビジネスのマッチングにはエンターテイメントの要素はいらないし、汎用的ではないものは使いづらくてビジネスに向かないです。

他にもピッチ大会や店舗で物販をするのも、oViceのようなビジネスメタバースでした方が適しています。誰でも参加しやすいからこそ、ビジネスが発展しやすくなります。私たちが狙っているメタバースというのは、ビジネスとして成り立つ場を作る、もっとフォーマルな場を作る、そんなビジネスメタバース領域です。

汎用性を重視した2Dのメタバース

oViceのメタバースは2Dです。3Dのメタバースは楽しくてイマーシブもあり、エンターテイメントの要素は高いですがデバイスやネットワーク依存が発生します。どこでも簡単に使えるわけではないというデメリットが生まれてしまいます。

私たちのような2Dだと、こういった問題がありません。どのデバイス、どのネットワークでもサクサク動かすことができます。それが次元を低くするメリットであり2Dにしている理由です

現状だと3Dメタバースは、必ずしも良い環境が作れるわけではないのでビジネスとの相性は非常に悪いと思っています。デバイス依存がある上に、速いインターネットでなくてはいけない“縛り”が発生してしまうと、汎用性がなくなってしまいます。これはビジネスにおいて致命的です。

エンターテイメントや遊びであれば、環境が良くないとしても「じゃあ次にしよう」で終わりますが、ビジネスにおいてはその場限りです。今、主流となっているような「Meta」とかは、広まるのに時間がかかると思っています。

私たちは「現実世界のコミュニケーション」に近い感じでサービスを組んでいます。他のサービスは、オフラインで解決するのが難しいコミュニケーションの課題を全てオンラインで改善しようとします。oViceの場合、課題があった時や機能追加をする時にまず考えることは「現実世界ではどうなの?」です。オンラインだけでなく、オフラインも大事なのでオンラインとオフラインのハイブリッドにするところが他社と違います。

ビジネスメタバース拡張の鍵はサードパーティーを巻き込んだエコシステム

ビジネスメタバース≒仕事に絡むメタバースだと考えているので、活用できるシーンが多い分、色んな機能が必要になってきます。

例えば物販だと商品を良い感じに見せるための機能や、商品を決裁するための機能など色んな機能が必要です。ただ、こういった機能を全てoViceがカバーすることは不可能なので、私たちは「エコシステム」を作りたいと思っています。

oViceは「空間」です。空間としての価値にフォーカスしているので、色んなサードパーティーが連携できる状態を作ります。例えばoViceの空間に「こういう機能を追加すればもっとビジネスチャンスがありそう」と思ったサードパーティーが機能を入れて、ユーザーがその機能を実際に使ってビジネスで成功する。こういった感じを目指しています。

私たちが全ての機能を開発せず「空間だけの価値」にフォーカスし、中身に関してはみんなと作っていきたいんです。

エコシステムを実現するためには、私たちがAPIを公開してもっと色んなデータが行き来できるようにしなければいけません。今、公開しているデータは人が「入った・出た」という入出ログくらいです。

これだと限定的で出欠管理や出勤管理くらいしかできません。もっとバリエーションを増やしていこうと思っています。例えば、ユーザーが「移動したデータ」や「発話したデータ」です。

細かくなるとプライバシーが絡んでくるのでユーザーや企業の同意が必要になりますが、実際、人が話している内容を「議事録に落とす」ことや、タグ化してキーワードを抽出し「この会社、この空間で一番ホットなキーワードはこれです」ということもできます。こういったデータを出し、空間に色んな付加価値を作っていくつもりです。

実際に私たちが出せるデータが増えてきたら、AI技術を扱っている会社さんと協力したいです。必要最低限なデータを活用し、最大限の効果を出してほしいと思っています。

例えば社員のエンゲージメントを計算するAIのツールと上手く絡めると、今までオフィスで取れなかったデータがoViceでは取れるようになります。そのデータを活用して、どう新しく付加価値を作っていくかは、AIの会社さんとの連携が鍵になってくるかなと考えています。

oViceの3D化はありえないのか?

oViceが2Dにしている理由は、デバイスやネットワークに依存しないようにして汎用的に誰でもどこでも使えるようにするためです。とはいえ、絶対的に2Dにこだわっているわけではありません。oViceもいずれ技術が進歩して、3Dでもデバイス依存やネットワーク依存がなくなれば次元を上げていく可能性はあります。

あくまでもoViceが2Dをしているのは“今は”この形が一番安定的だからです。安定的で汎用的に使える形を取っているだけです。

oViceが3Dに転換していくかは具体的にはまだ分かりません。技術の進歩を見ながらOculusのようなイマーシブなものになるかもしれないし、技術が進んでいないのであれば2.5Dくらいのものを目指すかもしれません。今後の展開については、noteやユーザー会などイベントでもお伝えしていけたらと思います。


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(編集協力:oVice 編集部)


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