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ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略



とあるPJで推薦図書となっていたため読み始めた本書。GoogleでIME(日本語入力)の開発などに携わってこられた及川さんの著書です。現職でも、何かにかけて「DX」というワードを使っていますが、DXの立て付けおよびそのための組織の作り方について言及されています。

以下、参考になった部分を抜粋コメントします。

<抜粋・コメント>

IT調査会社のガートナーは、企業のITシステムを2つのモードに分類して考えてることを推奨している。「モード1」はSoR(System of Record)を中心とした省力化やコスト削減を目的としたもので、「モード2」はSoE(Syetem of Engagement)を中心とした、事業をドライブするためのものです。

「システム開発」と一口にいっても2種類あり、このPJは「守りのIT(モード1)」なのか「攻めのIT(モード2)」なのか意識する必要がある。

ソフトウェア・ファーストの本質は、単に最新テクノロジーを活用することではなく、IT活用を手の内化することにあります。そのためには、経営陣の意思決定から組織運営、現場の動き方まで、人と組織おすべてをソフトウェア・ファーストに変える必要があります。

日本企業の多くはSierに発注し、業務に合わせる形でシステムを構築してきました。そのため、業務が変化した際に企業内でシステムを流動的に変更する人材・ナレッジがおらず競合優位性を損ねるという事態を招いていたことがうかがえます。

これまでに産業構造を破壊してきたようなディスラプティブな事業やプロダクトは、市場やユーザーニーズという概念を超えたところからうまれています。(中略)ソニーのウォークマンも、市場調査などを行わずにして生まれたヒット商品です。(中略)このプロダクトは、当時の名誉会長で創業者の井深大氏の「海外出張の飛行機内でも好きな音楽を聴いていたい」という個人的な希望に応える形で作られました。

イノベーションのジレンマでいうところの、「破壊的イノベーション」と同義でしょうか。ユーザーや顧客が「そうそう、こういうのが欲しかったんだよ」と言語化できていないが、欲しいもの、あるいは「そんなことできないと思っていたよ(諦めていた)」というプロダクトを作ることがプロダクトを企画することで重要だと主張しています。また、元ネスレ社長の高岡浩三氏はイノベーションで重要なのは、問題解決以上に問題発見だと説いています。
また、ここで示唆深いのは、ウォークマンは確かに「技術による事業創出」の典型例ですが、すでにあった技術を使用していたことです。イノベーションは問題発見×既存技術の組み合わせと定義できるかもしれません。


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