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桜えびを「調べる」

こんにちは!

駿河湾桜えび漁は成育を待つための休漁期間が明けましたが、毎日のように風が吹いてしまいなかなか出漁できません。

この数年は漁獲が全く伸びない不漁が続いています。

不漁は、漁が出てから初めてわかるわけではなくて、実は少し前から「覚悟」しているところもあります。。。

今日は、桜えびを「調べる」というテーマで更新したいと思います。

「今、駿河湾の桜えびはどんな状態か」を調べる取り組みは、大きく分けて3つのフェーズに分けることができます。

1、調査漁による桜えびの大きさや分布の資源調査

猟期の前や初日などに駿河湾全域を対象として実施されます。

調査の結果は静岡県水産技術研究所がまとめ、私たち加工業者と漁業者の皆さんに向けての報告会が開催されます。

今年の2月の感じだと、「良い場所が少しはありそうだなぁ」という印象でした。獲れるといいな。。。

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体長のグラフのヤマが1つか2つかというのがポイントです。

右側が早い時期に産まれたエビ、左が遅い時期…昨年度の秋口に産まれたエビと考えられます。

この春は、水温や海況の好条件が重なったタイミングで数回、良い漁があれば助かるなぁと思っています。獲れるといいなぁ。。。(繰り返し

2、漁獲前、水揚げ後の桜えびの状態の調査

そしていざ、漁に出た場合、その日、その漁場で状況は変わってきてしまいます。

まさに水際でも「資源回復」の取り組みがなされています。

桜えび漁は「船びき網」の漁です。ローラーで網を巻きます。

その前に小さな網で桜えびの状態をチェックしたり↓

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資源保護のための「自主規制」の基準に見合っているかをチェックするためのサンプルを県に提出したりします↓

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桜えびは成長にともなって、植物プランクトン、動物プランクトン、そして他の魚類の幼生を食べます。

生態がまだわかっていないことが多いので、深海で泳いでいる映像はとても貴重です。

資源保護をして親エビを残して、栄養をとって大きく成長してくれたらと願います。

3、産卵調査

そして、産卵状況の調査も欠かせません。

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このようなネットで海水を採取して、顕微鏡で桜えびの卵の数を調べています。青年部のメンバーの皆さんが取り組んでくださっています。

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結果をこんなふうにホワイトボードでお知らせしてくれるので、朝のしらすの入札のとき等に見せてもらっています。

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出漁回数も少なく、また出漁しても群れの状況を見ながらの今年の春漁。

ましてや昨今の情勢で緊張モードの由比漁港ですが、安全に配慮して水揚げの活気が戻ることを待ちたいと思います。

漁師さんは乗船前に検温や体調のチェックを、私たち仲買人は入札時には各社から市場に入場するメンバーを登録制にし人数を制限するなど、なんとか春漁を続けられるように最大級の配慮をしています。

STAYHOME週間で「お越しください!」と申し上げられないことは辛いのですが、ぜひ今年の春漁はオンラインで見守っていただけましたら幸いです。