子どもの頃、近所に崩れかけの空き家があって、ユウレイが棲んでいた。僕とユウレイは陽が沈むと落ち合い、そこで遊んだ。ある夜、真っ白な稲妻が光って、ついに家は焼けてしまった。その翌朝は、陽が昇ってもお互いの姿が見えて、僕達は何も言わずに見つめ合った。僕は笑った。ユウレイは泣いていた。

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