【宅建試験を通して学ぶ】景品表示法

概要

景表法とも略されるこの法律は正しくは「不当景品類及び不当表示防止法」と言います。その名の通りですが、行き過ぎた広告やいい加減な広告を禁止する法律。興味のある方は一度ざっくりと消費者庁のHPを眺めておくとイメージが湧くと思います。パンフレット「よくわかる景品表示法と公正競争規約」がおススメ。こうあります。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_180320_0001.pdf

景品表示法は、不当な表示な過大な景品類の提供による顧客の誘引を防止するため、一般消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれのある行為を禁止するなどにより、一般消費者の利益を保護することを目的とする法律であり、公正競争規約は、景品表示法を根拠に、個々の商品・サービスごとに設定される業界の自主ルールです。

景表法は不動産に限ったものではなく、消費者に対する一般的な法律なのである程度、常識で答えられます。不動産に関する公正競争規約もある程度常識で答えられます。独特のものを少しだけあげておくと、

公正競争規約
第5条 事業者は、宅地の造成又は建物の建築に関 する工事の完了前においては、宅建業法第33条に 規定する許可等の処分があった後でなければ、当該工事に係る宅地又は建物の内容又は取引条件その他取引に関する広告表示をしてはならない
第18条 事業者は、次に掲げる用語を用いて表示す るときは、それぞれ当該各号に定める意義に即し て使用しなければならない。
(1) 新築 建築後1年未満であって、居住の用に供されたことがないものをいう。
(略)
(3) ダイニング・キッチン(DK) 台所と食 堂の機能が1室に併存している部屋をいい、 住宅(マンションにあっては、住戸。次号に おいて同じ。)の居室(寝室)数に応じ、その 用途に従って使用するために必要な広さ、形状及び機能を有するものをいう。 (4) リビング・ダイニング・キッチン(LDK) 居間と台所と食堂の機能が1室に併存する部 屋をいい、住宅の居室(寝室)数に応じ、そ の用途に従って使用するために必要な広さ、 形状及び機能を有するものをいう。
公正競争規約施行規則
第3条 規約第8条(必要な表示事項)に規定する物 件の種別は、次に掲げる区分によるものとし、それぞれの意義は、当該各号に定めるところによる(略)
(7) 中古住宅 建築後1年以上経過し、又は居 住の用に供されたことがある一戸建て住宅で あって、売買するものをいう
第9条 規約に規定する「見やすい大きさの文字」 とは、原則として7ポイント以上の大きさの文字 による表示(7ポイント未満の大きさの文字による表示であっても、文字の大きさのほか、文字数、レイアウト、書体、文字色、文字間隔、行間 隔等を勘案して総合的に判断し、見やすい大きさの文字であると認められる文字による表示を含む。)をいう
第10条 規約第15条(物件の内容・取引条件等の表 示基準)各号に規定する事項について表示するとき は、次の各号に定めるところにより表示する。(略)
(4) 公共交通機関は、現に利用できるものを表 示し、特定の時期にのみ利用できるものは、 その利用できる時期を明示して表示するこ と。ただし、新設の路線については、現に利用できるものと併せて表示する場合に限り、路線の新設に係る国土交通大臣の許可処分又はバス会社等との間に成立している協定の内容を明示して表示することができる
(10) 徒歩による所要時間は、道路距離80メート ルにつき1分間を要するものとして算出した 数値を表示すること。この場合において、1 分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること

公正競争規約は細かく読んでいくと実務には非常に参考になります。が、宅建では一問くらいしか出ないこともあるので、択一問題をこなしてパターンを覚えておくくらいで十分です。

択一問題から

問1:不動産の販売公告において販売する物件の最寄駅を表示する場合で、新設予定駅の方が現に利用できる最寄駅より近い時は、鉄道会社が駅の新設を公表したものであれば、現に利用できる駅に代えて新設予定駅を表示可。

答:「×」。こういうマニアックなのが時々出るのが悲しいところですが、ルール上は「現に利用できるものと併せて表示する場合に限り」、です。「代えて」ではない。

問2:未完成建売住宅を販売する場合、建築確認を受けていなくても、現に確認を申請中であれば、「建築条件付き宅地分譲」として広告することができる。

答:「×」。そもそも広告はいつから開始して良いのか。それは「宅建業法第33条に規定する許可等の処分があった後」です。建築確認を受けることが広告するための最低条件。

問3:各種施設までの徒歩による所要時間を表示する場合は、直線距離80mにつき一分間を要するものとして算出した数値を表示し、1分未満の端数が生じたときは1分間として計算して表示する。

答:「×」。「道路距離80メートルにつき1分間」が正解。出発地から目的地までまっすぐに結んだのが直線距離、対して実際の道のりが道路距離です。

問4:傾斜地を含むことにより当該土地の有効な利用が著しく阻害される場合には、原則として、傾斜地を含む旨及び傾斜地の割合又は面積を明示しなければならないが、マンションについてはこれを明示せずに表示してもよい。

答:「○」。マンションは含まないということですが、その一方で傾斜地をフルに活用し実際は中高層マンションに見える様な建築が平成の初期に流行し問題となったのが傾斜地マンションまたは地下室マンションと呼ばれる問題でした。


問5:懸賞によらないで提供する景品類の最高額は、景品表示法に基づき、一般的には、取引価額10分の一の範囲内と定められているが、不動産業においては、取引価額の10分の一または50万円のいずれか低い金額の範囲内と決められている。

答:「×」。50万円ではなく100万円が正しいとのことですが、こういう問題は覚えても何の役にも立たないので無視してOKだと思います。

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