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鴻池組(こうのいけぐみ) 明治43年の自社ビルと自宅[洋館・和館]


鴻池組の創業の地。大阪市此花区。
中で、くっついてて扉一枚で行き来できる。そんなユニークな、むかしの建物が現存します。

2回に分けて、お話しいたします。

ユニークな洋館と和館

鴻池組こうのいけぐみ旧本店きゅうほんてん
洋館
鴻池組こうのいけぐみ旧本店きゅうほんてん
和館

鴻池組こうのいけぐみ旧本店きゅうほんてん〔洋館・和館〕。
2021年(令和3)11月19日。国の登録有形文化財です。
普段は非公開。年に一度、大阪市教育委員会による内部見学会があります。
2022年、4月と5月に内部見学会が実施されました。

今回は、「此花区民このはなくみん限定・内部見学会」の抽選に当たりました。

どうぞ、ご一緒に、内部見学いたしましょう。

大阪市此花区伝法このはなくでんぽう4-3-55
株式会社 鴻池組こうのいけぐみ



鴻池組こうのいけぐみの歴史

はじめに、「組」とは、建築事業の会社のことです。安心してください。

大阪市此花区このはなくといえばテーマパークが有名ですね。実は、こんなステキな建物もあるのです。

内部見学に際し、予習もせず行った、わたしです。
どこへ行っても、わたしのようなド素人に、わかりやすいパンフレットをくださいます。ありがたいことです。

鴻池組こうのいけぐみ
パンフレットと鳳凰のファイル


鴻池組こうのいけぐみ
■創業1871(明治4)年■

創業の地 伝法でんぽう鴻池組こうのいけぐみ旧本店きゅうほんてん
中世の大阪湾岸は河川が縦横無尽にながれ、デルタ地帯が広がっていました。
大坂城を築城した豊臣秀吉の時代、現在の大阪市此花区伝法このはなくでんぽうのあたりは伝法口でんぽうぐちと呼ばれていました。
江戸時代になると大型の菱垣廻船や樽廻船が頻繁に発着するようになり、大坂の中心部を結ぶ水運の要衝として栄えます。
鴻池家がこの地に居を定めて廻船問屋を興したのは17世紀後半で、鴻池組の創業者である鴻池忠治郎の父藤七の代まで続きました。
1852(嘉永2)に伝法で生まれた忠治郎は1871(明治4)年、20歳で独立。
家業を継ぐとともに、建設現場や工場への労務供給業ならびに建築資材の製造請負などを始めました。鴻池組はこの年を創業年としています。

株式会社鴻池組
コーポレートコミュニケーション部
パンフレットより


正面の外観・和洋館並置型

■洋館 1910年(明治43) / 1914年(大正3)に内外装改修
■和館 1910年(明治43) / 昭和前期以前に一部改修

鴻池組旧本店
洋館・和館
建物の前は駐輪場です。
阪神なんば線・
伝法でんぽう
 徒歩3分


現在では小さい建物のように感じます。
内部は、どうなっているのでしょう。

鴻池組 旧本店 見学会

2022年(令和4) 5月31日

鴻池組の敷地内へ。
集合場所は、静かな駐車場。
むかしは伝法川でんぽうがわが流れていたそうです。
集合時間まで庭や建物を自由に見てOKとのこと。

手つかずの庭

敷地内は雰囲気が違います。
普段の感じが、よいですね!
これから整えられてゆくのでしょう。

洋館と和館の継ぎ目
お気づかい
ありがとうございます


内部見学会の受付や案内役は鴻池組の社員さん。
ていねいで親しみのある対応です。


大阪の伝統的な町家

まず表にまわって、洋館・和館のお話から。
いつもは猫がいるそうですが、見学会で驚いたのか、いませんでした。

二階建ての和館。
むかしは、ありました、こんな家。
石と木のお家。


■出格子。

袖卯建そでうだつ
■格子窓と漆喰しっくい

うだつのあがらない…
もう使われませんね
いつもは暗い二階に灯り


本宅の内部 1階

■台所  ガス・オーブン 
後の改修といわれています。

台所シンクや湯沸し器


■和室 
格子窓を内部から。すりガラスが懐かしい。
奧は入り口。土間。


和館の内部 2階

■階段

むかしのお家は
階段は小さく
さりげなく贅沢


■ 床の間 広間


■欄間
豪華な透かし彫り。

鴻池組のシンボル鳳凰

■窓と魅惑の木枠
窓は当時のガラス。アジがありますね。
伝法川の流れは、美しかったでしょうね。
まるで旅館のようです。
ここに住んでいたとは。

1968年まで、洋館の方は本店として使われていたそうです。
この和館も同じくらい使われていたのかもしれません。

カーテンもついてます
雨樋


勝手口と流し


鴻池組こうのいけぐみの和館。
ここに家族が住んで隣の洋館に出勤していたのですね。
和館だけでも、わかんないくらいステキです。
 また、洋館は次回に。


いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。


最後までお読みくださり、
ありがとうございます。

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