べてぶくろについて、第三者からの怒り

始めに、私は今回の騒動の当事者ではありません。福祉関係者でもありません。ただ、似た分野としてべてる系列の影響力を知っており、関連施設に見学に行ったことのある身としてこのnoteを書きます。

私は最初「当事者研究の問題点」といった内容のnoteを書こうとしていました。でも、それは500字くらい書いたところで私の怒りによって冷静な考察など無理だな、と思ったので下書きで終わり、お蔵入りになりそうです。後はこれは大分組織の体制や設立背景にも起因しており、文字通り「技法以前」だな、と思った事も理由の一つではあるのですが……このnoteが完成したら少しは落ち着いてかけるかな、わかりません。

で、このnoteはあんまり文章の体を取り繕う気がないです。気持ちを吐き出したくて、どうにもならない。以下、全て個人の感情です。でも、この個人的な感情をを表明することが少しでもおふたりへの連帯に寄与することになれば、と思います。

さて、とりあえずばーっとリンクを貼ってしまいます。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/べてるの家

世界から2500人の見学者がくる革新的な福祉施設の東京支所に対する、ハラスメントや労務管理に関するリークがありました、当事者の方には申し訳ないですが凄く大ざっぱに説明するとこうです。

で、最初に書こうとした「なぜ起こったか?」は一度置いておいて、当事者のお二方に連帯を示す意味で私の感情をここに記録しておきたいと思います。


私は今とても怒っていて、その理由は以下です。

・障害の当事者からの搾取を平然と行ったこと。

・支援を雑談とみなし、対価を払わなかったこと。

・組織運営のために痛みを抱えている人間の声を握り潰そうとしたこと。

・自分の責任、そして自分に有益な者の責任を過小評価したこと。

・痛みの当事者を目の前にして、その人に共感するのではなくその痛みの矮小化を行ったこと。

・今まで培ってきた支援の技法を、自分達の保身のために流用したこと。

・結果として、身内だけの心地好い関係性を保持するために社員であるはずの人間を排除したこと。


上記が、障害者が社会からされたことではなく福祉施設が他者に行ってきたことだと思うと、深く絶望します。施設の運営、大変でしょう。日本のモデルでいなければならないというプレッシャーもあったでしょう。地域では障害者という括りに対する差別の声もあったでしょう。でも、だからといって他の人間に、今まで数多の障害者たちに歴史が強いたのと同じことをするのですか。それを悲しいと思ったからあなた方は居場所を作ろうとしたのではないですか。

理念には共感します。構造的問題(過激な介入を良しとすること、言語化能力で扱いの差が生じること、その他色々)はともかく、やってきたことに敬意を払います。

でも、許されることでは無いです。スタッフも障害者と同じ人間でしょう。

業務上の負担は雇用関係上発生するでしょうが、それ以上の搾取や人権の侵害、そして上位者によるその上塗り、あなた方は利用者の方にきちんと(落ち着かせようとか、そのような恣意的な誘導なく)説明して胸を張れるのでしょうか。べてるの家に希望を抱いていた支援者たちに胸を張れますか。

分野は違えど、同じ対人職を勉強している者として恥ずかしいし、お二人には本当に申し訳なく思います。私たちの技術は、技法は、本来あなた方を助けるためにあるはずのものだったのに。今回、あなた方を誤魔化したり丸め込んだり搾取したりするために使われてしまった。力にも技術にも責任が伴います。技術はただの技術ですが、その悪用は技術への信頼低下を招きます。だから、悪用は本来決してあってはならないのです。

また、支援を雑談だと卑下したことにも本当に腹が立ちます。なぜ、私たちやあなた方の労働にはお金が発生するのでしょう。

その雑談であなた方は利益を得て、べてるの運営は助かっているのでは?その瞬間は確かに持続可能な福祉サービス提供のための、一ピースではなかったでしょうか。

支援(技法)にアンチテーゼの立場をとっていることは理解しています。でも、あなた方には経験があり、福祉業界でこれまで生きてきたという実績があります。あなた方にはもう力が(権力が)あるのです。そのことに無自覚でいると、無神経な抑圧やその影で口を噤んでしまわざるを得なかった人間を捉え損ねることになるのでは無いでしょうか。

あらゆる意味の力、責任の過小評価を感じます。


少し話がずれてしまいました。

私は福祉サービスを提供する側が利用者でない障害者に対する加害にこうまで無頓着であることに怒っていますし、スタッフに対する人権意識の低さに怒っています。福祉の意義への冒涜であると思います。

また、この言葉はべてるに向けたものだけではありません。利用者以外の人権に無頓着な全ての福祉サービスに対してのものです。

あなた方は対人を援助する職業ではなかったのですか。なぜ目の前で苦痛を訴える人にそんな事が言えたのですか。

対人援助を請け負う団体は清廉潔白でいなければならない、とは言いません。しかしスタッフが対人援助職だからと言って痛みを我慢しなければならない道理はありませんし、他人に強要や抑圧で苦痛を訴える声を封じ込められるという理不尽を黙って受け入れる義務もまた、ないのです。

それと、自分たちの掲げた理念に反することを平然と行う様には単純に呆れます。


私の気持ちは以上です。

お二人の体調や心情が少しでも楽になる事を切に願い、真相の究明、当事者支援の問題点の議論が活発化することを望みます。



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