SP「あなたの住んでる地域の自慢できること」

 2年前、勉強を始めた頃に書いたもの。出すなら今しかないと思って……季節的に。今読み返しても反省しかない。でもがんばって書いた感じはある。めちゃくちゃに時間かけたことだけは確か。


「花見」だけではない「弘前さくらまつり」  

 春になると花が咲き、秋は木々の葉が赤や黄色に染まる。夏になると水辺ではしゃぐ子供達の声が響き、冬には深々と舞い落ちる雪の音を聴く。この国の四季折々の風景は、世界に誇れるエンターティメントである。今回は、特におすすめしたい「弘前さくらまつり」について紹介する。
 学生時代を過ごした青森県弘前市は、ゴールデンウイークに桜が開花していた。市内には城下町の名残りがあり、城を囲むように約50種類2600本の桜が咲き誇る。毎年開催される「弘前さくらまつり」には、約200万人もの観光客が訪れる。30年ほど前まではゴールデンウイークに開催されていた「弘前さくらまつり」は、開花時期に合わせて4月中旬から開催されるようになった。桜は、冬から春への季節の変わり目、気温の上昇によって開花する。そのため、地球温暖化で開花時期が早くなったことは予想がつく。弘前市のHPによると、ここ10年ほどの間でも、開花は約2週間も早くなったことが分かる。

 2011年 開花日=4月26日 満開期間=5月2日~6日
 2021年 開花日=4月14日 満開期間=4月19日~21日

  大型連休に桜を見に行くことができるのは、観光客が集まる要因だったはずだ。見頃がゴールデンウイーク期間でないことは、客足や得られる収益に少なからず影響があるだろう。機会があれば、観光客の変化やそれに伴う影響について調べてみたい。

 そして「弘前さくらまつり」は、地元住民にとっても重要な位置にある。収入や仕事はもちろん、学校や職場の歓迎会は、桜の下でゴザを敷き、弁当を広げ乾杯するのが定番だった。市民にとっては、コミュニケーションや親睦の機会でもあったのだ。そして露店の立ち並ぶメインストリートには、サーカスや見世物小屋なども造られ、大人も子供もこぞって出かけていく。桜をみて酒を飲むだけではないのが「弘前さくらまつり」の特徴でもあるだろう。娯楽の少ない田舎町にとっては「期間限定のテーマパーク」のようであり、厳しい冬を乗り越えてたどり着く「春」の象徴だった。
 新型ウイルスの影響で2020年は中止となったが、2021年と2022年は感染対策をとって開催されている。たとえ客足が減ろうと、以前のような宴会は禁止されていようと、観光客にとっての行き先、地元住民にとっての「期間限定のテーマパーク」が開催されていることは嬉しい限りである。そして今後も、短命でも豪快に咲き誇る桜を愛でるだけではない「弘前さくらまつり」の存続を心から願う。

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