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「これからも」

今年最後の卒部ブログを担当します小杉暖です。他の4年生の卒部ブログを読みながら涙しそうな毎日が続いていたので、途中からは夜ではなくて次の日の午前中に読むことにしました。竹内や尚純みたいに大学入学前から振り返ろうか、航大みたいにメッセージにしようか迷いましたが、私は大学4年間を振り返って書くことにしました。

今まで大好きでやってきたサッカーを高校までで終わりにすることはできない、終わることは考えられないと思っていた私は、大学に入学してからも本気でサッカーをやりたいと思っていたので迷わずに体育会系サッカー部に入部しました。しかし、コロナの影響で大学に行けない日々が続きます。もちろん部活もあるわけはなく、やっと入部できたのは6月でした。そして、Google meetで操作が分からず、自分の画面がずっと映し出されていたあの日から私の大学サッカーは始まりました。

1年生時
165cm,70kg 入学したときの身体測定の結果です。まったく動けず、苦しい思いでした。一番初めの練習の最後の30分ジョギングでは、玄さん、勇人さんのペースについていけず、侑さんと一緒に必死についていったことを覚えています。7月4日初めての公式戦に出場します。静岡学生サッカートーナメントvs常葉大学戦に後半途中出場。靴紐が何度もほどけていた。この試合はそんな試合でした。その後、夏に足首を捻り、松葉杖をつきながら浜松から通う日々が二か月続き、一年生の時はあまりサッカーができませんでした。早くサッカーがしたい気持ちと悔しい気持ちがありましたが、チームを裏で支えてくれているマネージャーや自分はプレーできなくてもチームのために動いている他の怪我人の先輩方のひたむきな姿を見て、いい部活だなと感じました。美玖さんによく注意されながら試合や練習の運営を教えてもらったことも今ではいい思い出です。

2年生時
2021年シーズンが始まって、はじめは右サイドのウィングをしていました。優斗さんみたいな飛び抜けたスピードはなかったので、相手をかわしても追いつかれてしまうそんな感じでした。天皇杯予選が近づいてきたある日の練習試合、頭を打ってしまいまた怪我人になりました。これからというときにまたも怪我で苦しい思いをすることになりました。東海リーグの静大の試合を第四審判の席で見ることや、練習に参加できないことなど悔しい思いでいっぱいでした。しかし、いいこともありました。このシーズンから自分たちの学年にマネージャーのみっちゃんが入ってくれたことです。自分たちの学年は練習に来るのが遅く、帰るのが早かったので、はじめはあんまり話をすることはできなかったけれど、入部してくれて嬉しかったです。夏前に復帰をすると、東海リーグの試合に出場することができるようになりました。東海の強豪大学相手に引き分けたり、勝利したときの喜びと達成感は今でも忘れられません。試合後にノブさんと交わしたハグやみんなで喜んだあの景色も忘れられません。冬になり、この年から始まった新人戦に出ます。初めて自分たちが中心となって戦う大会でとても気合が入っていました。一回戦に勝ち、二回戦で負けてしまいますが、プレーしていた自分たちはとても楽しかったし、次につなげられる試合になったという実感を持ちました。来年、そして二年後のシーズンがとても楽しみになりました。さらに、この大会でもう一つ印象に残っていて嬉しかったことは、この試合の監督を務めてくださった佳祐さんがたくさんの選手を起用してくださり、公式戦でみんなと一緒にプレーできたことです。長い時間ではなかったかもしれないけれど本当に楽しかったです。

3年生時
シーズンが始まる前に松さんから来年の副キャプテンをやってほしいと伝えられ、「一緒にがんばろうや」というメッセージとともに始まったシーズン。自分ももう三年生になってチームの中心として戦うことになることを自覚しながらスタートしました。勝てない時期や思い通りにいかないことも多くありましたが、前期第三節の勝利や後期の静大開催ナイターで行われた試合など嬉しい瞬間もたくさんありました。個人としては、教育実習で途中離脱するときもありましたが、いままでの二年間とは異なり大きな怪我もなく、思い切りやりきることができました。
このシーズンを振り返って今一番思うこと、それは四年生の偉大さです。自分が一、二年生の時も四年生の力の大きさは感じてはいましたが、三年生になり、初めてチームの状況や中心選手としての自覚を持ったことで、より感じることになりました。それを特に感じたのが、後期リーグ終盤、チームが残留か降格かのラインに立たされていた時期です。勝たないといけないという焦り、負けたら降格に近づくという不安、そんな中、自分も危機感を感じながら過ごしていましたが、松さんや康平さんなど四年生はもっと不安な気持ちや緊張感のある日々を過ごしていたのだと気づくのは、残留がほぼ決まったあの激闘の試合後の松さんの話の中でした。「好きなサッカーが苦しく感じられる時があった。今はすごくほっとしている。何か肩の荷が下りたような感じ。」そんな感じの話だったと思います。自分はこの時、自分が感じていたことよりもはるかに大きなプレッシャーの中で四年生は戦っていたのだと感じました。そして、それと同時に今までの四年生の先輩方が最前線で様々なことを行ってくれていたから、自分たちは何も考えずに思いっきりプレーすることができていたと感じる機会になりました。そしてこれを本当に身に染みて感じることになるのは四年生になってからでした。

四年生時
いよいよ始まる自分たちのシーズンに胸を躍らせていました。俺らならできると思っていました。しかし、いざリーグ戦が始まってみると開幕から7試合連続負け、そのあと3試合連続引き分け。勝てない中で、どうすれば勝てるようになるのか、ただそれだけを考え続ける日々が始まります。後期リーグが始まり、残りの試合数が減るにつれて、降格の文字がとても大きく見えてきて、勝った次の週はいい雰囲気で練習できるけれど、引き分け、負けた次の週は少し暗い感じの雰囲気の練習になってしまう。当然と言えば当然のことかもしれません。いい練習をし、最高のコンディションで臨めば勝てる可能性は上がる。だから、どんな時でもいい雰囲気で練習したい。でも、勝てない時期が続けば続くほど雰囲気は悪くなってしまうし、いい練習から離れてしまう。うまくいかないときにどうすればうまくいくようになるのかを考え、行動することが大切であることは分かっていても、何をすればいいのか分からなくなっていました。「苦しい時ほどその人の本当の姿が見える」とよく言われることだけれど、だから、まずは自分が変わろうと思っていろいろやってみました。なかなか結果は出ませんでした。チームスポーツの難しさを改めて実感しました。個人的にもこんな感じですごく悩んでいた時間が少なくともありました。そんなときにメッセージを送ってくださった先輩方、試合に応援に来てくださった先輩方や高校まで私を応援してくださったサポーターの方、友達、そして部室に行けばいつもと同じような様子で変わらず元気をくれた四年生の仲間、祥真、涼太朗を中心とした後輩のみんな、そしてマネージャーの明るさに救われました。自分だけでやろうとしてはうまくいかない、チームだからたくさん話あってみんなで前を向いて戦おう。そんなことは分かっているつもりだったし、それを大切にしたいと常々思っていました。しかし、実際追い込まれてくると、目の前のことで必死になり気づけなくなっていました。このことに気づくのはだいぶ遅くなってしまったけれど、暑さ指数で延期になった試合の次の週からはみんなのおかげでこれに気づき、全員でこのチームを、最高のゲームを作るんだという意識でできるようになりました。すごく大切なことに改めて気づくことができました。

ここまで、悔しかったこと、うまくいかなかったことばかりを書いてしまいましたが、最高の瞬間、忘れられない瞬間もたくさん経験しました。例えば、夏のバーベキューでテツと一玖磨が「後期絶対勝って残留しましょう!」と熱い思いで語ってくれたこと、自分が得点したときにベンチも含めてみんなが駆け寄ってきてくれて一緒に喜べたこと、そして勝った時の喜びなど。書き出したらきりがないくらいありますが、その中でも、最も忘れられない三つの瞬間をここに書きます。

一つ目は、後期リーグ第二節で祥真の点が決まった瞬間と勝った瞬間です。この試合は、宏介と涼太朗が長い怪我から復帰し、久しぶりにピッチに帰ってきて一緒に試合をすることができた試合でもありました。後半アディショナルタイム、祥真が打ったシュートがゴールに入ったとき、スローに感じたあの瞬間、そしてそのわずか一分後くらいの試合終了の笛。全部がセットで忘れられません。泣きそうな祥真の顔をみて、自分も嬉しさのあまりグッときましたが、試合が終わるまでは我慢しました。

そして二つ目は、後期リーグ第6節岐阜で行われた試合で後半途中から友也が初めて東海リーグに出場した瞬間です。交代で友也が入ってきたとき、すごくワクワクしました。後半の終わり際で疲労もありましたが、それが飛んでいく気がしました。試合後の藤田さんの話の時にはなぜか分からないけれど、自分が泣きそうになっていました。一緒に東海リーグに出られて嬉しかったです。

最後三つめは、県内リーグの最終節、二年間怪我で苦しんだ尚純が躍動する姿を見られたこと、そして何と言っても虎太朗のアシストから竹内のゴールのシーンです。今までの試合の中で一番応援した試合だったし、自分は出てないのに試合をやっているような感覚になっていました。四年間の思いもこみ上げ、今まで見た中で最も感動した試合、瞬間でした。特に、得点のシーンは涙が出そうでした。周りで他の四年生がそうなりそうなのを見てということもあったのかもしれません。そして、四年生みんなが同じ思いをもって四年間やってきたことを実感した瞬間だったからだと思います。


いま、最後の一年の忘れられない瞬間を書きましたが、先にも書いたようにここには書ききれないくらいの思い出が私の四年間にはあります。楽しい思い出だけでなく、辛いことや苦しいこともありましたが、今ではすべてがいい思い出です。大学四年間をこの部活に捧げてよかったと思えます。しかし、そう心から思えるのも、応援してくださったたくさんの方々、監督、偉大な先輩方や頼りになる後輩、そして最高の同期のみんながいてくれたからです。特に、四年生のみんななしでは私の大学生活は語れないし、こんなにも素晴らしいものにはならなかったと思います。他の四年生のブログにも書いてあったことと同じにはなりますが、この部活に入り、自分にとって一番の財産はみんなと出会えたことです。10人で引退することができて本当に良かったです。今までありがとう。そしてこれからもよろしく。本当は、四年生一人一人にメッセージを書きたいところですが、どのくらいの長さになるか分からないので、また別の形で書くことにします。

後輩へ。
限られた時間の中で何ができるか、どのように過ごすのか。時間はみんな平等に与えられています。今日の過ごし方、もっと言えば今この瞬間の過ごし方ひとつでこの先が変わってくるのかもしれません。未来のことは分からない、でも、今が未来を作る。今は過去の未来だったから。だから今を楽しむ、今を全力でということを心掛けてこれからも私は進んでいきます。迷ったときは、「やるか、やらないか」ではなく、「やるか、すぐやるか」といった考えをもつこともたまにはいいかもしれません。
一年間ついてきてくれてありがとう。残りの大学サッカーも楽しんでください。応援に行きます。

小学校入学以前から始めたサッカーを通してこれまでに様々な経験をし、嬉しいことも、悔しいことも、楽しいことも、辛いこともありましたが、今ではそのどれもがかけがえのない時間です。サッカーを通して、出会ったたくさんの素敵な人達もいます。自分の人生からサッカーがなくなることは考えられません。これからもまだプレーしたい気持ちも十分にあるし、プレーができなくなっても違う関わり方でサッカーに関わっていきたいと思います。

最後になりますが、様々な方々のサポートのおかげで無事大学サッカーをやり遂げることができました。本当にありがとうございました。この四年間で経験したことを次のステージでも発揮していきます。