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「フランダースの犬」パトラッシュ的、うどんの魅力

天狼院ライティング・ゼミの課題2回目、今回はウェブ掲載されずにボツになったうどんが好きな話です。

課題1回目についてはこちら。
1回目にも関わらず、めでたくウェブ掲載された文章です。

・ボツになったうどんが好きな話

<タイトル>
「フランダースの犬」パトラッシュ的、うどんの魅力

「は?うどん?なんで??」
「なんでって言われてもなぁ……。だって、美味しいじゃん。」
好きな食べ物は何かという質問に、みなさんはなんと答えるだろうか?
焼肉? 寿司? ラーメン? カレー?
……私はうどんである。うどんが好きだ。

1人当たりの年間消費量は、香川県高松市が日本一で4,687円、全国平均は2,081円。 (2017年〜2019年平均そば・うどん総務省家計調査より1世帯3人で計算)
うん。高松の人より私の方が絶対いっぱいうどん食べてる。

広島の実家にはうどん屋さんがたくさんあったが、今は東京に住んでおり、あまり近所にうどん屋さんが無い。
そのため、家で食べることが多いのだが、少なく見積もっても週に1回は食べている。平均1食200円として少なくとも年間で10,400円は消費している。

夏はざるやぶっかけの冷たいうどん、冬は暖かい肉うどん。 年中食べられるところもうどんのいいところだ。
冬の暖かい部屋で冷たいうどんを食べるのもまたいい。

今日も夫は「うどんにはかしわ天がいいなぁ」と言っていたが、彼はうどんに天ぷらを入れたり沢山トッピングをするのが好きなようだ。
「うどんという料理」を楽しみたいタイプなんだろう。

うどん屋さんも、客単価を上げるためにトッピングを沢山用意している。分からなくは無いが、「うどんという麺」を楽しみたい私は、トッピングはネギくらいでいい。
うどんという麺のツルッとしたのど越しやコシの強さを味わうには、トッピングはむしろ邪魔なのである。

「冬には暖かい肉うどんを食べると言っていたじゃないか」と言われるかもしれないので、補足しておきたい。
肉うどんの肉は牛肉を甘辛く煮ているため、個体としての存在感が無く、麺の邪魔はせず、だしに旨味を追加することを主に担っている、ナイスアシストな具なのだ。

ここで、うどんにまつわる3つの記憶を聞いてほしい。

最初のうどんの記憶は、幼稚園の年少さんの頃。
母が出掛けていない時、私の面倒を見てくれた祖母が、昼ごはんに連れて行ってくれたうどん屋さんだ。
白菜の漬物を作っている祖母に、うどん屋さんに連れて行ってくれとやたら絡んでいた記憶。
「ねーねー。うどん屋さん行こうよー」 
今はもういない祖母の背中と一緒に思い出す、これが私の最初のうどんの記憶だ。

一番印象的な記憶は、幼稚園の年長さんの頃。
仲良くしていた家族が引っ越してしまうことになり、新幹線のホームまで見送った。その帰りに母の提案で食べたとろろ昆布うどんだ。
気を張って見送りのホームでは我慢してたのに、ズルズルと暖かいうどんを食べたらなんだかホッとしたのだろう。うどんを食べながら悲しくて泣いた記憶。
「……うどんでも食べて帰る?」
今はもう無くなってしまったお店のとろろ昆布うどんと新幹線のホーム、これが私の一番印象的な記憶だ。

一番驚いた記憶は、上京したばかりの大学生の頃。
東京には蕎麦屋さんはあるがうどん屋さんが無いのだ。
今ではファストフードのようになった丸亀製麺やはなまるうどんが東京にもあるが、2000年当時には全く無かった。当たり前だったものが普通に無いことに衝撃を受けた記憶。
現在500店舗を超えるはなまるうどんが東京初進出したのが2002年、1,000店舗を超える丸亀製麺が兵庫県に1号店をオープンしたのが2000年である。
どこでうどんを食べればいいんだと途方に暮れたのが懐かしい、これが私の一番驚いた記憶だ。

現在は改善されたものの「うどん屋さんが無い」は、「うどんのだしが黒い」に次ぐ、西日本の人が東京に来た時のあるあるだと私は思う。

……そろそろうどんが食べたくなってきただろうか?

まだの方には、うどんうどんうるさいな、と思われるかもしれないが、もう少しお付き合いいただきたい。

うどんの原材料は、小麦粉、塩、水である。
そばは、そば粉、小麦粉、水。(十割蕎麦は小麦粉を使わない)
ラーメンは、小麦粉、かん水、塩、水。

まあ、麺類というものは基本シンプルではあるが、うどんというものは実にシンプルな食べ物である。

シンプルというのはいい。
素材の味を楽しめるところが実にいい。

しかも、料理として同じようにシンプルな蕎麦に比べても、値段が安い。
高い蕎麦って何であんなに小難しそうな顔して食べなきゃならんのだ?最初はツユにつけないでそのまま食べてとか言ってくるし。
それに比べてうどんはいい意味で雑だ。懐が深いというのか、「許し」がある。
……蕎麦好きの方には、ちょっと悪口っぽくなってしまったが、うどん好きのたわ言だと思って許してほしい。

日本3大うどんというものをご存知だろうか。
香川県の讃岐うどん、秋田県の稲庭うどん。
ここまでは想像がつくとは思うが、最後の1つは何だろう?

答えは、群馬県の水沢うどん、富山県の氷見うどん、長崎県の五島うどんなど諸説あり、決まってないようである。
ググってみると、「5種類以上も候補が」「讃岐・稲庭、あと一つは?」など、みんなの混乱がよくわかる。
このあたりからもうどんの懐の深さがみて取れる。つまり、何でもいいのだ。

実は私も、うどんへのこだわりを書きはしたが、うどんであれば何でもいいと思っている節がある。
多様なうどんに多様な美味しさがある。それでいいじゃないか。

国内旅行に行った時の楽しみとして、現地で豪華な名物料理を食べると思うが、ぜひ、土産物売場や現地のスーパーでご当地うどんも買ってみてほしい。
非日常の「○○牛のステーキ」ではない、日常の「その土地のうどん」が楽しめるはずだ。
自宅に帰って、現地の食べ方で食べてもいいし、自分の好きな具材をのせて食べたり、シンプルなざるうどんにして食べてもいい。
好きなようにすればいいのだ。

ちなみに、うどんはアレンジ料理も多い。
クックパッドで「うどん レシピ」で検索すると1,374件。蕎麦の405件に比べて3倍以上もある。
家庭で美味しいうどんが手軽に食べられるようになったのは、テーブルマークの冷凍うどんによる功績が大きいとは思うが、このレシピ数の多さは、多様なうどんに多様な美味しさがあることの証明ではないだろうか。

いや〜、うどんって懐が深い。うどん最高!

「フランダースの犬」パトラッシュ的、うどんの魅力。いかがだったでしょうか?
「パトラッシュ出てこないけど?」という人のために最後にまとめてみよう。
ネロといつも一緒にいてくれるパトラッシュのように、日常生活の傍にいつもいてくれるうどん。
脇役ながら主役のネロに引けを取らないくらい人気のパトラッシュのように、派手なところはなくシンプルだけどみんな大好きなうどん。
ネロの手伝いをいつもしてくれるパトラッシュのように、アレンジレシピで毎日の食事の支度を助けてくれる懐の深いうどん。
人生のカウントダウンがあるなら派手に焼肉や寿司を食べるが、ネロと一緒に天に召されるパトラッシュのように、本当の最後の日には私はシンプルなうどんを食べたい。

目立たないけど、当たり前のように側にいて、いつも助けてくれる。
主張もせず、懐が深く、多様性があり、脇役でありながらも、主役にもなり得る可能性を秘めている。

そろそろ、うどんが食べたくてたまらなくなってきただろうか?

よし、今日はうどんを食べよう。

・講評

・コンテンツとして弱かった
・一方的に語っている感じになってしまっていて、熱意が空回りしてしまっている印象
・うどんに関して思いつくままに書いている印象
・特に伝えたいことはなにか?ということを明確に
・文章中のメリハリを意識できると良かった
・『第3者』が読むことを意識して、読みやすいか、や、イメージしやすいか、などより意識する

・反省点

そうですよね……コンテンツとして弱いですよね。
前回のbeの肩書きの文章は、テーマも含めて全てが渾身の一撃だったからなぁ。
でも、うどん好きの変態が一方的にうどんについて語るっていう感じも面白いかな?と思ったんですよ。熱意が空回りかぁ……悲しい。
確かに、伝えたいことは、私がうどんが好きなことだけで、読者メリットがないもんなぁ。
反省点をまとめると、第3者の意識が足りませんでした!ということかな。

そんなわけで、めげずに課題3回目も頑張ります!

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