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無常沖縄、愛情沖縄

旅の楽しみのひとつに、「同じ場所を訪れる」ということがある。せっかく遠くまで来ているのに同じ地域や同じ店に行くなんてもったいない、と思う人もいるだろう。しかし、私は違う。知らない土地で、同じ場所、同じ食堂に行きたくなってしまうのだ。新しいお店を発見するのも好きだが、極力行きつけを作りたがるようだ。かといって、特別地元の人と仲良くなって情報を、という目的があるわけでもないのだが。ただただ、そこに身を浸したいのである。

今日は、近年3度訪れている沖縄で、なぜ沖縄に惹かれてしまうのかという理由を、訪れる度に実感した変化と、変わらない中立的な雰囲気のある沖縄の人のあたたさかから書いてみたいと思う。

同じ場所なのに、こうも変わるのか

実は、高校の修学旅行で沖縄に来たことがある。ほとんど記憶にないが、それを含めると正式には現在4度沖縄を訪れていることになる(下記詳細)。修学旅行を0回目、昨年の9月を1回目、今年の9月を2回目、1月を3回目とし、それぞれの変化を挙げたい。グレー枠の言葉は、自分の旅ノートからの引用である。

0回目: 2003年
1回目: 2018.9.11-14
2回目: 2019.9.19-23
3回目: 2019.11.6-10

1回目から2回目

●安室ちゃんの引退前と引退後

ひとり旅で初めて沖縄に訪れた一番の理由は、『安室ちゃんの引退直前だったから』に尽きる。最後のライブは9.16の故郷沖縄だったので、その日を一緒に、ではなくその直前に行こうと決心した。

そして、引退後になる2回目に来た時は、一周年記念で「愛さ❤︎NAMIE いちまでぃん」という花火プロジェクトが終わった2日後であった。空港から一歩踏み出す空気が全く異なるようだった記憶がある。きっとそこに「想い」や「情」が含まれていたからだろう。那覇の街にはまだそのプロジェクトの名残もあった。安室ちゃんが歌の世界に“いた”沖縄と、“いない”沖縄がある、という事実はどこか不思議だったが、沖縄で聴く安室ちゃんの音楽はどちらも格別であるということに変わりはなかった!引退後も宜野湾にて愛溢れる安室ちゃんの空間があった。

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●那覇バスターミナルが完成していた
1回目に訪れた時は、大規模な工事が行われていた。乗りたいバスが分からず、グルグルと歩いて、橋を渡って戻ってすごく迷った記憶がある。2回目に来た時にはその整備されたバスターミナルの簡潔さに安心したことに加えて、併設されている沖縄県立図書館のデザインの美しさに惚れ惚れした。バスターミナルだけでなく地元の人が集いやすい公共の場所や、ショップが入っていつ来ても素敵な場所だと感じている。

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(↑カウンターの方に撮影許可頂きました)

2回目から3回目

●首里城焼失

2回目に来た時は台風直撃のためフライトが延期され、出発時間の11時すぎまで時間があった。そして、その日の直感で修学旅行以来初めての「首里城」に向かった。…驚いた。あんなにエネルギー溢れる神聖な場所だったとは。何より今ここにいる沖縄の歴史がここから伝えられていると言っても過言ではないような、沖縄の人にとってどんなに想いのある場所なのかをひしひしと感じた。私の場合は、開門前に行ったこともあり、周辺の城壁の高さ、園比屋武御嶽石門や、まだ誰も足を踏み入れていないくらい瑞々しく静けさ溢れる早朝の「京の内」からのエネルギーを受け取った時間がとても濃かった。もちろん朝の光を浴びた首里城正殿が垣間見えた時の感動も。それらは高校時代に見た写真を撮るために来たような記憶とは全くもって別物だった。奉神門で御開門式(うけーじょー)を見て、石畳の坂道を下った。

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3回目のフライトを取った理由の一つに、また首里城に行きたいという思いがあったが、まさかこんな事態になるとは想像できなかった。首里城消失のニュースに涙が滲んだ。宿泊場所も何も決めていなかったが、私に出来ることは沖縄に行かせていただき旅をすること。それしか出来ない。沖縄に着いた当日、延伸した駅から帰路につくつもりでモノレールに乗った直後、赤く染まり出した空が見えた。日没時間を検索すると、まだ日没30分前。自分の眼で確かめたい気持ちで「首里」で飛び降り、首里城の丘に登ろうと夕日を見に行った。「沖縄にいるのに初めて首里城に来た」という内容の会話がチラホラ聞こえる中、多くの人々と、一つの太陽が海に沈むのを見た。あんなに大きい夕陽に出会えたのは久しぶりだった。

夕陽間に合う!と思い、やっぱり引かれるように。自分の目で確かめたくて。17:45 Sunset time。地元“観光人”?みんな見にきてた。みんなで見た夕日。手を心の中であわせた。涙出そうだよ。あの燃えさかる映像に心痛めた。ここ地元人かな、とすれちがう度に感じた。


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●台風

2回目は、台風17号が沖縄を直撃した。いつも通り特に予定はなかったが、船は欠航、バスは終日運休になりモノレールもおそらく運行しないだろうという状態。その日は那覇のバックパッカーから赤嶺駅のホテルに移動しなくてはいけない。午前中は途方に暮れるしかないような暴風雨で、ホステルの共有スペースで各々足止めをくらった世界中の観光客と時間を過ごした。少し雨脚が弱まったような気配がしたので、ひと気が消えた暴風雨の中、軒下へダッシュし、屋根や壁をつたいながら、赤嶺駅まで歩いた一日があった。旭橋駅から伸びるモノレールを支える太い柱を一本、一本前へ進んだ。「明治橋」ではさえぎるものがなくなり、野ざらしのまま雨風を受け、耐えながら歩いた。単なる道でも戦略的に一つひとつの建物や屋根を目標に少しずつ歩いたからか、3回目に同じ道をバスで通ったり歩いた時には、なんだかマラソンでも走ったコースの思い出のような、身体的疲労とともに密な時間が蘇った。

3回ほど海をひっくり返したようなスコールに会いました。青い空と濃い花の色、緑も見れて美しい。沖縄ならではの台風を楽しんで、そのときそのときでやりたいことしよー!(2回目)

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●モノレールが延伸 

2回目の時に振られてしまったお店(台風のため早く閉店してしまっていた)に行きたくて、3回目は空港を出て真っ先に向かったが、またすでに本日の閉店時間を過ぎていた。ちょっぴり肩を落としながら諦めて浦添大公園に行ってみた。地図を見ると終点だったはずの「首里駅」から「てだこ浦西駅」という駅まで延伸されていることに気づく。宿を取った「赤嶺駅」までモノレールで帰れることが分かり、「浦添前田駅」に向けて散策した。心地よく整備され、少しずつ進化し続ける那覇にワクワクした。

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不変な沖縄人「ただいま」と言いたくなるお店や景色

なんだか旅行パンフのフレーズのようだが(笑)、実際に足を運ぶ中で心からそう実感している。変化を感じる中で何度も沖縄に行きたくなる理由は、その変わらない空気感であることに間違いはない。沖縄からうちに帰ると無意識に次のフライト調べたり、美味しいお店やカフェ情報などを検索している自分がいて驚く。「あーまた行きたいな」と思いを馳せる夜がある。どちらかというと、すでに沖縄に「帰る」感覚かもしれない。中立的で堂々とした女性の方とすれ違うのがすごく元気もらえる。

それから、まだまだ見てみたい、知りたい沖縄がたっっくさんある。でも一気にも見たくないという、楽しみを先に取っておきたい気持ちもある。

だから、私にとっての沖縄は、毎度変化を感じる旅の行き先でもあり、そのベクトル分以上に、いつも変わらない人と空の青さ、海の青さ、カラフルな花が待っているという安心する場所でもあり、冒険心をくすぐられるアドベンチャーな場所なのかもしれない。

沖縄って海外のような空気。宜野湾より北へ向かうと、ところどころカリフォルニアとかフロリダでのステイを思い出したし、那覇の街は東南アジアタイっぽい。カオスと化してたり、バッパー充実していたり、独特の雰囲気。人もフレンドリーというかやさしー☺
運転手さんも、おばーちゃんも、朝「何かお困りですか」って声かけてくれたおじさんも(笑)ここから中国、アジアへの色が混ざりだしているような。(1回目)
寝坊しても行きたいと、沖縄にいたいと思って来た。(2回目)


静水庭🌿

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