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ロマンチックはほどほどに

男の人は、ロマンチストで面倒くさい。

今日、元カレの夢を見た。

夢は不思議で、時々困らせる。夢での気持ちを、ひきずってしまう事がある。現実ではないのに。


彼と結婚するんだろうと、なんとなく思っていた。8年は長すぎた春だったのか、お互いが結婚したいと思う時期が見事なまでに噛み合わなかった。

最後は涙もなく、さらっと終わった。


彼ほど、私の事を大切にしてくれた人はいない。少しキザで、ロマンチスト。

夜景の見えるレストランやバー、誕生日には100本のバラの花束。サプライズも含め、こういう事が大好きな人だった。


夜景がきれいなお店は、店内が暗い。ふと、外を見ると、窓ガラスには自分の顔が映る。夜景を楽しむには、視線を先に合わせなければいけない。ムードはあるが、足元が危なく、そして、お値段も張った。

私は、夜景に興味がない。きれいだと思うのは一瞬。それどころか、人々の生活している明かりを見ながらの食事に、傲りというか、見下している感じがして、どちらかというと嫌悪感を抱いていた。

あの頃は、夜景がきれいなお店を好きでいないといけない雰囲気だった。まだ、バブルの名残が幅をきかせていた頃。

女の子はみんな夜景好き。

雰囲気に流され、演じていた。

花は好きなので、とても嬉しかった。でも、100本はいらない。

サプライズは、一番困った。彼の望むリアクションが出来ているか、いつも不安だった。オーバーに嬉しさを表現することで、なんとか乗りきってきた。笑顔をふりまいた。

ロマンチックな事は、苦手。居酒屋で、焼き鳥に焼酎ロックが一番しっくりくる。フレンチやイタリアンは、たまにで良い。


そんな彼と、別れてから数年の後、バッタリでくわした。結婚した事は、風の噂に聞いていた。左手薬指に光る指輪。金属アレルギーだから、指輪はしないと言っていた人。指輪を見て、とてもステキな人と出会ったんだなと思った。

私の20代は、彼と共にあった。

今の私を作ったのは彼。世間知らずだった私に色々な世界を見せてくれた。

ロマンチストで、たまに私を困らせた人。

ロマンチックは、ほどほどにね。

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