卒業旅行短編集

卒業旅行でイギリスとイタリアに行った。

・友情の大切さ:今回の卒業旅行では沢山の友人にお世話になった。宿泊や食事、洗濯、送迎etc…せっかく日本から来たのだからと、みんな精一杯もてなしてくれた。貧乏学生には本当にありがたかった。単純なスパゲッティであろうと、真心がこもった食事は信じられないくらい美味しく、改めて友情の大切さを痛感した。友情や信頼はお金で買えない。自分を大切にしてくれる人は、心から大切にしよう。

・食事と睡眠の大切さ:食事と睡眠は心身の健康に直結する。食費の節約のために大量のカップ麺を持参したが、三日三晩カップ麺を食べ続けた結果、すぐに体調を崩した。また宿泊費節約のために転々とした友人宅では、学生らしい楽しい体験ができたが、寒く汚い床に寝続けたのが裏目に出て徐々に風邪っぽくなった。栄養不足の食事と睡眠不足のダブルパンチによって一度崩れた体調は中々戻らず、体の不調は心や思考力の不調に、ひいては旅行そのものに多大な悪影響を及ぼした。結局、療養のためにイタリアではホステルではなくホテルを予約することになったりと、少額の食費をケチったことで多額の支出が発生したため、食事や睡眠はしっかりと段取りを組むべきだと学んだ。

・Think Simple:数々の友人を巡っていく中で、とある親友に言われた言葉が突き刺さった。「You are overthinking too much, think simple」である。当時、俺は友人と再会するたびにキャリアの目標や不安について意識高く、一方的に語っていたように思う。再会を楽しみにしていた友人の一人と思ったより話がもりあがらなかった原因も、自分のこういう態度にあったのだろう。この言葉でハッと気がついた。俺はいつから社会的に成功することが人生の全てだと、自分の価値を決めることだと信じ込むようになってしまったのだろう?と。視野が狭くなり、聞く人を窮屈にさせ、人生を楽しむことをすっかり忘れていたのではないか。彼に自分の態度について苦言を呈されたことで、せっかくの再会なのにお金や仕事の話ばかりしていた自分がちっぽけで情けない人物のように感じられた。まだ20代前半なのだし、俺なんて全く大したことないよ。しっかりと地に足をつけようね。

・詐欺ですらチームワーク:今回の卒業旅行を通じて「仲間」の大切さを痛感した。一人で旅行したって面白くない。街中であの手この手で詐欺をしてくるアフリカ系やジブシー系の人々だって、集団で詐欺をした方が情報を得やすく、成功しやすい。今度の旅行は友達と行こう。

・首を切られる:ローマにて、ローマ帝国の悠久の歴史を肌身で感じた。博物館の展示にて、古代から人間社会に権力闘争はつきものだと再確認させられた。文字通り、権力を脅かす敵対者は首を切られる。昔も今も、人間社会の組織は変わらない。

・よくない時にどれだけできるか:調子良い時には誰だって物事に上手く取り組むことができる。正念場は、調子が悪い時だ。調子が悪い時に不貞腐れず、着実に努力できる人こそ、真に成熟した人間だと思う・

・失業:親友を久々に訪ねたら、失業中だった。それでも、精一杯もてなしてくれた。ありがたい限りだ。失業期間を生かしてFXやプログラミングを学んでいるらしい。うまくいくことを祈る。

・独り立ち:泊まらせてもらった友人が自分の力で慎ましくも自由で独立した生活を送っている様子を経験して、実家に泊まらせていただいた親友の両親が衰えていく様子を見て、帰りの飛行機で見た「ダーウィンが来た」でアシカの子供が親元から厳しい自然界へ独り立ちしていく様子を見て、自分の巣立ちの時がまもなくだと実感した。いよいよ。

人間社会を生きる者として、まもなく日本社会に、世界社会の一員として自分は船出する。怖い気持ちもあるが、なんだかとても楽しみだ。



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