大人にはなれない

小さい頃、歳上の人を見ると大人だな〜と憧れずにはいられなかった。そして、自分もいつかあんな風に格好良くなると信じて疑わなかった。

いつからだろう。大人は、さほど大人ではないと気づいたのは。

20年生きてやっと、何となくだが、この未熟な状態のまま大人と呼ばれる人間になっていくことに気づいた。これだけ年月を重ねて、やっと自分は進化しないことを知った。プリキュアはできるけど、私にはメタモルフォーゼなんてできないのだ。

「大人になったけど、大人は意外と大人じゃないな。心の中が18くらいで止まってるもん。」
バイト先のパートさんに言われた。何となくずっと覚えている。この言葉が、やっと分かるようになってきた。うーん、私の物分かりが悪いのかもしれない。

私はこれから成長するんだろうか。そんな漠然とした不安がある。でも、どうしてそもそも成長しなければならないと思っているのか。
これで良いんじゃないのか。好きな人に好きって伝えて、手で持てる範囲の大切な人を守る。たまに贅沢にケーキ屋さんのケーキを食べて、適当な冗談と愚痴を言う。
それのどこに足りないものがあるのか。
いや、足りないものだらけだな。それでも、心のどこかで全ては手に入らないと諦観している私がいるのだ。

だからきっと
大人って格好良い、は幻想だな。余裕があって素敵、なんてもっと滑稽だな。
歳を重ねて、全てを守ることはできないと知って、憧れを憧れでしか終わらせられなかった自分が不甲斐なくて、その結果色んなことを諦めてできた人間としての余白が余裕なのかもしれない。大人って格好悪くて、余白がある。くたびれて少し枯れた目や、諦めてできた余白に、色気なんてものを感じるのではないか。これが正解かもしれない、なんて20歳は思っている。
そして大人なんてものは、この世に生きる人間が創り出した幻想でしかないのかもしれない。大人なんて、本当は誰もなれないのかもしれない。それが、この世界の秘密かもしれない。人生なるようになると思っているから、私にはそんなこと知ったこっちゃないけれど。

何が言いたいのかも分からないけれど、とりあえずこんなもの書くより読むより、寝たほうがいいのは確かだ。だって明日(もう今日)は6時起きだから。