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動かないコツ

人間彫刻について最も多い質問、
「動かないコツって、何ですか」
の答えを書いてみたいと思います。

技術的には、何よりも『息を吐く』ことです。

唇を紙一枚はさむくらいにわずかに開けたスキマから、スーーーーーーっと細い息を長く吐く。
トランペットをやっている方は分かると思いますが、上の歯の裏に舌を軽く当てて歯の先と舌のスキマから空気がもれる感じです。
平たい、細い息を出来るだけ長く吐く感じですね。
(逆に喉奥に舌を引っ込めるとアゴ周りが緊張しますので、望ましくありません)

これをお腹の底から吐く意識を作ると、自然と身体の軸が出来てくる感じが生まれると思います。
この感覚に身を委ねることがまず大事で、長く止まるにはその時間を意識してキープする事です。

身体を使う仕事をしている方、、、例えば俳優さんとかダンサーの方とかですとまずこれで静止出来ます。

また、ぼくは仕事で芸能人の方に撮影現場で人間彫刻のご指導をする事もありますが、さすがにカメラの前で演技される方は独特のセンスを持っておられて、すばやく身体が順応されます。

いちばん大事なのは、「停止」では無く「静止」なのです。
動かないんですけど、身体の中はあくまで「動いて」呼吸して無いとダメなんです。

実は人間の身体は2点で立っているので、完全停止する事は不可能なんです。
しかし、動きのブレを最小限に抑えて(つまり「静止」)、結果として「動いて無い」ように見せることは出来ます。

先日の「やわらかアタマが世界を救う」でも、ぼくは2時間『考える人』で静止してましたが実はミリ単位で動いてました。
股関節や膝や、肩の関節の負担を移動させてたのです。
その原動力も、「息を吐く」です。
呼吸を伴った微細な動きはバレません。
より繊細に動きを操作出来るのです。

このテクニックは、ぼくが長年学んだポーランドのパントマイムの応用です。
師匠のテリー・プレスさんが言われた、
「呼吸しか考えるな」
が、13年も経ってやっとぼくも分かったのです¥


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