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日本とインドネシアの製造業の格差

昨日の投稿はなんか変な感じで終わってしまいましたが、その理由は、眠かったから、です。はい、さぼったわけですね。すみませんでした。

でも、そんな緩い感じで続けていければと思います。

今日のトップに使わせてもらった写真はアメリカの写真だそうです。ですが、インドネシアの風景と似ていたので使わせてもらいました。インドネシアの民家って赤い屋根が多いんですよね。だからこの写真を見た時、インドネシアかな?と思いました。

今日はインドネシアと日本の製造業の格差について書きたいと思います。

日本の製造業は世界でも高いレベルに位置していると言われていますが、その理由って考えたことありますか?

製造業が強い国と言われてどこが思い浮かぶでしょうか?やはりドイツ、日本あたりが出てくるのかなと思います。

ずばり、私が思う製造業の強さを決める要因は、すそ野の広さ、もっと絞って言えば、設備や工具、金型などを作れる能力が自国にあるか、というところだと思っています。賛否あるとは思いますが、インドネシアにいた時の経験から言って、大きく外れた主張ではないと思っています。

設備なんて自分の国で作れなくたって、外国から買ってくればいいじゃないか、と思うかもしれません。そして、それは間違ってはないと思います。実際、設備メーカーなんてほとんどないインドネシアにおいても(私の知る限りですが、旋盤やマシニングセンタなどの汎用機メーカーすらありませんでした)、日本から設備を買ってくれば生産はできていたわけですから。

ですが、設備は買ってくれば終わりではありません。メンテナンスも必要ですし、壊れることもある(しょっちゅうある)。そして設備を動かして生産活動するためには油剤や工具、金型、治具なども必要になってきます。

日本の場合、何か困ったことがあったら専門のメーカーさんに相談できます。電話をかければその日中に営業さんが来てくれるところだってあります。設備が壊れたとしても、各メーカーのサービスマンが遅くても数日以内には来てくれますし、かなり高い確率で直してくれます。そういうつながりの中でいろんなことを教えてもらったりするわけですが、ここで重要になるのが「言語」です。

困ったことを相談したり、図面を書いたり読んだりするのに違う言語で会話するというのはかなり難しいことであり、母国語で意思疎通ができるということは凄まじいアドバンテージになります。設備の状態を伝え、質問をしたり教えてもらったりが電話一本でできるのは、想像以上のメリットになります。

海外にもその国の営業マンやサービスマンを置いている会社ももちろんあります。ですが、彼らが売っている商品は日本製であったりするわけで、いくら勉強したり日本で修業を積んでいるとはいえ、そこにはどうしても言語の壁が存在しますし、長年日本の本社工場で設備を作るところを体験したり、母国語で指導を受けてきた人には到底およびません。申し訳ないですが、現地の営業マンはほとんど役に立ちませんでしたし、サービスマンもいないよりはマシかな、という程度でした。

日本に一時帰国していた時に、日本のメンテナンスマンに「わからないこととかあったらどうするの?」と聞いたら、「メーカーに聞く」と言っていました。当たり前のことかもしれませんが、この当たり前のことができるということ、しかもそれが母国語でできるということは、とんでもなく凄いことなんです。

日本で育つエンジニアやメンテナンスマンはメーカーさんに教えてもらい、鍛えてもらっています。でも、インドネシアではそういうことができる先生がいなかったので、なかなかスタッフも育ちませんでした。日本人駐在員がいると言っても、彼らもすべての精通しているわけではないですし(もちろん、私も同じ)、指導する土壌を整備するところまではなかなか難しいと思います。

いかがでしょうか?

製造業の強さを決めるのは、自国に設備や工具などのメーカーがあるかないかだと私は断言できると思っています。ドイツには世界的に有名な設備メーカーや工具メーカー、設備を構成するユニットメーカーが存在します。だからこそ、今でも優位に立てているのだと思います。

そういう意味で言うと、これから製造業として伸びてくる可能性があるのは中国とインドです。彼ら製造業の品質レベルはまだ低いですが、この2つの国には日本やドイツと同じように、一通りの物が自国内で揃うという環境があります。つまり、母国語で会話できるのです。すでに彼らはすごい勢いで日本やドイツに迫ってきていますが、その理由はここにあると思って間違いないでしょう。

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