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今日は仕事と性格について書きたいと思います。ただし、ここで書くことは機械加工の担当であった私の100%主観ですので、間違ったことを書いているかもしれません。そんなことないわい!!と思われる方もいらっしゃると思いますが、悪しからず、ご了承ください😀

エンジン部品の生産では、複数の工程を通過することが普通です。たとえば私が携わっている鉄物の部品だと、最初に材料があって次に鋳造か鍛造、機械加工、熱処理を経て仕上げ加工、最後に表面処理をして組み立てられたりします。

会社にもよるとは思いますが、私の会社では工程単位で担当しています。たとえば私が機械加工の担当であったように、熱処理担当、鍛造担当がいます。もちろん、すべての工程を見れるようになればユーティリティプレイヤーになれるのですが、それぞれの工程は奥が深く、一人前と呼ばれるにはそれなりの年数が必要になりますので、なかなか難しいのです。

長年同じことをやっていると、仕事に求められる精度と性格が似てきます。

たとえば、機械加工は設備、治具、工具など、いろんなことを気にしなければならず、複数の設備をトータルで見ないといけません。また、要求される製品精度も高く、組立と直結する場合が多いので後工程からクレームが来るのはたいてい機械加工工程になります。そうなると非常に細かいことまで気にしなければならず、また後工程クレームを言われないようにと考えるのでいろんなところに気を配るようになります。

一方熱処理はといえば、けっこうおおざっぱな性格になります。熱処理ってパッと見、何が起きてるかがわかりにくいんですよね。何をするにも顕微鏡を使って材料をじっくり観察することになります。なのでとってもアカデミックでマニアックな人が多く、この人たちの説明は他の人たちには理解しにくいんです。だから、けっこう熱処理はアンタッチャブルな存在になって、なんだかよくわからんけどあの人が言うんだから仕方がない、的な人が1人や2人はいると思います。また、熱処理は歪む(変形する)のですが、このコントロールが非常に難しく、これをなくすことができればノーベル賞を取れると思います。ゆえに、歪むのは当たり前、それをなくせと求められても無理でーす、というスタンスの方が多いように思います(実際、無理だと思うんですけどね)🙄

次は鍛造担当。鍛造や鋳造など、仕上げ加工前のおおよその製品の形をした物を粗形材と言いますが、この工程を担当する人たちの考え方は「機械加工で黒皮が残らなければそれでよし」というイメージです。黒皮というのは、本来、機械加工で削らないといけないところなのに、削るための肉がなくて削れずに鍛造や鋳造の面が残ってしまう状態のことを言います。よって、製品図面に書かれている要求精度を満足できなくなります。この状態を非常に嫌うので、彼らは基本的に肉を盛る方向で考えます。機械加工が入らない面が製品図面を満足していなくても、黒皮残ってないんやろ?そして製品を組んだ後でも特に問題ないんやろ?ほなら何が問題なん?というスタンスで、逆ギレすることが多いです😅

繰り返しますが、これは機械加工を専門にしていた私の主観です。

熱処理も鍛造も簡単な世界ではないことはよーくわかっていますが、鍛造や熱処理で処理しきれない矛盾を、比較的ごまかしが効きやすい機械加工でフォローするということが多かったです。そして、工程に求められる精度が担当者の性格にも反映されている場合が多かったですね🤣

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