NHK俳句 2019年下期

「八十八夜」
足音の遠い八十八夜かな

「マーガレット」
マーガレット誰のものでもない空へ

「筍(料理含)」
筍や成長痛の日曜日

「豆飯」
豆飯や空見上げれば空青し

「玉ねぎ」
言い訳をしたい玉ねぎを切りたい

「名越の祓」
ゆっくりと手を引き母の茅の輪くぐり

「団扇」
まづ埃払う一扇ぎ古団扇

「クーラー(冷房)」
クーラーや野球帽子を被るけど

「鱧(ハモ)」
水鱧やエンドロール無き同期会

「灯籠流し」
蘇る光の講義流灯会

「厄日」
グラス割れるやうな静けさ厄日かな

「蚯蚓鳴く」
蚯蚓鳴く耳はゆっくりひらかれる

「爽やか」
「ハイッ!」「ハイ!」と秋爽やかにバトンパス

「柿」
ニュートンに愛されなかった柿喰らふ

「竈馬(カマドウマ)」
海越えていく日の近き竈馬(いとど)かな

「紅葉」
紅葉踏む音やいつもの帰り道

「大根」
大根に導かれている朝陽かな

「神の旅」
窓震う夜深々と神の旅

「時雨」
くつくつと煮えるシチューや夕時雨


句集を読みたいなどと言っておいて一冊も読んでいないのが私のダメなところです。句集を読みます。

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