NHK短歌 2020年上期
というかnoteサボりすぎでした。
「矢」
大粒の涙を拭いきれぬまま放たれた矢は朝霧に消ゆ
「時計」
六時間遅れの時計に手を伸ばしかけてやっぱり止める雨の夜
「話」
いくつもの会話が飛び交うカフェに居て君の欠片をまだ探してる
「暦」
和暦など必要ないと分かっててそれでも僕らは令和に願う
「ボクシング」
タイトル戦前のボクサーさながらに追い込んでいる健診前夜
「夕」
ぬくもりを探し求める指先を慰めるように夕立は降る
「消」
うつくしいものから順に消えていく花火、初雪、あなたの温度
「動物」
たまになら許されていい干し芋の栗鼠とあなたの夢をみている
「転」
スロープは可能性です転ばないための誰かの可能性です
「来」
この町に雪が降ること知らなくて来ないあなたをずっと待ってる
「踊る」
平静を装うわれをあざ笑い手紙は踊りだすひとりでに
「別」
どうせなら雪のひとつも降りやがれ夜の別れはいつも正しい
「石」
朝焼けに取り残された石鹸の泡よあなたはまだ帰らない
「口」
ふた口めまでは「ん」としか言わぬこの時間がもしや愛やもしれぬ
「幼」
スクリーンの幼稚園児の問いかけに答えるならば喋ってもよい
佳作が「矢」「夕」「踊る」「口」「幼」、入選が「別」でした。
NHK短歌以外にも少しずつ投稿を増やしていこうと思っておます。また頑張っていきます。
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