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NPO法人 森のこだま|上野真司さん(3)

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2021年1月17日(土)10:00〜11:30
北海道網走郡津別町を拠点に活動するネイチャーガイドの上野真司さんをお迎えして、「しつもん×探究トーク」第6弾を開催しました。

大いなる自然の営みの中で子どもたちと接している上野さんのお話にはハッ!とする瞬間(探究の入口)がたくさんありました。お話を聴いているだけで、視点を変え、視野を広げる体験ができる内容です。本物の森の写真もたくさんご紹介していただきましたのでご覧ください。

「しつもん×探究トーク」最新のお知らせは、しつもん財団ホームページをご覧ください。

<ゲスト講師> 上野真司さん
特定非営利活動法人 森のこだま 代表理事

1971年愛知県生まれ。2010年に横浜より移住。「ランプの宿 森つべつ」の支配人を経て、現職。代表を務めるNPO法人森のこだまは、自然と人間が一体となり「こだまする」社会の実現を目指し、津別町上里地区(通称ノンノの森)を中心とする近隣の自然資源を活用した様々なサービスの提供や、
自然体験・自然学習の機会を創造している。
夏のシーズンは、自ら創設した津別峠で雲海や星空を鑑賞する「雲海ツアー」「宇宙ツアー」や、地域の畑を活用した「畑ツアー」のガイドとして毎日フィールドへ出るとともに、地域の魅力を全国へ発信。そのほかにも、地域イベント「クリンソウまつり」の主催や、ガイドのための救命救急講習の主催、地域の子供たちを対象にした「森のようちえん」や「木育の授業」の取り組みなど、さまざまなアイデアで町を盛り立てる仕掛人。
<対談者>しつもん財団理事 藤代圭一
教えるのではなく問いかけることでやる気を引き出し、考える力をはぐくむ「しつもんメンタルトレーニング」を考案、全国大会優勝チーム、アイスホッケーU14日本代表チーム、さらには地域で1勝を目指すキッズチームまで、数多くの実績を挙げている。現在はスポーツだけでなく、子どもの学力向上をめざす保護者や教育関係者に向けた講演・ワークショップをおこない、高い評価を得ている。著書に『しつもんで夢中をつくる!子どもの人生を変える好奇心の育て方』(旬報社)ほか。

探究を深めるためのしつもん

藤代:さっき思ったのが、僕も夕陽とか好きで見にいくんですけど、さっきの上野さんのように「どうしてここに曇って溜まるんだと思う?」って聞かれると好奇心が芽生えるというか、それは考えたことなかったです。そういうもんだろうなとしか思えなかったというか、疑問に思えなかったことを「なるほど!」というか。。

上野:そうですね「なんで?」って魔法の言葉だと思うんですけど、その答えにも僕は2種類あると思っていて、なんで?に答える時って科学的に起こる事象のことを分析していく、どちらかというとHOWっていう答え方ですよね?

藤代:うんうんうんうん。

上野:どのようになっている?っていう。例えば「なんで空が青いの?」って言われた時には、光の波長がとか、夕焼けが赤くなるのは波長の長い光だけが、、とか、昼間だと太陽がまっすぐ入るから短い波長が、、というのはHOWだと思うんですよね。でも「なんで空が青いの?」って子どもが聞いてくるときってHOWじゃなくてWHYの方が多いんですよね。なんで緑じゃなくてとか、波長がなんで青にしたの?とか、もう『神様が決めたこと』としか答えられないようなことを聞いてくる時ってあるじゃないですか?

藤代:ありますねー

上野:そのWHYを創る作業が楽しいんですよね、答えというか。神様が決めたからと決めてしまえばそれまでですけど、例えば、子どもは素晴らしいなと思った答えは『宇宙が透けてるから青いんです』って言われたんですね。

藤代:えーー!?おもしろい!!

上野:なるほどなーって思いますよね。科学的な根拠とかいうよりも、だって地球は宇宙に浮かんでるんでしょ?みたいなことを言われた時に、

藤代:すごいな表現が

上野:なんか、そうそうそう。そういう表現というのが視点の問題だと思うんですけど。なんで森は紅葉するの?も、HOWで答えてしまえば、日照時間が減って養分が幹に戻れなくなってとか科学的な話はあると思うんですけど、子どもたちなんかに聞いて答えるのは「すぐ寒くなるから危ないから赤信号なんだよ」とかね、

藤代:あーなるほどねーーー

上野:動物たちにね。なんで赤信号が危ないんだろう?とか、どんどん扉が開いていっちゃうんですけど。

藤代:はぁーーー

上野:このHOWではないWHYの部分を最終的にはみんな自分の中では見つけているというか、

藤代:おもしろいですね、なんか、大人として知ってなきゃいけないのってHOWを答えようとしているからなんですね。

上野:そればっかりだとつまらないですよね?でもHOWが分からないとWHYの深さも出てこないというか。

藤代:なるほど!両方必要なんだ。

上野:すべてを神様のせいにしてしまうのもちょっと寂しいなというか。そこがさっき言った「知ってる知らないの境界をひろげていく楽しさ」というか、

藤代:そっか、両方の視点を持って考えていくとおもしろいねっていう。

上野:ガイドしている時もHOWの部分はガイドとして当たり前なんですが、WHYの部分てちょっと哲学的になりやすいんですが「人はなぜ生きているの?」なんていう質問は深すぎますけど、それは心臓が動いててとか酸素化ができててとか、そういう部分じゃなくて、僕は何のために生まれてきたんだろう?なんていうのをそこから自問していくというか、ふとした時に考えられると・・・みたいなヒントが「なんでここに木が生えているんでしょう?」っていう・・・

藤代:確かにそうですね。おもしろいですね、その木も、なぜそこに生えているのか考えてみるとおもしろいですね。

上野:そうなんですよ、HOWの部分はたくさんありますよね。ここで倒木が起こったり、倒木更新の流れだったり、色んなことがあるんですけど、なんでココなんだろう?というのは答えがないので。

藤代:えーーそれちょっと皆さんに聞いてみましょうよ。それって、先ほどのしつもんも読み上げてもいないのに次にいっちゃってすみません。僕たちも意味があって今のお仕事なり活動なりしていると思うんですよ皆さん。

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学校の先生だったり、僕らは学校の外側から教育に携わる機会だったり、今の話からすると何かしら意味があるはずですよね?ここに木があるように、なぜ今この仕事をしているのか?それがもしかしたらすごく壮大になっちゃうけど、何千年も前からのストーリーがあった上でのこれなのかもしれなかったとしたら、なぜ今その仕事をしていますか?という理由を皆さんに聞いてみたいなと思って。

上野さんの答えも聞きたいな。すごい答えを欲しいという訳じゃなくて、考える機会が僕たちは大事だと思っていて、しつもんする時も『しつもんの答えが分からないも正解』というルールを設けてて、考えることが大事なので皆さんもちょっと考えてみてください。コメントしていただけたら嬉しいですけど、してもらわなくても大丈夫です。
「なぜその仕事(活動)をしていますか?」

自分で決めたんですけど、そうでもない気がしませんか?何かこれ。

上野:そうなんですよね、最終的には自分で決めているんですよね、最終的には自分で決めているんだという責任は持たなきゃいけないと思うし、

藤代:でも、なんかなんか、受けている気がしますね。ストーリーだったり影響だったり。

上野:そうなんですよ、僕はそれを今年知らなきゃいけない年なんですよ。

藤代:なんすかそれは?笑。

上野:50歳になるので、天命を知らないといけないんです。

藤代:あ、そうか、天命を知るですね。

上野:はい。

藤代:おもしろいな、ぜひ皆さん教えてください。学校の先生をしている方も今回多いと思いますし、そうでない方で教育に興味がある方もたくさんいらつしゃるとおもうんですけども、なぜその活動をしていますか?これがさっきの話で言うと、HOWの部分とWHYの部分がありそうだということですよね?

上野:そうですね、どのようにこうなったのか?というのは僕が自己紹介で話したようなことだと思うんですよね。でもなんでその道をやってるの?っていう、たぶん好きだから、とかね、いろんな理由あると思うんですけど。

藤代:どっちで答えていただいてもね、HOWでもWHYでも。えー、今だったらなんて答えるのかな?今の仕事って、スポーツ関係の仕事なんですけど、仕事が行き詰まった時に転職を考えて、誕生日占いって知ってます?365日の。あれで自分の誕生日を見たら、あなたは教師かカウンセラーが向いてますって書いてあったんですよ。で、教師になるためにはステップを踏まないといけないんですよ、カウンセラーもそうなんですけど。で、それっぽい仕事できないかなー?と思って始めたんですよ。

二人:あははは

藤代:結構叶っているなーというか、合ってるなーと思うんですよ。すみません、余談でした。

・教員ですが「縁」で教員になりました。おそらく人と話すことが好きだったので。
・教員なので答えのないしつもんをするのが難しい教育界の空気の中で、苦しい日々です。
・介助員として児童と触れ合っています。子どもたちの笑顔を増やし、子どもらしくなかった子どもだった私を笑顔にするため
・困っている子どもたちに関わって笑顔になる瞬間を一緒に味わいたいから
・理由はいろいろありますが「めぐりあわせ」だと思います。

上野さんは今その仕事をしている理由は何ですか?と、HOWではなく創造的なWHYで答えるとしたら何ですかね?

上野:そうですね、僕の中でWHYなんで?っていうと「決めたから」なんですね。何をしようかなって迷ったのが20代で、最初は大学でロボットの研究をしていて、自然とは真逆のことをやっていて、で会社に勤め、スキーをやって色々探していて、でなんか、それこそ自分に向いているものは何だろう?と流行った年代でもあったので放浪の旅にも出かけ、でもある時に探しても見つからないなって思ったんですね。

これはなぜ?って言われたら、神様が降ってきたというか、大体僕は歌から思い浮かんじゃうんですけど、井上陽水の「探し物はなんですか?」ってありますよね。ずっと探している気持ちだったんですよね、ずっと。で、決めないと決まらないんだなっていうのをある時フッと思ったんですね。それがたまたま絵を描いてスキーをやってる時にスキーを楽しんでもらってる姿を見ているのが楽しいなって思ったので、決めたんですね。

たまたまその言葉が降ってきた時にそれをやっていたので、コレに決めたって感じです。それに出会えたという感覚はなかったですね、まだ探したかったんですけど、年齢もあったと思います。30歳になる頃だったので決めなきゃなって思ったって感じですかね。その時違うことやってたらソレに決めてたと思うんですよね。

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藤代:キャリアもすごくおもしろいなーと思っていて、いま自然の仕事をしているじゃないですか、最初は真逆だったんですね。ロボットから来たんですね。

上野:人と接したくなかったので職人になって研究者になろうと思ってましたね。

藤代:最初は人工科学の最先端的な場所にいて、

上野:そうですね、ロボットハンドとか大学ではそういうのを研究していて。

藤代:でもだからこそ、別の世界にあるものにも理解ができるというか。

上野:でもね今、この仕事をしていて大学のノートとかを見返すことが多くて。大学の時に教授から出されていた一つの設問にコンビュータープログラミングとか色んなので、美人判定機を作れという課題があったんですね。で、どうプログラミングするかっていうフローチャートみたいなのを作っていく流れの中で、美人を判定しろって言われたら「美人て何だろう?」という話になる訳ですよね?

例えば、モーニング娘の中で誰がタイプ?とかって、男3人よったら必ずやりますよね?みんなそれぞれなのに、その中から点数を決めなきゃいけないっていうのは難しいよねっていう議論が必ず起こるんですよね。評価軸をどこに持っていくか?それは今の自然と全く同じような感じで「人の顔って何なんだろう?」とか「好きとか嫌いという感情は何だろう?」とか、実は人間をとことん突き詰めていくようなことをやってたんです。だから真逆ではないなっていうのを、

藤代:縦軸で考えると全然違うところにあるんだけど、それの横断軸みたいなのはあって、それは共通しているんですね。

上野:そうなんです。それにすごい深さがあって、その辺は今の土台になっているとというか。

藤代:なるほど、おもしろいですね。それはすごくストーリーを感じますね。だから、んー無駄なことはないっていうと陳腐な感じになりますけど、それってすごく感じますよね。

上野:何かで繋がっていくっていう。

藤代:皆さんのコメントもいただいております。

・子どもの変化、気づきが見られるから。この子がこんなに変わったんだと成長が見られるからやめられないんだよなぁ・・・
・小学校の頃、学校が好きだったってことがきっかけ。でも、なんで今やってるかというと運試しで受けた教員採用試験に受かったから。神様がやりなさいと言ったと思った。
・専業主婦です。今、一番大事にしたいのが子どもたちとおうちの中のことです。1日1日、大事に過ごしたいなと思ってます。
・好奇心とタイミング
・人生の脚本だと思います。

森の中の体験

藤代:時間もだいぶ迫ってきましたが、写真をもうちょっと見ましょうか。

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上野:これは森のようちえん、冬のようちえんですね。

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上野:これが春ですね。最初まだ川が怖くて。

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上野:これは親子でのプログラムで。森の中の葉っぱの役割とか、どこを切ってあげると木が喜ぶのか?とか、もともと木も自分で葉っぱを落としているところもいっぱいある訳で、そういう勉強もしながら余計なところもちょっとだけもらってきて蒸留装置で森の香りを作るということをやってたりとか。

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上野:これは「感じる」時間。これ雨降ってきているんですよ。雨を避けないで感じる時間てあんまりないので。

藤代:小っちゃい頃はね、気にせずスポーツしたりしますけどねー。沖縄の人たちは傘刺さない人多いですけど。

上野:北海道も多いですね。あ、北海道って言ったら怒られるか。僕は刺さないですね。

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上野:で「嗅ぐ」ですね。持ってるのは山葡萄ですね。

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上野:これは「味わう」ですね。こくわの実を食べてますね。

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上野:これは「触る」ですね。松の葉っぱですけどね。

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上野:こんな風に、大人だったら「見る」じゃなくて「感じる」ところを。

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上野:これが今くらいの時期ですね。

藤代:やーーすごい!!今日もこんな感じですか?

上野:これより今年は雪が少ないんですけど、大人でもガイドしてて言われるんですけど、ここにあるのって全部水なんですよね。

藤代:え??

上野:雪なので、解ければ水ですよね、これ。

藤代:あー確かに。はいはいはいはい。

上野:科学的に言えばH2Oですよね。森に雪が積もっているって何かって言えば巨大な貯水槽になってる訳ですよね。

藤代:うーん、なるほど。

上野:この時期って全部ため池ですよねこれが、雪を水として見れるか。これがジワジワ春になってとけてくれるんで、夏の間に雨が降らなくてもこれだけの水がジワジワと出てくれることでずっと川が潤うんですよね。これが東京行くと、雪降ってうまっちゃったらとんでもない災害ですよね。

藤代:いや、10センチも積もろうもんなら大変ですよ。

上野:だけど積もってるところがあるから夏に利根川が枯れないんだ、とか、

藤代:なるほどそうですね、確かに。

上野:奥利根というところに雪が積もっているからこそ、その下流では農業ができて、とか、つながりを見ていかないと、というのも雪っていうのも物凄いお金かかるんですよね除雪に。東京だったら降ったものは流れていってくれるわけですよね勝手に。だから効率を求めて流し続けるから一気に流しちゃって洪水が起こるのかな?とかね。効率的だけで合理的じゃないわけですよね。すごくこう雪として積もっててくれていることは理にかなっていることなんで。

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その雪を食べてもらっているところ。木にかかって鳥のフンとかついてないところはすごくおいしいです。

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そんなのを感じてもらう川の中に冬に入るんですけど、冬の川の神秘がいっぱい見えてきたり、、

えーおもしろそう!

あんまりしゃべらないようにしましょうね。ぜひ来てもらうために。

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これがさっきちょっとだけ話した畑で学ぶってやつですね。

これ、枝豆を収穫してるんですけど、枝豆が大豆だってことを分かってない人がいたりですね。大人でもね。こっちの子たちは枝豆が大豆で枝の上の方にできるっていうのも知ってるんですけど、ある子は落花生も同じようにできると思ってたんですよね。見たことないから。落花生は本来、地面の中ですよね。千葉県の子たちは逆に枝豆もそうやってできるんじゃないかって思っちゃうですよね。体験することって大事なんだなってことを。

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藤代:わー!気持ちよさそうですねーーー

上野:ねー気持ちよさそうって思いますよね。すごい寝るとチクチクして痛いんですよ。

藤代:痛いんだ。はははは。

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上野:これ、何だかわかります?

藤代:何だろうこれ・・・?トマト!

上野:トマトに見えますよね。トマトの仲間なんですけど、、

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上野:これが花です。花のあとにできるのがコレです。

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上野:これジャガイモなんですよ。

藤代:えっ!?これじゃがいもなんすか!?

上野:はい。じゃがいもの実です。種っていうのかな?僕らが種って言ってジャガイモを食べてるのは地下茎なんですよね。根っこですよねあれは。だから種じゃないんですよね。ジャガイモを植えてジャガイモを作っていくという作業は、種をまいているんじゃなくてクローンをひたすら作ってることなのであれ。だからジャガイモの種を見たことない人は結構いるんですよね。こっから芽が出てジャガイモに育っていくまでには2~3年かかるって言われているんですけど。それをやってたら非効率的なので、できあがったジャガイモを直接植えてしまって、種芋として、それが増えていく、クローンになっていくのを待っているというのが農業なので。というのもまぁ、自然の視点から見ると面白かったりするので。

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藤代:あーもうステキ!!ありがとうございます。はい、時間も終わりの時間をちょっと過ぎてしまいましたが、皆さんいかがでしたでしょうか?

また最後にどんな学びや気づきがあったか?というのをしつもんしていきたいと思うんですが、今日の冒頭にお伝えした通り、教育的な視点をもって子どもたちにこう関わるのはどうですかね?とか、子どもたちとこう関わるのはどうですか?ということを直接的に考えるというよりは、上野さんにお越しいただいたのは、今のお話のように、もうちょっと俯瞰して見たり、全体的な視点をもって自然からのメッセージを教えてもらうことにより、

じゃあそれを元に、自分の子育てとか教育現場とか教室で、1つでも2つでも何かできそうな気づきがあったらいいなと思ってこの機会をつくりました。ですので、そんな視点を持って最後の振り返りをしてもらえたらと思います。最後のしつもんは、
「今日この時間であなたが感じたことや気づいたことは何がありましたか?」

ぜひコメント欄で教えてください。

・私も沖縄出身にも関わらず、18歳で県外に住んだ時にパイナップルはどこにできるの?という質問に答えることができませんでした。

上野:なるほど!笑。

藤代:確かに。僕も初めて生姜を収穫させてもらった時とか、海士町でお米を作ることに関わらせてもらったりして、こーいう工程があるのか!?とか知らないですよね。だから完成品はよく見ているんだけど、それがどういう流れできているのかって知らないから・・・

上野:砂糖とかもそうですよね?沖縄だとサトウキビっていうイメージですよね?でも北海道に来たら、てんさい、砂糖大根?なので・・・

藤代:うんうん。

・今日のようなお話を聞けたら、理科の授業も興味深く聞けたのになって思います。
・都会は効率的だけど合理的ではない、木が倒れる自由すらないという名言を得られました。

藤代:どっちが悪いという訳ではなくて、僕たちは文明が進んだことによって恩恵を受けているし、車に乗らないと北海道でもなかなか過ごせない中で、じゃあ何が大切で何を大事にしていこうかっていうことを揺れ動きながら考えることって大事ですよね。

文明も文化も大事だし、でもじゃあ自然をすべて無くしていいのかっていうとそうじゃないし。これって地域か都会かみたいな話になると思うんですけど、ついつい二極を立てて問いを立てちゃいがちですけど、そうするとね、それ以外はダメっていう考え方になっちゃいますけど。そうじゃないですよね。

上野:そうですね。それの両極端で言うと僕が最近思うのは、生きるか死ぬか?それが両極端に置かれ過ぎかなと思っていて。生きることは全てで死ぬことは悪みたいになるのも、人間の命を軽くみる訳ではなくて、自然の中で命っていうのを観ていると、生きるのも死ぬのもどっちも同じ側にいるなっていうのがあって、それによって何が繋がっていっているのかな?っていう。

『死ぬこと=繋がらない』ではないので、、というのは最近すごく感じますね。このコロナっていうのを見ている中で。コロナで死ぬのは悪いことだ!みたいな、、かからない!じゃなくて、どう生きたか?が最終的には問われるし、って考えた時に死ぬことは悪ではなくて必ず起こることじゃないですか、ENDは来るので、『何で死んだか?』というより『どう生きたか?』というのが問われるべきであって。

藤代:確かにそゔてすね。

・子どもと対話したり物事を俯瞰したりすることって、やっぱり大事ですよね。指導するとか教え込むという先生が多いですよね。
・子どもも一緒に、大人も感性を活用した教育ができるといいなあと感じました。
・自然の大切さと、身体性の大切さを感じました。いい話を聞けて本当に面白かったです。
・あぁ~!やっぱり自然っていいなぁと感じました。都会の子どもたちに、いかにして自然を感じてもらえるかをテーマにプログラムを作成してみたいです。
・自然は一生使える人生の教科書。森の中でキャンプしながら授業ができたら楽しいなぁ・・・
・ありがとうございました。視点を変えることが大事と気がつきました。
・忘れていて途中から聴きましたが、とっても面白かったです。何でも体験する、そこから感じることって大事だな、百聞は一見にしかずだなと思いました。子どもたちにそういう体験をたくさんさせてやりたいなと思います。

藤代:ありがとうございます。上野さん、最後に皆さんにお伝えしたいことってありますか?

上野:できればノンノの森に来て欲しいんですけど、来れなかったとしても例えば近くにある森とか川とか海でもいいと思うんですけど、、あ、でもコロナ禍か。行ってくださいとは言いにくいご時世にはなりましたけど、自然の中に行って欲しいなって思います。ノンノの森に無理に来てもらうことは一切ないんですが、来れるんだったらぜひ来ていただきたいなって思いますね。

藤代:そうですね、僕も行きたいですね。もちろん今はね緊急事態宣言下にあるので、なかなかそういう判断ができない人も多いと思うんですけど、もうちょっと緩和されたり、落ち着いた時にぜひ。本当はみんなでね、ツアーを組んで行きたいところなんですけどね。笑。先ほどご紹介した映像の他にも本当に素敵な動画もYouTubeにあがってますし、学べることがたくさんあると思うので、そこから何か感じ取っていただければと思います。

・見えている=知っているではないことを改めて感じました。日常的な意識を視点を変えて見てみると、別な世界があることを子どもや親御さんに伝えられたらいいなと思いました。

・森のようちえんの運営に関わっています。自分が自然を活用できるだけの器がまだまだ足りないなと感じました。

・自然を知っているようで知らないなぁということを改めて気づかされた気がします。いろいろ忘れたことを思い出すきっかけになったと思います。ありがとうございました。

・自然体験を仕事にするのを諦めて、普通の学校の教員になりましたが、また自然の素晴らしさを教えたくなりました。退職したらできるかな。・自然から学べることが沢山あるのですね。身近な自然を見直してみようと思いました。ありがとうございました。

・今日の気づきは「好き」は大事、大切にしていきたいです。北海道大好きでコメントは初チャレンジなのに沢山自然に送っていました。たくさん読んでいただけて嬉しかったです。藤代さん、上野さん、今日のトークありがとうございました。

・楽しかったです。家族や知り合いと一緒に山に入っていろいろ感じてみたいと思いました。WHYで答えられる事がいっぱいできたら楽しいかもと思いました。

藤代:僕は10月位に伺わせていただいたんですけど、本当にラッキーだったなと思っていて、ちょっとズレてたらこういう時期にかかったんだなーと思うと、あのタイミングで上野さんとご縁をいただけて本当に幸せだったなと思っています。

自然から学べることって、今日はお話からなのでね、どうしても頭で考えることが多いのかなーと思う中でも、すごく気づきや学びが生まれたので、やっぱり自然にふれること、近くの自然にふれること、僕たちって自然に触れるとやる気が高まるらしいんですよ、脳科学的にも、なので自然に触れると言うだけでもまずは一歩としていいのかなーと思うと同時に、本当に落ち着いたらね、みんなと一緒にノンノの森に行けることを準備しながら、別々の場所でエネルギーを循環しながらまた上野さんにお会いする時にいろんな話ができたらいいなと思いました。

上野さん、今日はありがとうございました。最後までご覧いただいた皆さんもありがとうございました。上野さんのFacebookはこちら

あとがき&動画配信について

HOWとWHYの話がとても印象的でした。そのWHYをつくる作業が楽しいという上野さんの言葉にも共感です。ここに探究学習への大きなヒントがあるように感じています。この対談にふれた方がそれぞれに感じ取っていただき、教育における環境づくりに繋いでいただけたら嬉しいです。また、お二人の対話が表面的な言葉のその先の領域でキャッチボールされている感じ、その眼差しに心が温まりました。(高橋香織)

【動画の配信について】
これまでの「しつもん×探究トーク」の動画は、ご希望の方に1,000円にて配信しております。お預かりした受講料はしつもん財団への寄付として受けとり、今後の運営費に充てさせていただきます。

各回のトピックも記載しましたので、興味のある動画をお選びください。
一度購入されると繰り返し何度でもご覧いただけます。
これまでの動画一覧ページはこちら


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