文句があるなら自分でやってみろ
これまで私はあちこちのイベント企画、ライブハウス、劇団で不満をぶちまけてきた。それらは大概にして終演後であり、わたしの意見は常に後出しジャンケンで卑怯なものだ。不満あるなら最初から言え、終わったあとに愚痴愚痴と言うな、などの意見もあったがそれでも不満を言い続けた。
確かにやり方はよくない方が圧倒的に多かった。やけくそに爆発するだけとか、モノや人に暴力的に当たるとか、絶交するとか。自分にも原因が多くあるし、そもそも自分が絶対正しいわけでもなかった。それを理解してもなお、吠えることをやめない。
随分前からわかっていたことだ。ならば自分でやれって。自分で劇団を、自分でイベントを、自分で納得する出演者やスタッフを集めてやればよい。それをしてこなかったのは自信の無さとやはり大変で面倒だからだ。
その重たい腰をようやくあげ、最近になって、自分が本当にやりたいイベント、本当に出演したいイベントを自分で作ることにして、それが可能な場所を探し、交渉し、出演者を探して交渉し、金銭面や売上や人間関係も考慮して、今回やってみる運びにまで辿り着いた。
これまでにも自分が主宰の企画ライブは散々やったけれど、そのたびに軋轢を起こし、絶交状態になったり、したけれど、満足していた部分も多々ある。あの頃はとにかく勢いであった。いま勢いはその頃のものではない、肉体としても、精神としても。
確固たる自信よりも未知の世界へ踏み出す好奇心だけが強い。
場所は新宿ライブフリーク(わたしはフリークスと呼んでしまう)とあさがやドラムで迷った。フリークスには私の理解者ロットンさんがいる。彼女がひとりで受付とドリンクと配信をやってくれる。そのかわりスタッフを呼ばない(人件費理由)ので音響と照明は固定あるいはない。おさがやドラムはこれまでのコネがあり、よく見知ったスタッフの野口くんが信用できる。今回は金銭面と新しい場所でやりたい気持ちが勝り、フリークスでの開催とする。
だが本番前から問題点は多い。
照明や音響「なし」となると私は別にやれるのだが、共演者を激烈に選ばなければならない。生音だけの出演者。わたしが考えていた有能な対戦相手たちはたいがいにして音響機材を必要とする。この時点で呼べる人がかなり限られた。やる前から反省ってのも慎重すぎるかもしれないが、先へ先へ、前進したいのならば、どんなジャンルだって常に先のことを見ておくのがいいに決まっている。今回のイベントの様子を見て、まずはロットンさんに今後もやってもらおうって思わせるくらいでなきゃだめだ。
ロットンさんはすでに私を三回もフリークスに呼んでくれて、そのたびにワンマンで、スキなだけやっていいっすよ!って言ってくれている。それでもそこで甘えてはいけないと私は思う。
今回スタッフがいないのは、この企画はフリークス店長ロットンさんの独断でやらせてくれているのであり、正規のライブ手順とは違う、スタッフを使うとつまりは雇うってことだから人件費が発生し、諸々いろいろ運営費が動いてしまうから通常料金〇〇万円かかってしまう。そこをケチるのがよくないのであるが、大変難しいところだ。
私は今回から本当にこだわっているので、スタッフの一人に至るまで自分が呼びたい人としかやりたくないので、どうしてもライブハウスのスタッフだから使うって発想にはならない。今回の形は必然的なものなのである。しょうがないからこうなっているのではない。
つまり今回はこれでいってみるが、おそらく今後この「時間無制限対戦型番組ヴァルハラ」を継続するならば、音響照明スタッフも別に雇うことになるだろう。
始まってもいないうちから次回の話しを進めるのはここまでとして、今回の共演者である。今回は関西神戸よりの刺客、サイバーパンク演歌歌手∑(以後シグマさん、あるいはおシグさん)が出演してくださることになった。
当初からヴァルハラをやるにあたり、誰を今のわたしにぶつけたら面白いかって思考を重ね、実力ある人なんてめちゃくちゃ沢山知っているし、わたしの知らない凄まじい人ならもっといるに違いないのだが。それでもわたしは知っている人の範囲で呼ぶことにこだわる。
そしてなんとなく最初に誘ってみたのがおシグさんであった。
奇遇にも6月29日(2021年)が空いてるという。そして交渉を進めるうちにこれこそヴァルハラにぴったりだと思えた。
彼女はお笑い芸人をしていた時期があったり、プロレスに登板していたり、ポールダンスもやっているし、コントや一人芝居もできる。その上でギターが上手で弾き語りでオリジナル曲を歌っている。そしてこれらのどのジャンルからも内容が逸脱しており、まあ、あつかいづらい出演者だ。内容も過激というか下品極まりなく、出禁ってことにはならないだろうけれど「おシグさん、ちょっとおさえて」って言われてるようだ。
シグマさん自身のワンマンも、私と同じく6時間くらいやるらしく、まあ、今回のライブ、たぶん時間は足りない。
時間無制限と書いている今回の企画だが、ほんとうに時間無制限なわけではない。配信の有効時間もあるだろうし、ライブハウス側が夜八時閉店にしたいとのころで、ま、夜七時には終演したいところ。ヴァルハラの最終目標は本当に時間無制限なのだが、その夢を叶えるには場所とスタッフの壁がまだまだ存在する。わたしが自分の劇場を持てれば可能であろう。先の話だが冗談ではない。真剣にそれは視野に入れておこう。
ヴァルハラの「時間無制限」という謳い文句には、もうひとつの意味がある。演者の持ち時間を気にしてほしくないってことだ。決められた「何分でお願いします」ということがないってこと。
今回、お互いに順番にやろうってことになっているけれど、それぞれが何分やるかは本番までわからないってこと。いや、本番中でもわからないってことだ。
「よし。交代してもいいよ」ってときが出演チェンジの合図である。
なのでお互いにやれない演目が出てくるかもしれない。楽しい。戦略を練らねば。
あまりに出番をゆずらないことになれば、そりゃもう喧嘩でしょ。暴力は避けよう。負ける気しかしないから。
今、これ、このノートの文章、何を書いてるのかって言うと告知ですからね。
告知ってなんか私が興味モテないものが多くて。この告知も、まあ、うまいとは思えないが、それでも何をしたいのかってことと情熱だけは書けたつもりだ。
現段階で告知前にもかかわらず二名の予約をいただいた。平日の火曜日、真っ昼間だし、非常事態宣言中だし、こんなに条件きわどい、演じる側も観る側も何も保証がない綱渡りなイベントをわたしは望んでいた。わたし自身もそれを観たい。過去に朝八時に人の家でやる演劇とか観た。台風の昼間に誰も来ない大学祭の演劇を観た、それは全員が泥酔しており物語のないアドリブ劇だった。それらふたつの芝居の出演者はあまりにおもしろくて芸能界へ行ってしまった。あるいは走行する電車の中で芝居を観たこともある、都電荒川線を貸し切りにして上演することはそれ自体は特別なことでもないのだが劇団主宰がどうしても現存走行できる木製の都電でやらせてくれと頼み込み実現したものだった。
わたしを含むすべての主催者たちは
ほんとうにそれがわずかでも可能なら、こだわってこだわって、貫いて欲しいのです。
時間無制限対戦番組ヴァルハラ
★出演
東京ディスティニーランド
サイバーパンク演歌歌手∑
★2021年6月29日火曜日
★新宿ライブフリーク
東京都新宿区新宿2−12−4アコード新宿ビル地下一階(同地下にはピットインという別のライブハウスのあるのでお気をつけて)
★昼12時30分開場
★午後13時スタート
終演時刻未定(最終終演は19時を予定)
★料金システム
生観劇の場合は2500円+1ドリンクオーダーでお願いします。生観劇の利点は、物販が購入できるかもしれないこと、配信が切れたとき(この二人のライブなので可能性はある)にも先が見れるってこと、音響機材マイクですら使えないので聞き取りやすいってこと(二人とも大声なので大丈夫かとは思う)
配信の場合は投げ銭です。つまり無料で観ることも可能です。どのチャンネルで、どうやって投げ銭できるのかはまだ不明なので、判明次第、またあちこちで発表しますね。なお、配信は2週間アーカイブが残るって聞いています。2週間は見られるってことです(機械オンチな私ような人間に向けて発言してる)
★タイムテーブルなし。そんなものは存在しない。
★場所と時間を提供してくださり、当日の受付とドリンクと配信を受け持ってくださる新宿ライブフリークの店長ロットンさんに感謝します。そして運命的奇遇によって共演可能になっくれたサイバーパンク演歌歌手シグマさんに感謝します。ほら。感謝の意思は事前に伝えておかないと本番で大喧嘩して伝えられなくなることも視野に入れてね!
おシグさんなんて、前日の夜から来られるみたいだから宿泊先を紹介しようかって聞いたら、「前日きて友人宅に泊まることもできるんやけど、戦意が削がれる。当日の朝ギンギンでライブにそのまま突っ込むのがええです!」と言ってくれた。その志やまさに女戦士!
【我々にチームプレーなどどいう都合のいい言葉はない。あるのは個々のスタンドプレーによるチームワークだけだ】
あとヴァルハラの広告画像に友人あきさんの絵を使用しています。この人の絵が好きなので。ありがとうございます。
それではわたしはヴァルハラで上演する一人芝居版「サロメえええええええええ」の脚本を書きます。結局脚本書くんかい!いやあ、だって書きたくなちゃって。
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