「優」

「優」
作詞作曲/枕芸者しと

僕らはまるで普遍的な恋だった
例えば冬は寒いだとか そんな感じで
いつかは終わりがくることも分かっていた
同じ季節を見送るのも今年までだね

淋しさともの足りなさを
埋めるように求め合っていた
それしか術がないみたく
また違う孤独をみつけた

あの日僕らはどこにも行けなかった
空が青くて逃げ場がなかった
時の流れに紛れてするキスは
なんだか痛くて少しだけ泣いた

優しさだけじゃ見えないものは在るけれど
それでも正しさなんかに頼れなかった

永遠の短さにさえ
気付けぬまま見過ごしてきた
傷ついただけ傷つけて
またひとつなにかを失くした

もしもぼくらに普通が許されたなら
朝はくるのに明日はなかった
闇の深さに呑まれて抱く君は
なんだか脆くてただ怖くなった

あいしてる あいしてる

あの日僕らはどこにも行けなかった
空が青くて逃げ場がなかった…

今も僕らはどこにも行けないまま
空が暮れても居場所はないまま
いつか大人になれば忘れるのに
僕らは僕らでは辿り着けなかった

僕らはまるで普遍的な恋だった
例えば冬は寒いだとか そんな感じで

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