ああ、焦がれる

憧れの人、尊敬する人は?という質問に
わたしは「母親です」と答えていた。

母のことは大好きだし、人として尊敬しているというのも本当だが、答えとしては正直つまらないかも、とずっと思っていた。

その人を真似たい、もはやその人になりたい、と思われる人間ってどのような人だろう。

SNSを見て、考えて、周りの人を眺めて、考えて、目を瞑って、考えて、、、

あ、この人みたいになりたいかも、と思い浮かぶ人が現れた。

身近すぎる人だと、もちろん良い部分の方が多いことは分かっているが、そうでない部分も見えてしまう時がある。

近ければ近いほど、そうでない部分の時だけ目を逸らすことは難しい。

だからあえて、会ったことも直接見たこともない人を思い浮かべていたところ、ぼんやりとシルエットが浮かび、やがてはっきりと見えるようになった。

まず、その人の何が好きか。
(あくまでわたしの主観なので、実際の人柄や性格と相違な場合があります)

優しく穏やかな佇まい。
人に緊張感を与えないところ。

勝手にこちらが感じているだけかもしれないが、緊張感を感じてしまう人は少なからず存在する。

何も言葉を発していなくても、わたしのことを見ていなくても、何か悪く思われているんじゃないか、なんとなく居心地よくない気がするな、など。

その憧れの人は、人にそのような事を思わせない雰囲気を漂わせている。

わたしもそんな人になりたい。

誰に対してもフラットで、話しかけやすいような雰囲気を醸し出したい。

そして、1番尊敬すべき点は、なんといっても言葉の扱い方。

丁寧かつ真摯的。

何故、そんなに容易く、優しい言葉を表に出すことができるのだろう。

すごい。羨ましい。いつか、わたしも、、

話し方もゆっくりで穏やかで、発する言葉を自分の中で噛み砕いてから、人に伝えているのだろうな、と分かる。(おそらく)

発する言葉だけでなくて、綴る文章にも人柄が表れている。

日本語を大切に、大切に、紡いでいる。

だから、内容ももちろんだけれど、その言葉の使い方に微笑んだり、感動することがよくある。

ああ、いいな。こうやって言葉を、日本語を巧みに操れたら楽しいだろうな。

こういう人になりたい。
この人みたいになりたい。

そして、明日、その方の10年ぶりとなるエッセイ集が発売となるみたいです。

仕事が終わったら、本屋さんへ駆け込む。

憧れの又吉直樹さんの、言葉を吸収するために。


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