投票率ジャーナル_表紙

投票率ジャーナル 創刊号

0 創刊に寄せて

 みなさん、こんにちは。そして、あけましておめでとうございます。
 投票率を予測し、そして分析することを目的として昨年設立された、「Spread Voter」は、今年、さらに活動を活発化させ、支持政党、イデオロギー、全ての垣根を取り払って、社会や政治に関心のある方たちに有益な情報、また考えるきっかけを提供したいと考えています。

 その一環として、このnoteという情報発信形式を通じて、Spread Voter が有する情報の共有、そして投票率や現代政治、さらには社会を考えるための材料の提供、最終的には広く寄稿者を募り、様々な考えに触れられるような場を作りたいと考えております。それが、「投票率ジャーナル」です。

 投票率ジャーナルの基本姿勢は、投票率は現代政治の健康診断の結果だということです。つまり、投票率を理解し、上げていこうとするならば、それは選挙だけでなく、現代政治、政治史、社会史、全ての分野に興味の網を張り巡らせなければなりません。なので、投票率ジャーナルは基本的に何でもありです。そのチャンプルーのような媒体の中に、あなたが求めている答えが隠れていることを願います。

 当ジャーナルは、不定期更新となります。大きな選挙の前後、そして寄稿の申し出があった時などに更新したいと考えています。料金は、基本的に無料で提供したいと考えています。その代わり、この記事がいいな、支えたいなと思われる方は、Spread Voterが発信する有料の投票率予測記事の購入、また、noteのサポート機能等でご支援をお願いします。

1 【創刊記念大特集】投票率の上げ方、教えます。~政権交代への期待度から見る、投票率向上の鍵~

 投票率を上げたい、そんな声は様々な場所で起こり、そして様々な団体が投票率向上のために動き出しています。あなたが投票率の低下の原因として思い浮かべるものは、一体何でしょうか。
 これらは単純化できる問題ではありません。恐らく、あなたが考えたもの全てが原因と言えるでしょう。その中で、今回は選挙制度と政権交代に注目して論じてみたいと思います。これはあくまで一つの視点であることに留意して読み進めていってください。



無題

   まずはこのグラフをご覧ください。1996年以降の総選挙の投票率と、選挙前の野党第一党の議席数の推移がわかります。投票率が下がりだしたのは2012年からだ、という話もありますが、実は2012年の投票率は、小選挙区制導入以後3回の投票率とほぼ変わりません。どちらかと言えば2005年途2009年が以上で、12年は元の水準に戻っただけとも言えます。問題は、過去最低の投票率を記録した14年以降です。2012年までは投票率には59%の壁のようなものがあり、ここを下回ることはありませんでした。それが2014年、突然破られて、52.66%という信じられない低投票率を叩きだしました。この要因については様々なところで考察がなされていますが、その中で個人的に最も大きな要因として考えられるのは、野党の多弱化です。野党第一党の選挙前議席数も、実は14年衆院選時にひとつの底を抜けています。14年の民主党の選挙前議席は、62議席で、これも小選挙区制導入後最低を大きく更新しています。これは民主党政権への失望感に加えて、維新の党など第三局の伸長が大きく影響しています。実は第三極ブーム自体は2012年の方が大きかったのですが、これは民主党の分裂により引き起こされた面が大きく、自民党はほぼ離散者を出さなかったため、野党第一党の議席数としては2009年の総選挙前とほぼ同等を維持しています。
 

 そして最も注目すべきは2017年総選挙です。世間で投票率低下の大きな原因と言われているのが、テレビの選挙報道時間の減少ですが、実は2017年の選挙報道は、希望の党の結成や民進党分裂などが大きな関心を集め、14年衆院選の4倍の時間が選挙報道に割かれたそうです。ですが、投票率は14年より1ポイント程度しか増加しませんでした。これは、報道時間や選挙の注目度が投票率に直接影響しなくなっていることを示す一つの材料であるともいえます。

参考記事 

 では、なぜ投票率が上がらなかったのか。その理由として、私は政権交代への現実味がなくなってしまったことをあげたいとおもいます。基本的に、小選挙区制度は二大政党制を前提にしていると言われます。要するに、与党か、野党第一党か、どちらに政権を担わせますか?という問いかけをベースにする制度です。それは、裏を返せば、与党か野党第一党か、どちらに政権を任せるかという問いが出来ない状態であれば、小選挙区制は制度として成り立たなくなる、と言えるのではないでしょうか。

 小選挙区は与党と、政権構想を示しそれに国民が現実性を認識している野党第一党がいなければ、機能不全に陥る。この仮説を基に上のグラフを見ていくと、野党第一党の選挙前議席が激減した14年と17年に投票率も激減していることは、大きな意味があるのではないでしょうか。

 例えば私が今、新党を立ち上げて、政権構想を示したとします。たとえそれがいくら現実的かつ素晴らしいものであったとしても、その新党が政権をとることはまずありえません。なぜなら、「知名度」「現実性」「地盤」全てが足りないからです。
 まず知名度は、党への知名度のことです。これはよほどの風が吹かなければ数回の選挙を同じ党名、メンバーで戦わなければあがりません。そして、地盤。これは現職議員の数で大まかに判断できます。現職がいるということは、その現職にある程度の票を与えられるような後援会や地方組織があるということの証明であるともいえます。また議員の数によって交付金の額も大きく変わってくるので、議員が多ければ多い程その政党は組織的にも財政的にも強くなっているといえます。そして、その地盤と知名度が合わさってはじめて、現実性、つまり、政権交代への現実性が国民の中に共有されます。

 つまり、野党第一党の選挙前勢力は、国民に政権交代への現実味を抱かせるかどうかの一番分かりやすい基準なのです。

 投票率を上げるために必要なことはたくさんありますが、まずは「与党か野党第一党か、どちらに政権を取らせるか」という小選挙区制の前提となるべき問いを国民に出来るような野党第一党を作り上げることが第一となるのではないでしょうか。そして、そこに2020年代の投票率を上げる鍵が隠されているのではないでしょうか。

 後編では、前編で述べたことを実際の現在の政治状況に当てはめ、政権交代を狙える野党づくりに必要なことを考察していきたいと思います。お楽しみに。   (文 シタサン)


 (後編につづく)


2 国会B級ニュース ~国会議事録を読んでみよう~ 

 ここは、国会クラスタのみなさんのようにゆるーく国会議事録を読んでみるコーナーです。現在大きく問題になっていること、国会パブリックビューイングで取り上げられる題材とは一線を画し、少しゆるーい題材を取り上げていきたいと思います。

 国会にトイレ探検隊現る!? 第189回国会参議院行政監視委員会から

このコーナーでは、委員会の雰囲気を出来るだけおおくの人に感じてもらいたいという意図から、議事録をまるごと下に転載しています。ぜひ、一度、全部読んでいみて下さい。

みどころ 

 野党きっての論客であり、与党と毎回激しくやりあう有田芳生氏。行政監視委員会に立った彼がやりあうのは、神道政治連盟から支援を受けている有村内閣府特命担当大臣。天敵といってもおかしくないような二人が一体どのようなテーマでどのような質疑を繰り広げるのか。有田氏が選んだテーマはなんと……



有田芳生君「民主党・新緑風会の有田芳生です。
 今日は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック成功のための大事な課題についてお聞きをしたいというふうに思います。
 私は、昨年二月の予算委員会で新国立競技場の建設問題をめぐって、建築家のザハ・ハディドさんの建築計画に基づいて国立競技場を造った場合、それが余りにも膨大なものになり、予算上も問題があると。何よりも、当初の案は七十五メートルのところに造る予定でして、今は七十メートルということですけれども、今でも新国立競技場がどのように完成したものになるかというのを、テレビ、新聞などの報道を見ていても上から見た予想図しかないんですけれども、実際、じゃ当時、七十五メートルの建物を造るといったときに、そこに人間が立った場合どれだけ威圧的なものになるのかということについて質問をいたしました。
 そういう人間の視点から、じゃ、今度のオリンピック・パラリンピックに向けて何が大事な課題としていっぱいまだ残っているのかということについて、今日はトイレの問題について質問をしたいというふうに思います。
 私は、飛行機に乗るために東京モノレール羽田駅を今年降りたときにトイレに行きました。そうしましたら、個室トイレが二つあって、そしてそこの前に人が並んでいる。どうしたんだろうか、隣見たら空いているのに、一つ別のトイレの方に外国人の方が並んでいらっしゃる。すぐ分かりました、和式トイレ使えないんですね。洋式トイレの前にずっと並んで、それは欧米系だけではなくて、アジア系の方もそこにいらっしゃっている。だから、そういう問題をこれから考えていかなければいけないんだというふうに思っております。
 私たち、政治信条、所属党派、あるいは宗教を別にして、食べること、そしてトイレというのはもう毎日必要なことであって、日本トイレ協会というのが実はあって、三十年も続いている組織なんですが、人間が、日本人が平均寿命まで達するとして、一生の間にトイレへ何回行くかというと、少なくとも十五万回、多い人は二十万回。時間にしますと、これも人に当然よるんだけれども、びっくりしたことに、八か月から十一か月トイレと私たちは付き合うんですよ、平均寿命を生きるとすれば。それだけ、日本文化だけではなく、私たちの生活の質の問題としてトイレというものをオリンピックの問題に絡めても考えていかなければならないと私は考えております。
 資料を皆様方のところに配付させていただきましたけれども、その一番右の下のところにトレタンという会員証があります。実は週刊文春が昨年の九月にトイレ探検隊というものをつくりました。隊長は元NHKの敏腕記者で、そして今は大学の教授をやっている坂上遼さんという方ですけれども、その隊長の下に私も隊員になりました。この会員は今、五月二十一日現在、百二十六名に達しておりまして、警察官から、無職の方から、主婦から、タクシードライバーから、いろんな方が参加をされております。つまり、一言で言ったら、やはり日本文化、この質、それを更により良いものにするために、当面でいえばオリンピックの問題抱えて、和式トイレから洋式トイレにもっともっと替えていかなければならないんではないかという問題意識です。
 そこで、有村大臣に今日来ていただきました。マスコミ報道でも私はトイレ大臣だと言われてもいいんだということをおっしゃっておりますけれども、概括的にどういう問題意識をお持ちなんでしょうか、お答えください。」


有村大臣「 ただいまの有田委員の御説明を敬意を持って拝聴いたしました。
 十四年前、有田委員と同じように私も比例区、全国区でございますが、全国を初めて候補者として回ったときに、栃木県内のお手洗いで、冠婚葬祭、喪服から普通の服に着替えたり、あるいはお叱りをいただいて、その個室で目の周りの汗を拭ってみたりとか、いろんなことをしている中で、今日もきれいに使っていただいてありがとうございますという文言を見て、そのときに、初めてほかの人が使った汚い汚物の付いたティッシュを私は素手できれいにして、自分の使っている間にそのトイレをきれいにしました。言葉によってこれだけ人は変わるんだなということを、自分の言動の変化を見て、じゃ、どのように気持ちよく使っていただけるんだろうというふうに思ったのが最初でございます。
 その後、当選をさせていただいてから、新潟中越地震が起こりました。現場に行ってみて痛感をしたことがあります。それは、日頃元気に跳びはねる体育館でこそ、一たび地震などが起こりますと、災害が起こりますと、高齢者の方々、あるいはいろんな事情を抱えた方々がそこに集中して滞在時間が長くなる。であれば、体育館にこそ洋式トイレをというのが現場の実感でございました。
 また、お手洗いというのは、実は地域格差がかなりあります。そして、全国回ってみますと、お手洗いに関して困った経験がない人はいないんじゃないかという確信を持ちますし、また女性のトイレはなかなかに光が当たらないと。今でも地域によりますと、地方格差もあるんですが、男性、女性が同じトイレで、男性が立っていらっしゃる間に、後ろで、ちょっと縮こまって女性がそこを通らなきゃいけないというお互いにとってばつの悪い思いがある。
 そういう意味では、冒頭おっしゃったように、みんなが毎日使うにもかかわらず、なかなか政策に、アジェンダに乗ってこない。そういう意味では、私たちの日頃の快適性ということを見たら、もう少し真面目に検討してもいいのではないかというのがそもそもの原点でございます」

有田芳生君 「お配りした資料を見ていただきたいんですけれども、公共施設、国会関連施設のトイレ整備状況を調べました。右側が衆議院・参議院本館、あるいは議員会館。参議院の議員会館には和式トイレが二つあるということを今回初めて知りましたけれども、やはり会館は新しいですから、圧倒的に洋式になっております。しかし、左側を見ていただきましたら、JR東京駅、新宿駅、あるいは上野公園を見ますと、東京駅、新宿駅は台帳管理をしていないから和洋の区別は数が分からない。上野公園もやはり伝統的に和式が多いという状況なんですが、これもう全国各地、公共施設あるいは民間施設含めて、例えば京都の神社仏閣などを調べてみても、やはり圧倒的にまだまだ和式トイレが多いんですよね。そこで外国人観光客が困っていらっしゃるという状況があります。
 そういう下で、じゃ、一体どこがこのトイレについて管轄しているんだろうか、所管しているんだろうかということを聞きましたら、国土交通省であったり、環境省であったり、あるいはそれぞれの場所でそれぞれの対応をしているということなんですが、まず厚労省、トイレについてどういう管轄されているんでしょうか。」

福本政府参考人「 厚生労働省でございますけれども、我々の省庁では、不特定多数の方々が利用する公共的な施設のトイレについて、今先生御指摘のような公園とか空港、あるいは駅等々でありますけれども、こういうものについて、網羅的に設置すべき数でありますとか、その男女の内訳、和式、洋式の別について規制をする法令等は所管しておりませんし、その権限も有しておりません。
 厚生労働省で所管しておりますのは特定の施設でございまして、公衆衛生の確保が必要な特定の施設、具体的には、旅館、ホテルについては旅館業法という法律がございます。それから、映画館、劇場等については興行場法という法律がございまして、こういう法律では、利用者の公衆衛生を確保するために、そもそも営業を都道府県知事の許可に係らしめているということがございますが、それに加えて、その許可を取って運営する暁には、換気でありますとか、あるいは照明でありますとか、清潔保持等の措置を講じなければならないということを定めております。その一環で、このようなもの、旅館、ホテル、それから映画館、劇場でありますけれども、その一環で、トイレについてその基準の中で、例えば適当な数の便所を有すること等の構造設備基準を設けております。」


有田芳生君「今御説明ありましたけれども、あと、例えば国立公園であったり、あるいは交通機関であったり、それぞれの官庁の所轄になってくるわけですが、要するに、これから政府が洋式トイレ問題というものを前向きに考えようとしても、総合的に全体像がどうなっているかということはこれからやはりまとめていくときだというふうに思うんですよね。
 皆さん御承知のように、ウォシュレットと言いますけれども、これは商標でして、いろんな企業がいろんなものを造っている。だから、これから私はウオッシュトイレという言い方をさせていただきますけれども、例えばハリウッド俳優のウィル・スミス、これはすばらしいものだというふうに評価をしている。あるいは、歌手のマドンナさんなんかも、ウオッシュトイレ、非常に評価をされている。これは、一九八〇年に日本の企業が発売をしたものですから、本当に日本の文化になっていて、世界的にも評価をされている。
 今、爆買いと言われて中国から観光客がいっぱい来ていらっしゃいますけれども、その中でも、これまで炊飯器買う人が多かったんだけれども、最近ではウオッシュトイレ持って帰る人も増えてきているというぐらい、非常に日本にとっても大事な問題なんですが、同時に、これは外国人だけの問題ではありません。少子高齢時代、もう言われて久しいですけれども、高齢時代に入ってきております。私たちも、毎年毎年、年取っていきます。そうすると、和式トイレ、大変になる。実際に、腰の悪い人あるいは膝が悪い人が、和式トイレ、座るのはできるんだけれども、立ち上がることができない。実際に救急車が出動するようなケースも現れているということを考えると、和式も残っていいんだけれども、やはり洋式というものを高齢社会においても増やしていかなければいけないだろうというふうに私は考えております。
 その資料の右側、表二を見ていただきたいんですが、内閣府の消費動向調査、温水洗浄器付きトイレ、その普及率、これ見ますと、家庭においては、二〇一三年度七六%、二〇一四年度七七・五%。実は富山県では八〇%を超えているんですよね。だから、家庭においてはそのようにどんどんどんどんウオッシュトイレが増えている。メーカーにしても、今、大手メーカーだと製造しているのは九割が洋式トイレになってきているんだけれども、しかしここで問題なのは、やはり公共施設、交通網などを含めてまだまだ和式トイレがそのままになってしまっているという現状なんです。これをどう改善していくのかということは、もちろん高齢社会だけではなくて、東京オリンピック・パラリンピックに向けて進めていかなければならないというふうに思います。
 そこで、大臣にお聞きをしたいんですけれども、女性と暮らしの質についていろんなプランをお持ちだと思います。五月二十六日の記者会見拝見しますと、トイレに係る取組について全ての閣僚に御意見お聞きになったということですけれども、どういう取組をこれからなさろうとしているんでしょうか。

有村大臣「今委員から御質問いただきました暮らしの質について、まず御報告をいたします。
 そもそもの問題提起の原点は、東日本大震災など震災を経験する私たちが改めて気付かされたことは、特別な晴れの祭りの日の幸せもあるけれども、実は何げない、何もない日常こそが幸せの原点そのものだということを気付かされたというふうに思っています。であれば、全ての人が日々の人生の中で暮らす、そこでは避けては通れない本質的な課題ということで「暮らしの質」向上プロジェクトを内閣官房に立ち上げさせていただきました。その中の主要テーマの一つとしてトイレということを課題で、有識者、またトイレ協会の方々にも来ていただいてコメントをいただくという勉強会を重ねてきました。
 今御指摘いただきましたとおり、和式、洋式ということも重要な観点であろうかというふうに思っておりますが、当然、問題意識としてはそれにとどまりません。御指摘のとおり、日本のお手洗いというのは国際競争力があります。その割にはそれがまだまだ競争力として生かし切れていないという現状もございます。その中で、有識者が勉強会の中でおっしゃったのは、和式、洋式という言い方はあるけれども、実はおっしゃっていただいたシャワー式トイレというのは、これこそまさに日本式、現代的なジャパンスタイルそのものじゃなかろうかと。であれば、もっとその普及を考えるというのは日本らしいおもてなしの具現化の一つではないだろうかという問題意識をみんなで共有をしています。
 今後やりたいことは、やはり災害時に強いお手洗いをしっかりと造っていくこと。それから、男女が例えば夜二時間、三時間のスポーツイベントやあるいは音楽会に行ったとき、休憩時間、ハーフタイムが終わった後、その時間に女性の人だけが長い列を成すということをこれから二〇二〇年のオリパラに向けて改善をしていっていただきたいこと。そしてまた、高齢者の方、とりわけ、例えば車椅子の方がそのまま入れるという場所が確保できないところもございます、そこを直していきたい。人工肛門など、オストメートなどそういう対応。それから、目の不自由な方にはどこにボタンがあるのかも分からない、外国人の方にはボタンが多過ぎてどこを押せばいいのかも分からないという御指摘もいただいております。
 そういう意味では、全ての人が使いやすく快適になるトイレ環境づくりということが暮らしの質の向上につながるというラインで、日本内外に働きかけをしていきたいと考えております。」

有田芳生君「 今お話しになりましたこれからの課題ですけれども、例えば公園にしても、公園四Kと言われているように、全国各地、汚い、臭い、暗い、そして危険というような状況もある。あるいは、今、神本先生からお話を伺いましたけれども、学校のトイレの改善だってまだまだ遅れていて、トイレがいじめの温床になっているというようなこともありますから、そういう課題がある。
 私は、実は今回のこの質問をするために羽田空港国際線ターミナルに行ってまいりました。これは、イギリスの評価会社スカイトラックス社によりますと、国内線も含めてですけれども、二〇一三年、一四年では、ワールド・ベスト・エアポート・クリーンネス、きれいな空港だと、一五年にはファイブ・スター・エアポート、五つ星だと、という高い評価をされております。
 これ、トイレだけではありませんでした。トイレもきめ細かく写真に掲示しておきましたけれども、多機能トイレというものがある。この多機能トイレというのも、実は性同一性障害の人にとっても非常に助かるものなんですよ。だからもっともっと増やしていかなければならない。今大臣おっしゃったように、外国人が来たときに、どこを押せばどう連絡が取れるのかということも必要。それで、写真に示しましたけれども、目の不自由な方、補助犬連れていらっしゃる方、その補助犬のトイレも実は羽田にはあるんですよね。あるいは祈祷室、イスラムの方々がお祈りできるような場所も二か所できている。そうしたものをもっともっと日本としてオリンピックを迎えるために広げていかなければならないと思っております。
 ところが、まだまだ課題は多過ぎて、じゃ具体的に、さっき厚労省にお聞きをしましたけれども、国土交通省、交通関係でいえばどのような認識、現状把握されているんでしょうか。」


篠原参考人「 お答え申し上げます。
 私ども、鉄道駅を含めた公共交通機関のトイレにつきましては、いわゆるバリアフリー法に基づきまして公共交通移動等円滑化基準というものがございます。こちらに、御指摘の高齢者の利用がしやすいようにという観点から、便所内に一つ以上の腰掛け便座、いわゆる洋式の便器を設置すべきことが定められているところでございます。
 また、鉄道に関して申し上げますと、鉄道事業者の自主的な取組といたしましても、JRや大手の鉄道会社を中心に、駅構内のトイレの改修時に大便器を洋式便器、さらにはウオッシュトイレを含めて整備する取組が行われておりまして、国交省もそれを補助制度で支援をするといったようなことをやっております。今後もそういう取組をしっかりとやってまいりたいと考えてございます。」


有田芳生君 この問題というのは非常に幅広い意味を持っておりまして、例えば大学受験生にとっても、今日はサミットに行っていらっしゃいますから世耕官房副長官には来ていただけなかったですけれども、世耕官房副長官がかつて理事長をやっていた近畿大学、十三年前からトイレ改革を進めていて、そして、何と非常にきれいなトイレがある大学であるということで、三十年前は近畿大学の女子学生占有率というのは五%ぐらいだったんですよ。ところが、今やもう三〇%になっている。その一つの理由が、きれいなトイレということがあるんですよね。
 だから、これは近畿大学の例ですけれども、あるいは先ほどの羽田空港のケースもありますけれども、日本全体が日本文化を更に広げていくと同時に、暮らしやすい、生活に役立ついろんなことを整備していくということが大切だと思っております。
 そこで、大臣にお伺いしたいんですが、五月二十六日の記者会見では、六月中をめどに政府で取り組むべき施策を取りまとめると、そのように発言されておりますけれども、これはどういうことなんでしょうか。」


有村大臣「 この六月の取りまとめというのは、女性活躍推進に向けての各省庁挙げて重点施策を出していくというのの取りまとめをいたしますというのを記者会見で申し上げたことだと思います。その一環として、御質問いただきましたトイレのことも当然入れていくことになろうというふうに思っております。
 委員おっしゃっていただきましたとおり、実は、先ほど私も地域間格差と申しましたが、地域間格差があるだけではなくて、お手洗いは施設間格差もかなりあるというふうに言われています。
 御紹介いただきました教育施設やあるいは都市部の百貨店などで女性トイレがもう本当にサロン化していて、高付加価値をしてその客単価を上げている、滞在時間を、あるいはその大学なりの競争力を上げているというところもありますが、地方においては、有名な観光地でさえお手洗いの数が足りない、あるいは質に問題があるということがまだまだございます。そういう意味では、トイレの環境改善は地方によって様々だという現状を鑑みて、観光地において公衆トイレの認証制度を導入する県などが、群馬県や高知県などで進んでいます。
 そういう意味では、六月の取りまとめにおいても、今後、日本トイレ大賞などをして、トイレということに予算や意思決定ができる人たちが着目をして、みんなでトイレの安全性や快適性、あるいは小さなお子さんも男性のトイレでベビーチェアがあるなど、男女共同参画の視点からもそういう政策決定にお手洗いということを俎上にのせていくということを今後集中的にやっていきたいと考えております。


有田芳生君 「今観光地のことを語っていただきましたけれども、例えば京都、古都京都は外国から多くの観光客がいらっしゃいます。政府としても、二〇二〇年オリンピックまでに二千万人の外国人観光客を呼び込もうということで、恐らく二〇二〇年になるまでに達成するだろうという勢いになっておりますけれども。
 ところが、京都に外国人観光客が行っても、神社仏閣始めとしてまだまだ洋式トイレというのは少なくて、和式、困っていらっしゃる。そういうところに、例えば京都は観光トイレを倍増しようという方針を取って、観光トイレには助成金を充実させると。つまり、水道料とかこれまでも助成していたんだけれども、それを更に上げていく、あるいは和式から洋式に切り替えるための費用、あるいはバリアフリーのためにもその工事費も別に助成金を出そうという試みを今京都市はやっている。こういうことを政府としても率先してやるべきだというふうに思います。
 有村大臣に最後にお聞きをしたいのは、各省庁と調整して来年度予算に公共トイレの事業を予算化するというふうに聞いているんですけれども、どういうことなんでしょうか。


有村大臣 改めて、有田委員はトイレ探検隊の隊員証をお持ちで、よく御存じだなというふうに本当に敬意と共感を持ちます。
 その上で、来年度予算ということでございますが、個々にやるということだけではなくて、このトイレが、内外でみんなが使うし、日本の競争力がある、そして、ここは努力したら伸び代のある部分だという、この事実に気が付いていただく層を広くしたいと思っております。
 そのために、御紹介いただきましたとおり、全閣僚、このトイレのことについてはそれぞれアポをいただいて、近々東京都知事にもお目にかかる予定でございます。地方創生という観点で地方に光を当てるという観点では、トイレもきれいにできないようでは地方の創生あるいは魅力的な町づくりは難しいと、そういうところで、まずお手洗いに目を向けていただけるように、石破大臣とも連携をして、予算には、各省庁どれだけ取り組んでいただくかということも見ながら、その政策的な優先順位を上げていくような努力を今後も夏、秋に向けて取り組みたいというふうに思っております。」


なんと、有村大臣は有田氏の質問に終始敬意を示し、非常に両者噛み合ったやり取りを続けていました。与野党対立型国会、噛み合わない議論がクローズアップされがちですが、イデオロギーが異なってもこんなに素敵な答弁が出来る、国会って素敵ですね!

この日の委員会の議事録はこちらから☟

3 お知らせ 編集後記

投票率ジャーナルは、寄稿者を募集しています。政治や社会に関係することから、関係ないエッセイ等、何でも構いません。一緒にカオスな記事を作って行きませんか?単発でも連載でも、少しでも気になる方は、

のどちらかにDMをいただければ嬉しいです。また、こんな記事が読みたい、こんなテーマで論じて欲しい、などの意見もお待ちしております!

また、「国会B級ニュース」のコーナーで、質疑を紹介したいという国会クラスタの方がいらっしゃれば、是非是非お願いします。国会を熱く語ってほしいです

次回発行は未定ですが、一月サイクルを目安にやっていきたいと思います。気に入った方は、是非いいねボタンをぽちっと押していってください。2020年、よろしくお願いいたします!

    (投票率ジャーナル 創刊号 完)

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