父の代わりに。【1】

さて、日付も変わったことだし気持ちがフレッシュなうちにガンガン書いていこう。

これは父親のガン闘病をゆるゆる見守ってきた記録です。

「いいから早く病院いきなよ!」

こんなことを何度も浴びせられながらも胃腸薬で誤魔化し続けること数ヶ月。

折角の旅行なのにご当地グルメを何も楽しめなかった父がようやく重すぎる腰をあげたのは秋になってからだった。

夕方から遊びに行っていた自分のスマホに母からメールがきたのだが。

「ガンがみつかったから即入院即手術」

たしかこんな内容だった。

ええ?そんな大事になってんの?

や、あれほど言ったのに病院行かなかったからだろ!

この2つの感情を行ったり来たりしながら、家に帰ってきた。

翌日母親から父の病状について聞いたんだけど、「まったく!あれほどいったのに!」とこれっぽっちも絶望感とかない母に驚いた。

大腸からの転移で肝臓にもガン。

大腸のが悪さしてもうちょい遅れてたら腸破裂からのご臨終、いやー、旦那のガンをそこまで明るく説明する嫁って世の中そんなにいないと思うぞ。

手術とはいえ、ガンは切れないほどに成長しちゃってるから、ひとまず応急処置として人工肛門を作ってもらった、と。

昔見た医療系ドラマで見たやつのことか…!

詳しくは知らないけど!

父よ、やせろやせろと言われ続けて、それでも肥満以外は健康だなんて!

そんなわけないだろ!

ほら見たことか、と思う反面、父との別れが思ったより早くなる不安でまさかの情緒不安定に陥りました。

親孝行できてない!

ほんとごめん!

でも!ガンになるまでつまらせんなよ!

便秘ほっとくとガンになるよ!とつまらせガールな友達に散々言ってた自分の父親がまさかのそれに。

どうなる父!

5年生存率は20%もないって言われてるそうだな!

ひとまず初めての父のお見舞いは不安で仕方なかった。

病院自体嫌いだし。


【つづく!】







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