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Opus00への付箋-a

名、

名前ではなく「名」となることで「前」をなくし
地理的位置も失い、漂流しようとしているもの。

抹消する、

抹消とあるがつぎの連の冒頭には、夏がやってくる。
果たして、抹消という冷涼さに
最適な季節というものが存在しうるだろうか。
抹消の春、あたたかすぎる。
抹消の夏、抹消を抹消すべき
抹消の秋、叙情が邪魔
抹消の冬、抹消する指がそもそも動かない
抹消は、初を帯びているのではないだろうか。
初冬、初夏。

ひと、

ひとつから剥がされて孤立化した存在。
つ、とはなにか。津、か。
ではひと、つとは、海へと流されていく硬い外殻をもつ果実か。

物語、

ひとと対比されているように見えながら
むしろひとを包含して
ひとつから流れ出す支流。

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