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コミックマーケット104新刊「VTuber業界への誘い」頒布告知&サンプル「適切なVTuberとの向き合い方」

今年もこの季節がやってきました。というかもう始まっていますが……コミックマーケット104の2日目に、東ナ-09b、サークル「涼風郡」で参加いたします。
冬コミと同様、Noteで更新しているようなコラム記事と小説の2種盛りとなっております。

おしながきは以下のとおりです。新刊に掲載している小説「Infrastructure as a VTuber」は冬コミ既刊の続きになりますので、できれば既刊とあわせて購入いただけるとより楽しめるかと思います。

C104おしながき

そして、本記事では、サンプルとしてコラム①「適切なVTuberとの向き合い方」を全文公開いたします。Note記事を書かれている皆さんと比べるとまだ未熟なところはあるかと思いますが、書くからには精進していきたいと思います。

適切なVTuberとの向き合い方

  現在のサブカル産業は、各個人の持つ可処分時間・可処分所得の奪い合いとなっています。それはVTuber活動も例外ではありません。
 自身の配信にファンを呼び込み、投げ銭やグッズなどの収益を獲得する。そのために魅力的なコンテンツを配信したり、雑談でファンとの距離感を縮めて応援してもらえるように努力しています。
 それ自体は素晴らしいことであると思いますし、価値あるコンテンツを提供するVTuberに対して対価を支払おうとすること自体は否定できるものではありません。
 VTuber活動における収益は、より高品質な活動をするための原資でもあります。3Dモデル制作や大型企画の実行など、より大きな活動、より大きな収益を得るための投資となり、徐々に規模を拡大していく……というのがVTuber活動の理想的な状態であると認識しています。

 しかし、私は直近の円安やインフレによる物価高騰から、可処分時間や可処分所得をどう使うべきかということを考えるようになってきました。
 私は十二年前に地方から上京し、さまざまな同人誌即売会に参加してきました。とくにコミックマーケットでは、膨大な数のサークルをチェックし、始発で入場待機列に並んで、壁やシャッターに配置されているような大手サークルの新刊セットやグッズを買いあさっていました。
 ではその買った新刊セットやグッズがどうなったかというと……どうもならないまま今も我が家の収納を圧迫しています。
 タペストリーが何十本あっても飾れる数には限界がありますし、使い道のないまましまいこんであるグッズについては、少なくとも現時点ではただ出費しただけという状態です。
 もしこれらを買わずにいれば、そのお金をもっと別のことに使えたし、家のスペースももっと有効に使えたことと思います。その事実に、昨年になってようやく気付きました。

 それからというもの、コミケなど同人誌即売会での出費やソシャゲのガチャへの課金はかなり減ったと考えています。これまでほとんど給与の生活費以外の出費をこれらに使っていたぶん、結構な金額を毎月貯金できるようになりました。そして都合のいいことに、それを有効活用できる手段が今年からはじまったのです。それが、新NISAでした。
 冒頭に挙げたとおり、昨今は円安やインフレの影響で物価が上がっており、単にお金をそのまま持っておくことに不安を感じていました。またそもそも私が貯金があればあるだけ使ってしまうタイプの人間なので、あまり口座にお金を入れておきたくないと考えていました。新NISAを活用した投資信託への投資はそんな私の要望にちょうど合致したのです。
 投資額を増やすには、当然ですが元手となる資金が必要です。それをどうやって手に入れるかというと、今回の私の事例のように支出を抑えることがまずひとつ。そしてもうひとつは、収入を増やすことです。
 これまでは企業に就職して業務を遂行し、給与所得を得るのが一般的でした。しかし、より多くの投資資金が必要となり、「お金はあればあるほどいい」という価値観を持ち始めた人々は、それだけでは足りないということで副業をはじめるようになりました。
 副業は基本的に業務外の時間で行うことになり、それはつまり可処分時間を副業に充てるということです。
 副業といってもさまざまですが、基本的にはいくらかの時間を消費して何かを生み出し、それを価値として収入を得ているはずです。
 つまり、もし仮に可処分時間でVTuberの配信を追い続けて可処分所得をスパチャやグッズに使うだけの生活をしていると、副業収入を得られないどころか投資に回すお金も減り、将来へのリスクは高くなっていくのです。
 スパチャやグッズにお金を使わない場合、無料で消費できるコンテンツとして優秀だという点で、VTuberの視聴は基本無料のソシャゲと同種のコンテンツであると私は考えていました。しかし、実際にVTuberを追うようになってから、それは少し違うと感じるようになりました。
 VTuberはソシャゲと比べて明確にVTuber個人が前面に出てくるため、リアルに生きるひとりの人間を応援したいという気持ちが強くなると感じています。
 推しを応援する、その気持ち自体は否定されるものではありませんし、私自身もグッズやイベント参加をしたこともあります。しかし、そこに趣味の割合を全振りしてしまうと、自身の将来に向けた自己投資に支障をきたすことにもなりかねません。
 それでも生きていけるのが現代日本ではありますが……のめり込みすぎると、推しのコンテンツが自分と合わなくなってきたときにVTuberへ『お気持ち』をするような人間になってしまうかもしれません。
 VTuberの活動を応援しつつも、あくまで人生の主体は自分自身であることを忘れず、適切な距離感で楽しんでいきましょう。


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