夜燈
心ない人間の言動によって、心をずたずたに引き裂かれた夜は、
二度と明けないのではないかと思うくらいに、暗くて、長くて、寒くて、悲しい。
辛くて、やるせなくて。卑屈になって涙を流した。
「いっそ死んでやる」なんて、出来っこないのに決意して。
そうでもしなきゃ、このやるせなさはどうしたらこなせるのかわからなかった。
必ず幸せになれるなんて、そんな確証どこにあるんだろう。
足元が暗くて、先が見えない。
立ち止まったら、暗闇に飲み込まれてしまいそうだ。
歩き続けなきゃ、先に進み続けなきゃ、それしかわたしには出来ない。
でも、涙が溢れて前が見えない。
何も、見えない。
ぼんやりと、赤い光がみえてきた。
冷え切った心に、沁み入るような温かい光。
歩みを止める時間も必要なんだ。
今は、少しだけ立ち止まらせてくれないか。