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第1回「月次決算の準備」

はじめに

 前回のセッションでは、月次決算の重要性とその全体の流れについて詳しく説明しました。今回は、月次決算シリーズの第1回目として「月次決算の準備」に焦点を当て、スムーズな決算プロセスのための基本的な準備段階を詳しく解説します。取引記録の整理、適切な会計ソフトウェアの選定、その他必要な事前準備についての具体的なステップを学んでいただきます。この準備は、後のプロセスを効率的かつ正確に進めるための基盤を築くため、成功の鍵となります。もちろん、月次決算が初めての方も、経験者も、このセッションを通じてさらなる知識とスキルを深めることが期待できます。今回のセッションにご期待ください。

必要な記録と文書の整理方法

 月次決算の成功の鍵は事前の準備にあります。適切な資料の収集と整理により、効率的な記録と登録が可能となり、負担を軽減します。まず、全ての財務関連の取引記録を確実に把握し、アクセスしやすい形で整理することが重要です。これには、作成した請求書、受け取った領収書、未払いの請求書、銀行の取引明細書、および従業員の給与に関する書類が含まれます。これらの文書は月次単位でファイリングし、電子的にもバックアップを取ることが推奨されます。文書の整理には、以下のようにデジタルツールを活用してください:

  • 作成した請求書:会計ソフトや指定のPCフォルダで管理

  • 受け取った請求書:管理システムや物理的フォルダで保管

  • 銀行の取引明細:PCフォルダや会計ソフトでの取り込み

  • 従業員の給与書類:物理的フォルダでの管理

これらの文書は、必要に応じて迅速に提出や出力ができるよう適切に保管しておく必要があります。

基本的な会計ソフトウェアの紹介

 月次決算を効果的に支援する会計ソフトウェアの選定は、ビジネスのスケールとニーズによって異なります。市場には様々なソフトウェアが存在し、それぞれ独自の特色や機能を持っています。

  • 弥生会計: 日本で広く普及しているこのソフトウェアは、使いやすさと機能の豊富さで知られています。小規模から中規模の企業に最適で、電子申告などの機能が統合されています。

  • MFクラウド会計: クラウドベースでアクセスが可能で、自動仕訳やリアルタイムの財務分析が特徴です。スタートアップやIT志向の企業に推奨されます。

  • freee(フリー): 自動帳簿作成と税務申告をサポートし、ユーザーフレンドリーなインターフェースとAPI連携による柔軟性で多くの小企業に選ばれています。

  • JDL 会計王: 会計業務全般をカバーする充実した機能を持ち、企業の成長段階に合わせて機能を拡張できます。

選定時には、自社のビジネス規模や業界、必要とする機能を考慮し、無料のトライアル期間を利用して実際の使用感を確認することが有効です。適切なソフトウェアを選択することで、月次決算のプロセスが効率化され、長期的には運用のスムーズ化が期待できます。

最後に

次回のセッションでは、「月次決算シリーズ」の第2回目として、「仕訳と帳簿の基礎」に焦点を当てます。この回では、月次決算の核心部分である仕訳の入力と帳簿への記録方法について詳しく解説します。正確な仕訳がどのように財務の正確性に影響を与えるか、また、これを効率的に行うための基本的な技術やツールについて学びます。帳簿の維持がどのように企業の財務健全性を支えるかについても掘り下げていく予定です。このセッションを通じて、会計の基礎を固めることができるため、ぜひご期待ください。

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