こわいもの知らず
ある日の夕方、遠くから雷鳴がゴロゴロと響いていた。
数時間後にふたたび音がしたからまた雷かと思ったら、どうやら今度は花火が上がっていたようだ。
同じように空に響き渡る大きな音と光でも、
雷は勘弁願いたいが、花火だとすこしウキウキする。
雷が何なのかよくわかっていなかったこどもの頃は、雷が鳴ってもウキウキしていた。
あの頃は、空をバリバリと割るように走る稲妻がレーザービームのように見えて、とてもきれいだと思っていたのだ。
だから僕は雷が鳴ると、ヘソを取られたら大変なのでシャツの裾はしっかりとズボンにしまいつつ、窓にはりついて空を割る稲妻を見ていた。
大人になり雷について多少なりとも知識を得てからは、雷を怖いものだと思うようになった。
あの頃、雷に怯えて部屋の隅で丸くなる飼い犬に対して「雷なんて怖くないよ、うるさいけどきれいだよ」と説得していた僕に教えてあげたい。
「犬のリアクションの方が合ってるよ」
気づけばあれほど(どれほど?)待ち侘びたお盆休みも今日が最終日。
好きな本でも読みながら、残りわずかとなった休みを満喫しよう。
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