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【地方競馬研究】2024年九州1歳馬市場 概観


地方競馬研究 #3

九州1歳馬市場[2024年6月18日(火)]

6月18日に九州産馬を対象とした1歳馬セールが行われます。
今年は鹿児島の日本軽種馬協会九州種馬場で実施されるようです。
このセールでは2019年度実施のセリで北九州記念勝ち馬のヨカヨカなどがいます。

セリの直前ですが、今回登場する31頭を血統の面から確認していきましょう。

種牡馬一覧

種牡馬一覧(2024) 筆者作成

見慣れない種牡馬が並んでいます。
アルデバランⅡヴァンセンヌなどは久しぶりに名前を見るような種牡馬ではないでしょうか。
ヴァンセンヌはイロゴトシの父として有名です。

九州産馬の主な出走先

九州産馬の出走先 筆者作成

ご想像の通り、その60%が佐賀競馬場で出走しています。
逆に南関東や高知など全体的にレベルの高いところ、名古屋や笠松などちょっと離れているところなどは出走数が少ない傾向にあります。

ちなみに佐賀競馬では九州産馬限定の重賞たんぽぽ賞や、九州産馬限定の新馬戦が組まれるなど、九州産馬を優遇する政策が実施なされています。

九州産馬については下記ブログなどが詳しくまとめていますので、確認されてみると面白いと思います。
九州産馬応援
馬は馬連れ

また生産牧場である本田牧場様はHPをお持ちです。
こちらでもセールの情報などが提供されています。

注目の種牡馬

注目の種牡馬を確認していきましょう。

アレスバローズ 筆者作成

アレスバローズはCBC賞や北九州記念などの1200mの重賞で2勝したスプリンターです。
ディープインパクト、母父トニービンという良血です。
地方競馬などダート競馬は比較的スプリンター適性の高い種牡馬が活躍しやすい傾向にありますので、本馬も同様に期待されます。

初年度産駒は2021年産。現在3歳となります。
現時点の代表産駒は高知競馬所属のホーリーバローズ
すでに5勝を挙げています。
ライバルが東京ダービー4着の実績があるシンメデージーと相手が悪い中、しっかりと勝利を挙げています。

2021年産駒の成績のみを集計してみると種牡馬全体と比較しても
・平均出走数:10.20走
・平均勝利数:2.20勝
と優秀な成績を残しています。

複勝圏内を見ても平均で4.60回と種牡馬平均の2.34回の約2倍ほどの成績を残しています。

今回のセリでは4頭が上場するようです。

エーシントップ 筆者作成

つづいてはエーシントップ
2013年NHKマイルCの1番人気を背負った実力馬です。

地方競馬では2019年産駒が初年度産駒となります。
アレスバローズを上回る勢いで出走しており、2021年産駒の平均出走数は14.86走と全体平均の約2倍を記録しています。

ただエーシントップ産駒は現在のところ、本馬の成績同様に超早熟の傾向があり、すでに2019年産駒はおそらく全頭引退。2020年産駒もほとんど引退しています。
仮に一頭持ちする場合は長期間の運用は厳しそうな印象です。

なおエーシントップ産駒の地方競馬における代表産駒としてはサブリュウシンがいます。
2024年6月現在で23戦3勝。
地方競馬所属の状態でクローバー賞(OP)にも参戦しています。
母はエイシンルーデンスで2001年の中山牝馬S(G3)の勝ち馬となっております。

今回のセリでは3頭が上場する予定です。

キングプライド 筆者作成

新種牡馬としてはキングプライドに注目です。
キングプライドは佐賀競馬場を主戦場とし、68戦35勝という圧倒的な成績を残しました。
現役最後の嘉瀬川賞(OP)でも1番人気1着を飾っております。

血統面ではサウスヴィグラス産駒となっています。

ロードバリオス 筆者作成

ロードカナロアの半兄として知られるロードバリオスにも注目です。

ロードバリオスは重賞での入着経験はありませんが、六甲Sなどに優勝しています。
本馬は7月デビューしており、早熟性も見せております。

産駒としては2015年産駒が初年度産駒となります。
2015年産駒は78戦10勝のエリザベスセーラ、93戦9勝のマルヨバリオスという出走数を稼げる競走馬を2頭輩出しています。

その後2016年~2018年産駒は調子が悪かったものの、2019年以降の産駒は平均の約2倍の出走数を誇るようになっています。

成績としては
・平均出走数:15.25走(全体7.50走)
・平均勝利数:1.75勝(全体0.78勝)
・平均複勝数:6.50回(全体2.34回)
と良い成績を残しています。

本年のセリでは2頭の上場となっています。

注目馬

本セリの注目馬を確認しましょう。

注目馬 筆者作成

1頭目は14番のメイショウセグレタの23
父ロードバリオス、母父アグネスデジタルとなっております。
アグネスデジタルは2023年のBMSランクで13位と好成績を残しています。

近親にメイショウテンスイなどがおり、ダートで活躍が見込まれる血統になっております。

セリ側が公開している測尺も平均的な大きさのように見られますし、デビューを期待したい1頭です。

2頭目は18番のクライベイビーの23
父エーシントップ、母父ハーツクライとなっております。
ハーツクライは芝馬の印象ですが、母父としてはBMSランクで13位に入るなど好成績を残しております。

近親に大きな成績を残した馬がいないのが懸念材料ですが、エーシントップの早熟性を思えば、セリで良い値がついてもおかしくないと思っております。

まとめ

まとめ

セレクトセールやセレクションセールなどと比較して有名にはなりませんが、九州産馬の活躍も期待したいものです。

九州1歳馬市場


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