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危険な木造の間取りの例(5)

第1回 北側玄関に多い例
第2回 2階建ての壁なしビルトインガレージ
第3回 階段が短辺にある建物
第4回 ビルトインガレージの外壁線が2階とずれている

第5回 オーバーハングがビルトインガレージ上にある

 基本的にオーバーハングやセットバックといわれる、立面的な不整形(上下階が揃っていないもの)は、耐震的に弱点となります。それでも部分的であればそれほど怖くはありません。しかし危険な要素が二つ重なると問題です。

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この間取りは、ビルトインガレージがありますが、右側にかべが多くあるので、平面的にはそれほど危険ではありません。しかしピンク色の線が2階なのですが、2階のほうが北側に飛び出ている、いわゆるオーバーハングの建物なのです。

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2階の間取りも平面的にはバランスがとれていて良い感じなのですが、先端部がオーバーハングしています。オーバーハングは、跳ね出し梁という特殊な梁なので不安定になりがちです。それがしゃこの上に載っていると更に弱くなる可能性があります。具体的には揺れやすくなります。できれば避けたいものです。

建物の弱点になりがちな形状は、ビルトインガレージなど複数ありますが、現在は比較的安全に設計・施工できるようになったので単独で何か問題になることは減ってきています。しかし複数の弱点が重なると問題になりやすくなります。構造計算したり耐震等級を取ることも重要なのですが、リスクの少ない形状にすることこそ、一番大切だと思います。


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