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制震金物だけでは繰り返しの地震に強くならない事実

おはようございます。能登の地震から一ヶ月ほど経ちました。様々な報道がされる中、熊本地震と同様に繰り返しの地震の怖さが報じられています。

建築基準法の基準で建築された建物は「最低の基準」をクリアしているのだから安心、とは思わなくなってきています。そこで耐震等級3とか、より上位の基準で安心を保とうとするのもわかります。しかしそこには絶対はありません。地盤などの影響、施工精度、地震の周期、強さなどでいろいろ変わってきます。もちろん建物が強いことに越したことはありません。

そこで、最近、耐震補強で制震金物を入れたいというお客様が増えています。また業者側でも制震金物をアピールする動きが強まっています。制震金物を悪く言うつもりはありません。ただ現状で出ている制震金物は、建物にある程度の強さ・固さがあって初めて威力を発揮する(※そのある程度は金物等により異なる)のであって、制震金物を入れれば、どんな建物でも繰り返しの揺れに強くなるわけではありません。そこには補強金物を取りつければ耐震性がアップして安全、のような前時代的な宣伝文句と同様なものを感じます。

木造住宅の耐震性は、特に既存の住宅の場合、その現状を把握し(主として耐震診断)、その現状にあった補強方法を選択し、補強設計を行い、適切な工事を行う以外に近道はありません。現状を把握した段階で制震金物を入れるというのが最善な場合もありますが、制震金物だけで大丈夫というのは、かなり少ないと思います。

そんなわけで、自宅の耐震性に不安な方、あまり安易な方法に惑わされないようにしたほうが良いようです。


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