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木造の基礎を合理的に経済設計するための5つの約束

最近、基礎だけを設計して欲しいと依頼が多くなりました。恐らく図面保存などの問題もあり、きちんと作りたい設計者や施工者が増えたのでしょう。しかし「この基礎大きすぎない?」とか「ハンチなくしたい」とか、無茶を言ってくる方が多いです。もちろん合理的に基礎を配置できれば、ある程度節約できるはずなのですが、悲しいことに間取りに依存します。4号建物の場合、無茶な計画が多く、特に面積が大きい郊外の建物は・・・です。というわけで、どのようにしたら基礎を節約できるのか?を書いていきます。

1:柱間は短く
 何も載っていないと、基礎(地中梁)が小さくなるように感じますが、実際は柱間が狭い方が、基礎(地中梁)は小さくなることが多いです。開口部は1820くらいまでだと、それほど大きくはなりません。外周部の2730と3630とかの開口部は両脇に高倍率の壁がくる場合が多いのもあって、配筋が大きくなりがちです。

2:高倍率耐力壁をできるだけ使わない。
 壁を少なくするには、高倍率を配置していけばいいのですが、基礎は大きくなります。配筋も大きくなります。耐力壁は数多く薄くが原則です。

3:地中梁に囲まれたスラブの大きさは、できれば2730以内、大きくても3630以内。
 これも重要です。6畳や8畳くらいでスラブの大きさを作っていくと、スラブの厚さや配筋が厳しくなりません。スラブ周囲は地中梁が必要です。地中梁は途切れさせてはいけないので、人通口の位置は気をつけてください。

4:柱が載らない1820以上の地中梁を作らない(大きな間取りを作らない)
 大きなリビングなどを作ると、スラブがダブル配筋になったり厚みも増してしまいます。これを避ける為にその中央部付近に地中梁を設ける方法もありますが、この地中梁が大きくなりがちです。基礎を節約したいなら、基礎空間を考えて、できるだけ小さなスラブに納まるようにしましょう。
 地中梁は、柱スパンが飛ぶと、配筋が大きくなります。できるだけ飛ばさないような計画を心がけましょう。

5:収納の袖壁などで耐力壁を確保しないように
 耐力壁下の地中梁は連続している必要があります。収納などを使ってこまめに耐力壁を作ると、複雑かつ、ハンチがついた基礎が多くなります。部屋割りを考え、基礎が自然に連続性をもつような美しい配置になるように、心がけましょう。

 といってもプラン優先だから仕方が無い!というかもしれませんが、ちょっとの工夫で配筋は少ないけど強い基礎ができるかもしれません。間取り段階から基礎を考える!ことも意外と重要かもしれませんね。

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