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基礎大きすぎない??と怒られて・・・

木造住宅で、構造設計を外注受けて基礎を設計すると、よく聞かれるのが、「そんな大きな基礎や配筋になんでなるの?」です。理由は簡単。4号建物などで標準で使う基礎は、構造計算的にはNGになることが多い(つまり弱い)からです。

まあそれは理解してもらったとして、次にくるのが、「何も載っかっていないスラブなのに、なんで分厚くなるの?」「柱が載っていない中央の基礎がなんで外周より大きくなるの??」

でしょうか?一般の方ならいざ知らず、建築士に聞かれるとね、ため息がでてしまいます。仮にも試験のときに構造学んでいるはずなんですけど。

特に、何も載っていないから不要では?というのは、よく聞かれますね。構造屋さんからすれば何も不思議ではないことなのですが(汗)。

一般的に、何も載っていないで地面に接しているなら、上の理論はその通りだと思うのですが、建物なので、そのスラブや基礎は、建物外周に大きな荷重がかかってきていることを忘れてはなりません。そして地面からは、それに対して突き上げる方向(つまり上)に地反力が働いています。上記動画を見ると、ああなるほど!!と理解できるはずです。

そのため、建物の基礎スラブは、何もない部分が広ければ広いほど、分厚くなる傾向がありますし、それを避ける為に真ん中に基礎梁を入れて、分厚くなることを避けます。その代償として、その基礎梁は力が大きくかかるので結果大きな基礎梁になってしまいます。

木造2階建てのベタ基礎だと、外周部だけ大きめで、内周部は立ち上がりのみ、のような省力化、ローコスト化したものを多く見かけます。多く見かけるから正しく感じますが、実際は、正しくないことが多いので注意が必要です。

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