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はじめてのHOUSE-ST1(有料版) 第二回 計算条件

 こちらは有料版の記事です。無料版は計算条件の前半6つだけでしたが、後半も解説しています。前半6つはほぼ同じです。

 計算条件の設定は、デフォルトでやればいいや!と思うかもしれませんが(汗)、意味がわからないと危険です。少なくとも構造計算ソフトはデフォルト通りにやって良いことはほぼありません。下記の計算条件について今回は解説します。

Ver8の画面です。

 計算モードは、耐震等級があるものが品確法と覚えておけば良いでしょう。構造計算で耐震等級が必要なければ法規計算です。壁量計算だけやりたいときも法規計算です。

 これは構造計算するかどうか?を聞いています。法規計算の場合は強制的にするになっています。品確法を選択したときに、構造計算以外のルート(もろに品確法)で耐震等級を算出する場合はのみ「しない」にしてください。壁量計算だけ行う場合も形式的に「する」を選んでください。

 学校等を設計するときに、「JIS A 3301:2015 木造校舎の構造設計標準」を利用するときに考慮するにチェックします。トラスや耐風火打ちを利用できます。普通の設計のときは必ず考慮しないにしておきましょう。

 俗にいう2項ルート(壁量計算除外ルート)の計算を行うときのみ適用するを選択しましょう。WOODーSTのような2項ルート専用のソフトもありますが、HOUSE-ST1等の普通の木造構造計算ソフトでも2項ルートの計算はできます。適用すると壁量計算しなくなりますが、告示1898により集成材などの材料について制約がつきます。門型フレームなどで倍率をもたない材料を使うときに適用します。通常は適用しないにしましょう。

構造計算ルートです。通常はルート1です。軒高9m超などルート2要件の建物については、ルート2を選択します。

梁せいの算定をするかしないかです。

 構造計算では力学とかの知識の他に、独特の用語がでてきます。上記のルート1とか2とかや、2項ルートなどもそうです。それを正しく理解することが大切です。
 初心者が躓きやすい用語に、算定検定があります。梁の算定とは、与えられた材種・幅・部位から、設計用応力に対して、許容応力以内で、かつ、たわみが制限値以内になっている計算上の必要最低限のはりせいを計算します。
 検定は、上記に加え梁せいも入力したものが、許容応力以内で、かt、たわみが制限値以内となるかチェックすることです。
 梁の例でお話しましたが、算定は部材がどれくらいのものか?の最低の目安を示してくれるもの、検定は、自分で設計したものが大丈夫かチェックするもの、とくらい考えておけば良いでしょう。金物だったら算定は必要金物の最低のものを自動で出してくれるもの、検定はこちらが指定した金物が計算上OKかNGかをチェックしてくれるもの、といったところでしょうか?まあ金物は、ギリギリで算出しても問題は少ないので、算定結果=検定としてしまうことがほとんどです。なのでHOUSE-ST1は金物の指定して検定することもできますが、自動計算で算定された金物をそのまま計算結果として使うことも多いです(なので金物には算定・検定というメニューはありません)。

  ここからは、表示形式が変わってプルダウンメニューになっています。ここでは、柱頭柱脚の金物の計算方法を選択できます。告示第1460号では3つの方式で金物算出ができるのですが、その3つすべてをHOUSE-ST1は網羅しています。「法規」は、告示第1460号の表によるもの。かなり不利で面倒なのでやったことがない人が多いと思います。計算が要らないのがメリットですが、せっかくソフトを使っているのだからこれを選ぶ理由はありません。「N値による計算」はいわゆるN値計算です。木造2階建てなどではお馴染みですね?4号建物で壁量計算を行う物件などでで活用すれば良いでしょう。単純に上階の耐力壁、同階の耐力壁で算出するので、構造計算のように後から金物が変わる心配が少ないです。使うメリットはあります。「許容応力度計算」は、いわゆる構造計算による算出です。木造3階建てや混構造は強制的に構造計算になります。

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