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ツーバイフォーの耐震診断ソフト

 ツーバイフォー(木造枠組壁工法)は、耐震性が強いです。初期から構造用合板に箱のように囲まれ、在来工法よりも設計が告示等により示されていたためです。しかし、その方法で行っていなかったら耐震性が低いのは当たり前です。そのためツーバイフォーの耐震診断も増えています。

 そこでツーバイフォーの耐震診断ソフトを調べたら、ほとんどの木造耐震診断ソフトは対応しています。しかし日本建築防災協会は、ツーバイフォーの耐震診断に積極的では無く、方法等かなり少ない記述になっているため、各ソフトもそれなりの対応になっています。ちなみに、ツーバイフォーの診断ができる主要な耐震診断ソフトは、安心精密診断2012、HOUSE-DOC、ホームズ君耐震診断Pro、耐震Check、木耐博士等です。達人診断は未対応です。

私が使っているHOUSE-DOCも同様でも、在来にくらべて機能が少なく、これだけで診断できるとは思えません。他社も同じだと思いますが・・・。

在来の壁のダイアログ
ツーバイフォーのダイアログ。柱接合部がありません。
在来の壁の種類。大量に登録されています。
ツーバイフォー。PBボード(在来)は私がツーバイフォーを在来施工でリフォームしたものを診断するときに使いました。耐力壁部分に防音施工して、在来施工しています。

 ちなみにHOUSE-DOCではオプションのN値計算がありますが、ツーバイフォーでは未対応です。

 また、正直かなり有利側に診断結果が出るため、適合証明などが出やすいです。正直、これでいいのか?と疑問になるときがあります。また天井懐がせまく、何も見えない場合がほとんどで、在来ほどきちんと診断ができない印象です。また在来より強度がある反面、アンカーボルトがきちんと施工されているか?疑問に残ることもあります。内壁を壊しての調査は、強度が落ちるため、二の足を踏んでしまいます。

 そこで、診断時に、告示チェックシートを作成し、告示チェックを行っています。またサーモグラフィーを使い、スタッドやまぐさを推定したり、釘を検出するため、磁石を使用したり工夫を重ねています。他にもツーバイフォーならではの工法の適切な施工をみるために、様々な手法を考え、実験しています。ただ、それでも調査に支障がでる場合がほとんどなので、早期に国は調査方法を再精査し、次回のマニュアルにまとめて欲しいと思っております。

サーモグラフィーで高所の釘打ちとスタッドを検出。
リフォーム後の不整形なスタッド配置を検出
磁石で耐力壁の判断、釘ピッチの確認

 サーモグラフィーは近年低価格化が進んでいましたが、最低価格帯のものは解像度が低くお勧めできません。私の場合は、HIKMICRO B10を使っています。低価格で調査に最低限のスペックを備えています。まず試しで1台と考える場合は、B10をお勧めしています。もちろん予算が許せば、もっと解像度が高いものを買った方が良いでしょう。


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