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木造の開口部を広くする通常より狭い耐力壁を3つ紹介!

木造住宅は、地震や暴風に対抗するのは耐力壁という壁です。法令告示では、筋かいや構造用合板が定められています。計算しやすいように壁倍率というものがあり、その合計と床面積との割合で簡易的に設計できます。しかしながら筋かいは900㎜以上、構造用合板は600㎜以上幅が必要で、窓などが狭くなってしまうことがあります。これは狭小住宅ほど顕著で、設計者はいつも、「もっと広い窓を設計したいな~でも耐震性も大事だしな~」と悩むものです。

しかし、技術向上により、もっと狭くても地震に対抗できる耐力壁が出てきました。使い方には注意が必要ですが、上記の筋かいや構造用合板より狭い幅で壁としての機能を確保できます。金額的には割高なので多用しないほうがいいので、いざというとき、いざという場所に使うと良いでしょう。今回は通常の設計者が設計出来、普通に施工できる、私が利用したことのある製品3つを紹介します。

タフボード(株式会社ビスダックジャパン)

 株式会社ビスダックジャパンが販売する、狭小耐力壁。パネル上に加工してあるので、柱間にはめ込み施工するだけなので非常に施工性が高いです。900㎜幅と600㎜幅も手軽で良いのですが、455幅のものもあります。壁倍率は3.5倍と控えめですが、設計のしやすさ、施工のしやすさが最大のポイントです。価格も比較的安価です。出入隅にバランス良く配置することを推奨しています。メーカーホームページ

J耐震開口フレーム(J建築システム株式会社)

 J建築システム株式会社が販売するフレーム型の耐力壁。この分野では老舗であり、ラーメン構造など特殊な解析は不要で、柱梁間にはめ込む形で施工できるので、昔から根強い人気があります。門型とBOX型があったり、寸法の柔軟性もあります。耐震補強でも工夫次第で利用できます。幅は門型タイプで両サイド240㎜ずつなので、それなりに出っ張りは出ますが、それでも壁に比べたら少ないので重宝します。価格は高めですので、いざというときに利用するようにしています。LVLを使い更に耐震性を高めたキーラム耐震開口フレームもキーテックより販売されています。  メーカーホームページ

フロッキン狭小壁(株式会社栗山百造・株式会社ダイドーハント)

 株式会社栗山百造と株式会社ダイドー半途が販売する狭小壁。プレカットに組み込めるので(できないところもあるようですが)、新築時の施工指示及び仕入れがしやすいのが特徴です。壁倍率は7倍相当と高いですし、2,3階でも倍率は落ちる(5倍相当)が使えるのが最大の特徴です。柱芯350㎜と非常に狭い耐力壁が作れます。設計も比較的しやすいので構造計算できる方は手軽に利用することができるでしょう。商品ホームページ

 今回紹介した以外も商品はありますが、今回は私が設計で利用したもの限定で紹介しました。どれもきちんと説明書等を読まないときちんと設計できませんので、それだけは注意しておきます。きちんとルールを守って快適で耐震性の高い木造建築物を設計していきましょう。

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