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障がい者福祉になんの関わりもない僕が、福祉のイベントに出演する意味。

2021年12月11日
ミーツ・ザ福祉のイベント「ミーツ・ザ・新喜劇」に出演しました。

ミーツ・ザ福祉・・・尼崎市のHPではこのように書かれています。

尼崎市では、市民の皆様に広く障害のある人についての理解を深めていただくことを目的として、昭和57年度より「市民福祉のつどい」を実施しています。平成29年度からは「ミーツ・ザ・福祉」としてリニューアルを図り、障害のある人と障害のない人との新たな交流が生まれています。今年度の「ミーツ・ザ・福祉」は、新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、分散型・小規模でさまざまなコンテンツを開催しますので、ご参加をお待ちしています。

障がいがある人とない人の交流。
言葉にすると簡単ですが、日常生きているとあまりできていないことです。

障がいの内容や重さにもよりますが、暮らしの中で交わる機会は少ないし、電車や街中で出会っても少し距離を置いてしまう人も多いのではないでしょうか。

知らないから怖い。それに尽きる気がします。
僕も、正直そんなタイミングは多くあります。
視覚障害を持っている方が困っているけど、手を差し伸べていいのか分からない。
車いすの方が段差で止まっているけど、手伝っていいのか分からない。
知的障害の方が叫んでいるのを、少し冷たい目で見てしまう。

そんなことしたいわけじゃないけど、反射的にしてしまう。

僕は、ひどい人間だな。なんて思います。

ミーツ・ザ・新喜劇に参加して変わったこと

そんな、日頃障がいを持っている方と交わらない僕が、障がいのある方と一緒に舞台に立って新喜劇をやる。
お世話になっているNPO法人の代表に誘われて、とりあえずOKしました。
しかし、練習が毎週日曜日で、僕は仕事やイベントで全然出れませんでした。1回、終わり際に顔を出せただけでした

ただでさえ、知り合いがほとんどいないのに、みんなが3か月も練習している中そこに参加できていない・・・

みなさんにどう思われているだろう。どんな反応されるだろう。そんな不安を抱えながら、会場に向かいました。

すると、ほとんどの人が僕の名前を覚えていてくださり、今井くん!会いたかったよ!よろしくね!と声をかけてくださいました。
それがとても嬉しくて、ああ、ここにいてもいいんだと感じました。

練習に参加できていないので、本気でセリフを覚えて臨みました。
リハーサルも無事に終わり、みなさんと仲間になれた気がしました。

新喜劇は、大成功。
障がいのある方もたくさん出演していましたが、みんなと全力で作品を作ることができました。

ここまで書いて、障がいのある方とか、ないとか、そんな言葉を使う自分に嫌気がさしてきました。

それが、僕がこのミーツ・ザ・新喜劇に関わって変わったことでした。

障がいがあろうがなかろうが、今日一緒に舞台に立ってチンピラ役を一緒にしてくれたのは、板垣さんだし樋口くんです。
そこに、障がいなんて関係ない。

僕が辛い物を食べられないように、僕がジェットコースターに乗れないように、彼らにはできないことがあります。
きっと、ただそれだけなんです。

当たり前なことに気付けた理由

障がいの有無なんて関係ない。人と人。
そんな当たり前なことを、僕がハッキリと気付けた理由はただ一つ。

彼らと友達になれた気がするからです。

今日、一番嬉しかったのは、障がいのある方と一緒にランチできたことです。
視覚障害を持つ方が、僕と同じ天丼を食べている。
ああ、普通やん。
そう思いました。

障がい者の枠組みでしか見れていなかった自分が、友達になれたからこそ、その人として見ることができた。

”視覚障害者”ではなく、”ながのっち”として関わることができた。

きっと、これを言葉で伝えても、文章に書いても、どうしようもないと思います。
友達になれる場を作る。それが、障がいの有無で差別されない社会を創る大切な取り組みなんだと思いました。

障がい者福祉になんの関わりもない僕が、福祉のイベントに出演する意味。

今日、障がいのない人で出演していた人は、障がい者福祉の仕事をしている人か市役所職員しかいませんでした。
僕だけが、何の関係もない人でした。

きっと、この何の関係もない人が増えていかないといけないんだと思います。
僕は、今回関わって、本当に楽しかったし幸せでした。
この出会いや経験を楽しかったで終わらさず、次に繋げていかないといけないと思います。
それがきっと、僕が出演した意味なんだと思います。

僕たちに足りない幸福感がここにはある。

今日、なによりも感じたのは幸福感でした。

誰も、人のことを否定しない。
失敗もみんなで支え合う。みんなで助け合う。

当たり前のことなのに、僕らの日常ではなかなかできないこと。
誰かが誰かをどこかで傷付けているこの世の中で、今日は僕たちに足りない幸福感を感じることができました。

何かができないと評価されない。

そんな苦しい世界で生きる僕たちにとって、忘れてはいけない人を想う気持ちがここにはありました。

今日、関わってくださった皆様、本当にありがとうございました。

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