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天王洲アイル〜②マンション〜

①街の魅力では僕の中で天王洲の魅力的な面を幾つかのスポットを挙げることで書いてみた。②では実際に天王洲アイルでマンションを購入する際、どのマンションが候補となるのか考えてみる。

【新築マンション】ジオ品川天王洲
天王洲アイルの新築マンション。
HPはこちら↓↓↓
https://geo.8984.jp/shinagawa/
(画像等はジオ品川天王洲のHPより引用)

天王洲アイルの新築分譲は住友不動産分譲のシティハウス品川サウス以来か(2020年3月築)。場所もジオ建設地から徒歩1〜2分と至近。比較的小振りの部屋が多かったと記憶しているが、高層階17階の3LDKで当時分譲価格が約8,000万円(坪394万円)。強気価格で定評のあるスミフでも坪400万円を切っていた。
あまり過去の相場の話を続けても仕方ないので現在の相場感を加味しながら周辺中古とも比較検討していく。

【立地】
東京モノレール、りんかい線の天王洲アイル駅を最寄りとしながらも、京急線の新馬場駅も日常利用できるポジション。さらに現地至近に品川駅行きのバス停もある。このあたりが他物件比較でも立地上の強みとなるところ。
都内主要駅や横浜方面、さらにに羽田、成田両空港と、幅広いエリアへのダイレクトアクセスは魅力的である。個人的にも空港へのアクセスの良さは天王洲アイルの大きな魅力的の一つだと感じている。

【ランドスケープ】
運河沿いの整形、東側が運河、南側が空地で、この二方向は離隔、景観的に良さそう。

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余裕を持たせたエントランスアプローチと(1コミュニティガーデン)、運河の見えるテラス(3キャナルテラス)で天王洲ならでは水辺とみどりを備えた静かな住環境を楽しめそう。

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実際に現地を確認してみた。

新東海橋から現地方向。

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思ったよりもこじんまりとした印象を受ける。上記のような共用部を備えたマンションは周辺物件では大規模が多く、人の出入りが若干騒がしいかもしれない。一方で本物件はプライベート感も確保しながらもこのような共用部を楽しめそうであり、この規模感はむしろメリットがあると感じた。
※中古マンションを内見していると、大規模物件の共用部は豊富で魅力的なものが多いのだが、大規模ゆえに利用者も多く、なかなか思うように利用できないとの声も聞く。

現地から天王洲運河方向。

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HPによると対岸までの距離は約100m。充分な離隔が取れており3キャナルテラスはリラックスできる空間になりそう。
本物件の東側住戸は低層の方がこの環境を享受できそうである。

運河沿いのロケーションを活かした水辺とみどりを感じられる企画。規模感も周辺物件比で小さめなのでプライベート感もありながら静かに生活ができそう。個人的には概ね印象は良い。


続いて間取りをいくつか取り上げてみる。

【間取り】
1LDK(45.51㎡)、2LDK(50.04㎡)

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いずれも東の運河向きなのであるが、残念ながらスパンがかなりキツキツで開口部も狭く、運河側のメリットを最大限享受できるとはいい難い。
バルコニーにテーブルとチェアを置いて、外に出れば楽しめるのかな。
限られた面積の中で水回りや廊下の面積を圧縮したり、収納スペースを確保したり等の工夫は見られるが、正直リビングが細すぎてそのまま使うと圧迫感あったり家具の配置が難しそうである。
プラン変更してそれぞれ1R、1LDKとした方が居住性は確保できそう。しかし部屋数が減ってしまいリセールにはマイナスになるというのが中古市場での常識のようなので、購入検討者は悩ましいところだろう。

※ウォールドアの仕切りについては、新築マンションのHP等で「間取りに可変性があり使い勝手が良いと」謳われることが多いが、自分や友人含めて評価は決して良くない。ウォールドアを閉めるとリビングに余裕がなく結局開けっぱなしで使っているケースが殆ど。部屋数を多く見せるための苦し紛れの策にしか思えない(完全に私見です)

3LDK(70.98㎡)

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南東向き角部屋。70㎡前後で角取れるのはメリット。廊下の長さは気になるが水回りが集約され家事動線が効率的だったり、キッチンに開口部があったり等、こちらも限られた面積の中での工夫が見られる。壁側の開口部はもう少し大きくできたら尚良かった。
3LDKだとファミリー層が購入検討者となってくると想定されるが、このプランもリビングが手狭に思われ、そのままだとファミリー用のダイニングテーブルとソファを置ける充分なスペースが確保できないのではないか。しかし、ウォールドアが中途半端にしか開かないので、洋室(2)を潰して2LDKとして使うか。
リビングのバルコニー側開口部はサッシ2枚なのであまり開放感が無さそうなのも気になる。

※ファミリーを想定したダイニングテーブルの大きさは最低でも140×80くらいは欲しいところ。ソファは180×90くらいか。
間取り形状に加えて、リビングや各居室の寸法も注意深く見ておく事で家具レイアウトもスムーズにできる、住んでみてからこんなはずじゃなかった…みたいな事にならなくて済む。

間取りの雑感としては、全体的なコストの制約もあるだろうが、最低限の居住性は確保しているものの、標準的な印象。周辺中古との比較で優位性は見られない。

《全体的な感想》
このマンションの最大の強みはやはり天王洲と新馬場の中間をとるポジションに拠る、各所アクセスの良さにあると思う。更に比較的規模は大きくないもののランドスケープや共用部の企画が良好で静かにゆとりのある生活ができそうである点も強みとなりそう。
専有部は標準的、というかやや物足りない感は否めない。1LDK、2LDKはもう少し余裕が欲しかった。

比較対象となりそうな中古を見てみる。

ワールドシティタワーズ

天王洲(品川区)というよりは港南エリア(港区)となるが、こちらも最寄駅が天王洲アイルとなり、広域に影響を及ぼすマンションとなるので今回比較対象とする。
湾岸エリアのマンションを検討した事のある人にはお馴染みのマンションだと思うが、3棟構成で総戸数2090戸、日本でも有数の大規模タワーマンションであり、四方に離隔の取れた整形敷地、港南緑水公園隣接、巨大地下駐車場を敷設、今見ても際立つガラスウォールのデザイン。

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建物自体でジオ品川天王洲と比較して強みとなりそうなのは、共用部の充実と余裕のある専有部かと思う。

充実の共用部

プール・ジャグジー、ジム・フィットネススタジオ、スカイラウンジをはじめ、その規模感に見合った最高レベルの共用施設の充実度。
特にスカイラウンジは品川埠頭の先にレインボーブリッジが見える、まさに湾岸タワマンの醍醐味と言える眺望。



余裕のある専有部

2005年築と、まだまだマンション開発に対し潤沢にコストをかけることができた時代ならではの多彩な間取り。ジオ天王洲と競合しそうな価格帯での中古売出し中の間取りを幾つかピックアップしてみる。
レインボーブリッジが見える東向きはなかなか出物がなく、あったとしても価格がかなり上乗せされており比較対象にはなりにくい。ジオ品川天王洲の価格帯を鑑み比較対象となりそうなのは西向きが中心となる。本物件の西向きはダイレクトウィンドウ故による西日での室内の温度上昇が嫌気され、コンスタントに売出しがあり、価格も比較的抑え目となる。

まずひとつめ。

1LDK+S(59.95㎡)
(画像はsuumoより引用)

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60㎡弱で7,000万円台中盤から後半での売出し。坪単価420〜430万円程度。単身〜DINKS向けの間取りだと思うが、ジオ品川天王洲の1LDK、2LDKと比較すると無難なスパンは取れており、ダイニングテーブル、ソファも何とか置けそうなサイズ感ではある。一部屋が3畳でS(納戸)なのでこれをどう使うかというところだが、物置きではなくベットだけ置いて寝室(ほんとに寝るだけの部屋)とするのもありかなと思う。6.1畳の洋室はワークスペース等に使う。
またこのプランは全面所、浴室が余裕のある造りで、浴室は1620タイプ。この面積帯だと昨今の新築は1317タイプになりがちなところであり、こういったところにも当時の余裕感が出てくる。
アルコーブもしっかりと取られ、小さめながらトランクルームも設置されているのは嬉しい。


続いて2つめ(80.96㎡)
(画像はsuumoより引用)

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価格は10,000万円前後での売出し。坪単価は410〜420万円。価格帯的にジオ品川天王洲の3LDK高層階と同じくらいか。アルコーブがしっかり取られており、トランクルーム付きなのは先程の間取りと同じであるが、本プランは80㎡強と昨今の新築と比較するとかなり余裕のある2LDK。1620タイプのビューバスだったり、正方形のバルコニー等、かなり個性の強いプラン。リビングダイニングが広く、大きめのダイニングテーブルとソファを置いても空間的な余裕は維持されそう。場合によっては3LDKにリフォームもできそうな間取り。中古で1億くらいの価格帯となるとこうした広々としたプランを選ぶこともできる。


品川イーストシティタワー、シティテラス品川イースト

品川埠頭に綺麗に3棟並ぶこちらのマンション。

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品川イーストシティタワーは総戸数363戸、26階建とそこまで大きなタワマンではない。ダークグレー、黒を基調とした住友不動産らしいソリッドなデザイン。雰囲気はワールドシティタワーズがファミリー層が多めで賑やかなのに対し、こちらは静かでプライベート感ある雰囲気。二度程建物内モデルルームを訪問したが、天井高2.65m、サッシ高はたぶん2.0〜2.1mで決して高くはないものの解放感があった。また廊下、洗面、トイレの床がタイルとなっており、建具がスタイリッシュ。
一方シティテラス品川イーストは総戸数254戸、14階建の板状マンション。外観は品川イーストシティタワーと対象的で、白基調のファミリーマンション寄りのデザインながらバルコニーのガラス手摺がアクセントとなり全体観を引き締めている。天井高は確か2.45m、間取りはいわゆる田の字型と分譲マンションとしては標準的ながらも、アウトフレームで各居室整形であり実用的で使い勝手が良さそうな印象を受けた。またこのマンションはバルコニー幅が2.5mあり、運河向きという特徴を最大限享受できる。
一方これらのマンションの最大のネックになってくるのは生活感のない立地。マンションの敷地周辺はローソンしかなく、ただでさえ買い物利便性が低いエリアなだけに不便を感じる人もいそう。
良くも悪くも、人を選びそうなマンションではある。


では実際の間取りをいくつか見てみる。

品川イーストシティタワー

ひとつめ
(画像はsuumoより引用)

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2LDK、67.44㎡、東向き。価格は8,000万円台後半での売出しが多い。坪単価だと420万円〜435万円くらい。ジオ品川天王洲の標準的なお部屋の単価と同じくらいか。
高層階は東京湾、レインボーブリッジが見える眺望。一部屋行燈部屋があるものの、リビングの開口部がワイドに取られており、眺望を楽しめるプランニングとなっている。昨今の2LDKだと60㎡未満が多い中で、比較的ゆとりが取れたサイズ感なのも良い。

続いて2つめ。
(画像はsuumoより引用)

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2LDK、73.44㎡、西向き角住戸。価格は9,000万円台から高層階は1億円を若干超えるライン。坪単価では430万円〜470万円あたりのレンジ。ジオ品川天王洲の標準的なお部屋から好条件のお部屋のレンジと同じくらい。
こちらは運河ビューでワイドにバルコニーが取られており、開放感があるプランニング。開口部も大きく、各居室も整形で水まわりの配置も良い。

シティテラス品川イースト
(画像はsuumoより引用)

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こちらのマンションはほぼ全室この手の間取りとなっている。

3LDK、67.02㎡、西向き。価格は7,000万円台中盤〜8,000万円あたりのレンジ。坪単価で370万円〜400万円。ジオ品川天王洲と比較すると1割くらい安めの売出しだろうか。

前述の通り、標準的な田の字間取りながらアウトフレームで各居室整形。小振りな3LDKではあるもののファミリー向けとして使い勝手は良さそう。
そして2.5mのバルコニー幅。外置き出来る大きめのソファを置いても余裕があるサイズ感。

僕がここに住んだらバルコニーにこんなソファ置きたい。

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前回に続きだらだらと書いてしまったが、天王洲アイルという個性が強めのエリア故か、周辺のマンションも尖っているものが多い。その中でジオ品川天王洲はマルチアクセスという交通利便性が最大の強みとなると思う。マンション自体は良い意味で個性が薄く、幅広く選ばれやすい。しかし、建物のスペックは事例を挙げたワールドシティタワーズ、品川イーストシティタワー、シティテラス品川イーストと比較すると弱い印象。
ジオ品川天王洲を検討するのであれば、是非周辺中古も複数見て欲しい。分かりやすく違いがあるので、複数物件で比較することによって自分がマンション購入にあたって何を重視するのか具体化できると思う。
僕個人としては品川イーストシティタワーが一番好み。静かな環境で開放感があるタワマンという点で。

おわり

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