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マンションを売る②〜売出し〜

初めてのマンション売却でしたので、勘所がよく分かりませんでした。仲介業者さんからも色々とアドバイスを頂いたりしたのですが、全て鵜呑みにしたりせず、ネットで識者の方のブログ等も参考に次の順番で売出しの準備を進めていきました。

1.競合物件を整理する

まずは現居の周辺にどのようなマンションが存在するのかを整理してみました。月島エリアのマンションは次のようにグルーピングされるかと思います。

(1)<駅近築浅タワマン>競合:なし
   キャピタルゲートプレイス
   ミッドタワーグランド

月島エリアにて最も高い相場で取引されているマンションです。平均的な成約坪単価は400万円台後半でしょうか、最近では坪単価500万を超える成約も珍しくなくなってきています。指名買いが入るマンションなので、端的に言うと現居とは競合し得ないです。

(2)<駅近築20年未満タワマン>競合:中
   アイ・マークタワー
   ライオンズタワー月島
   ザ・クレストタワー

2000年代前半に竣工したタワーマンションです。ファミリー向けの広めの面積帯の住戸が豊富にあり、適正な売出価格だと早期に成約する、根強い人気があるマンションです。近頃の平均的な成約坪単価は300万円台後半になるかと思います。現居と立地条件が近いので、「築年」か「広さ」かの比較で競合する可能性はあります。

(3)<駅近板マン>競合:高
   ブリリアウェリス月島
   パークハウス月島ディアスタ
   プレミスト佃二丁目
   シティハウス月島xxxx 等

月島駅近マンションは実は結構多いです。しかし同じ駅近でも、もんじゃストリート至近の「賑わいのある環境」であったり、リバーシティ至近の「水辺の静かな環境」であったり、立地条件はかなり異なってきます。現居はこのグループに属するので競合する可能性の高いマンションです。

(4)<駅遠タワマン>競合:低
   パークタワー晴海
   パークハウス晴海タワーズ クロノレジ
   パークハウス晴海タワーズ ティアロレジ

正確には月島エリアではなく晴海エリアになります。マンション好きの間では"晴海3兄弟"等と呼ばれていますが、晴海運河に面した解放感のあるロケーションと建物自体のスペックの高さで、駅遠ながら独自の魅力が周知されてきています。駅近を選好する購入検討者からすると比較対象にはなりにくく、競合の可能性は低いかもしれません。しかし価格や間取り等の条件によっては駅遠を許容して選ばれる可能性もあるかもしれないので、競合し得る対象としました。

以上、月島エリアの競合物件について整理し、売出時期と売出価格を決める際の参考としました。次は2.売出時期を決める です。


2.売出時期を決める

いつ売出しするのがよいのか。色々な考え方があるかと思いますが、成約スピード、成約価格の観点で最適な時期を考えました。これまでSUUMO等を見ながら売出時期で成約価格がどのように変わってくるのか観察してましたが、売出時期を間違えると成約価格に致命的な影響を与えることは何となく理解していました。

(1)大規模新築物件供給の影響について

湾岸エリアは周辺の既存中古の売出しに加え新築大規模案件が継続的に分譲され、中古市場に与える影響は大きいです。

過去の例で言うと、湾岸エリアの大型案件であるパークタワー晴海、シティタワーズ東京ベイの竣工〜引渡時にはエリアを跨いでの住み替えも多く発生していたと思われ、月島、勝どき、晴海界隈では弱含みの値付けがされた中古の売出しが増えたのを感覚的に覚えていました。成約価格が10〜15%は振れる感覚です。

前回のマンションを売る①〜理由〜でも少し触れましたが、今回の売出しを決めるきっかけとなったのは、晴海フラッグの販売再開の見通しが付いたという情報です。
当初PARK VILLAGE販売開始時(2019年4月くらい?)ですら相対的割安感から湾岸エリア全体の相場を崩しかねないと言われていましたが、首都圏全体の相場がもう一段上がった2021年の現在、都心近接で最多面積帯85㎡の住戸が坪300万円を切る価格で大量供給されるインパクトは、当初販売開始時よりも大きいのではないでしょうか。

(2)競合する中古の影響について

競合する中古物件については以下の観点でチェックし売出時期を決める材料としました。

①「同マンションの別住戸」の売出し
大規模タワーマンションだと同マンションの別住戸の売出しは珍しくなく、個々の住戸の条件での比較をすることが一般的になっているかと思います。
一方現居は中・小規模のマンション。別住戸の売出しは年に1~2回程度のペースで出る状況でしたが、競合すれば差別化が難しく消耗戦になることは想像できました。無駄にディスカウントした価格で成約することは避けたいです。

②「競合物件」の住戸の売出し
「1.競合物件を整理する」で記載した通り、駅近板マンの競合度が高いと考え、売出状況をチェックしてみましたが、常にいくつかの物件は売出しされており、競合は避けられません。
物件レベルでの競合は許容するとして、どこで差別化するのかということになりますが、現居に関してはコンパクトな3LDKの間取りが差別化要素になると考えました。
月島駅近立地は湾岸エリアの中でも高めの坪単価で安定しているのですが、裏を返すとゆとりのある3LDKはグロス(価格)が重くてなかなか手が出しにくいです。現居は競合物件比較で3LDKながらもグロス(価格)が軽いとして選好され、競合物件と戦えると考えました。

(1)(2)を材料として売出時期は以下のタイミングとすることにしました。

・大規模新築の売出時期に該当しない
・「同マンション」の別住戸の売出しがない
・「競合物件」の売出は少なめ

今回は売出時期として適切なタイミングとなりました。最後に3.売出価格を決める です。


3.売出価格を決める

競合物件も整理し、売出時期は今回のタイミングに決まりました。ではいくらで売出しするかですが、「1.競合物件を整理する」にて整理した競合物件各グループの中古売出し価格との比較で考えました。

(1)<駅近築浅タワマン>との比較

指名買いがあり、かつ坪単価で400万円台後半で成約されるマンションなので基本的には競合し得ないのですが、これらのマンションと売出し価格での乖離が小さくなった場合、比較のうえ現居は割高と判断されてしまいます。

よって、現居の売出坪単価の上限は、①のグループのマンションとの条件比較によるディスカウント分(30万円とする)を差し引いて、以下の通りとしました。

450万円-30万円=420万円


(2)<駅近築20年未満タワマン>との比較

駅近ながら広めの面積帯で根強い人気のあるグループ。近頃の成約坪単価を鑑みてベースを坪単価375万円と置きました。現居との比較では「築年」を取るのか「広さ」を取るのかになりますが、このグループの住戸は広さがあるが故グロス(価格)が重くなる傾向があります。仮に坪単375万円で80㎡とした場合、売出価格は以下の水準となります。
(1坪を3.3㎡として計算)

坪単価375万円÷3.3×80㎡≒9,090万円

実際はもっと広い住戸が多く、1億前後での売出が多い印象でした。この価格帯だと一般的な給与所得者にはハードルが高いと思います。現居は比較的コンパクトなタイプの3LDKであり、多少坪単価ベースで強気に出てもグロス(価格)がさほど重くはなりません。よって、このグループの成約坪単価よりは高めで売出しできると判断し、現居の売出坪単価の下限375万円としました。

(3)<駅近板マン>との比較

現居が属するグループです。築年によって成約価格に幅がありますが、近頃の成約坪単価は概ね330万円~400万円の範囲に収まってくるかと思います。現居は築浅かつ売出しの少ない3LDKであったため、このグループ内では比較的強気に出せると考えました。よって、妥当な売出坪単価390万円としました。

(4)<駅遠タワマン>との比較

競合は低そうですが、参考までに3LDKの成約価格を確認しておきました。70㎡~75㎡の3LDKで、7,500万円~8,500万円のレンジだと長く売れ残ることなく順調に成約している印象でしたので、無理のないグロス(価格)の目安8,500万円と置くことにしました。

(1)~(4)との比較のうえ、現居の売出価格は以下の制約の中で決めることにしました。

・坪単価
(下限)375万円 <(妥当)390万円 <(チャレンジ)420万円

・グロス(価格)
8,500万円あたりまでが無理のない価格

今回売却を成約させたい期限感としては、晴海フラッグの販売が本格化する2021年8月としていましたので、無理のない水準と考えられる坪単価(妥当)390万円前後とすることにしました。

マンションを売る③~内見~ に続く

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