徒然なるひとりごと

どうせうちの本なんて、自分には関係ないって思ってるんでしょ

的な社内の人が作った原稿を読んでもやもやした。

なんでそんなに自虐になってしまうのか。書いた人本人がそう思っているからなんだろうか。(もちろん、その後「いや、そうじゃない!」と文章は続くのだが)

確かにニッチでターゲット層が小さくて、よくわからない本ばかりかもしれない。せめて口説き文句があるとすれば「教養のためになる」というくらいか。じゃあ教養ってなんだ、なぜ学術書を読むのか。

それは「世界の捉え方の解像度を上げるため」だと私は思う。ニッチなことの中にも、普遍的な構造がそこにあるかもしれない。無名で知らなかっただけで実は自分の生活に繋がりの深いことが書いてあるかもしれない。

ある人が言った「読書は対話だ」という言葉が印象に残る。ただ文面をそのまま読み取るのではなく、その裏に作者が込めた考えに思いを馳せる。いいや私はこう思う、と批判的に捉えることもできるかもしれない。そうして読書を通してはるか昔の人とでさえ対話をすることができる。世の中の真理を探求する学術書を読むことで、自分もまた世の中の真理を追求している、と言えるのではないだろうか。

だからこそ、みんなにもっとそのきっかけを提供すること、なんだかよくわからない得体のしれないものを、みんなに「怖くないよー」と言ってあげること。それがやらなきゃいけないことなんだと思う。