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小浜温泉•脇浜共同浴場は博物館クラス

はじめに

長崎県小浜温泉の脇浜共同浴場は古い共同浴場の雰囲気をそのまま残すところとして温泉好きの間では有名な場所。今回は小浜温泉を訪問する機会を得たので念願かなって入浴することができた。(2020年2月訪問)

小浜温泉の特徴

長崎県小浜温泉は島原半島西岸の橘湾沿いに位置する海岸沿いの温泉地である。源泉温度が最高では105度に達する所もあり、泉温105度にちなんだ長さ105mの足湯「ほっとふっと105」もある。

海岸沿いに100度近くのお湯が自噴し、町のあちこちからもうもうと湯気が立ち昇る光景は、湯の街に来た実感がわき、期待も高まる。

ほっとふっと105の近くには蒸し釜もあり、有料の蒸しカゴを利用して蒸し料理も楽しむことができるので次回はチャレンジしてみたい。

脇浜共同浴場とは

小浜温泉には共同浴場はいくつかあるようだが、そのひとつである脇浜共同浴場(通称おたっしゃん湯)は古い雰囲気を残す共同浴場として鄙び系好きの温泉ファンには有名な場所である。

場所は国道から山側の脇乃谷通りから少し引っ込んだ住宅街のなかにある。歴史あるというよりは古びた外観でこじんまりとしている。建物は昭和12年築だそうだ。この浴場は長崎県のまちづくり景観遺産にも指定されている。

入浴した感想

入浴券200円を買い、いざ建物に。内部は番台で仕切られた通常の共同浴場の造りであるが、思ったより広々とした印象を受けた。

脱衣場で圧倒的な存在感を示すのが創業当時から使われている木製のロッカー。当然鍵はついていないが、現役で使われているところに驚く。

さらに目をひくのは、脱衣場に掲示されている看板類で、創業当時のものと思われる古めかしい掲示物がズラリと並ぶ。温泉効能書の日付は昭和12年、入浴券は大人金三銭、子供金二銭という看板も。このような戦前の掲示物は博物館でしか見た記憶はない。

そして期待の浴場に向かう。正方形の浴槽が二つ並んで、底のタイルの為かお湯が緑がかって見える。何人か地元の先客がいたので挨拶して入ろうとすると、浸かっていた地元客と思しきおじさまから、そっちのほうは熱いよ~、と声を掛けられ、まずはぬるいほうへ。よそ者をなにげに心配してくれるやさしさがうれしい。

お湯は塩化物泉であるが、柔らかく刺激のない良いお湯である。塩湯であるが、浴後もべたつきなく、意外にさらりとしていたのは好印象。屋根も高く、湯気がこもりにくくなっているが、湯温はやや高めなので、あまり長湯をせずにあがることにした。

終わりに

ほんの僅かの時間での入浴であったが、地元の方たちに愛されている共同浴場であることは良く分かった。

この雰囲気とお湯の良さはこのままの形でずっと残して欲しい。建物を残すだけでなく、生活の一部としての共同浴場が残っているのは、旅行者にとっても歴史や文化を実感出来る魅力がある。温泉ファンとしてこの姿を残すことに応援したい。

住所:長崎県雲仙市小浜町南本町7

泉質:ナトリウム塩化物泉

料金:200円

営業時間:6:00~21:00

#小浜温泉 #共同浴場 #雲仙市

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