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『僕なんか3部作』という解釈の『One choice』

ひな誕祭お疲れ様でした、の感想以上に、どうしても先にまとめておきたいと思ったので、One choiceの感想を。
まだ発売日前に書いてるんですけども、それくらいに最高の楽曲だと思うので。

そして、その楽曲は『僕なんか』、そして『月と星が踊るMidnight』と繋がり、この2022年から2023年の1年間の集大成として位置づけられたと感じられる楽曲だと思いました。

3回目のひな誕祭と『僕なんか』

2022年3月。
日向坂46は目標として掲げていた東京ドーム公演をついに果たします。

2020年。世界の状況が変わってしまい、本来ならこの年のクリスマスに行うハズだった東京ドームの地へ立つ事を延期しながら2年の歳月を過ごしました。
しかし、その間に、新しい仲間が増え、お休みしていた仲間が戻ってきて、ご時世が比較的落ち着いたタイミングで、満員の観客と一緒に念願の東京ドームに立ちました。
ここで日向坂46は第1章の終わりを迎えたと言えるでしょう。

そしてその日、7枚目シングル『僕なんか』という新曲を披露します。
それは、東京ドームという目標を達成した日向坂が次に進むための第一歩となりました。

この楽曲は、歌詞がネガティブなところの、自己否定の言葉から始まります。

僕なんか今さら君のそばにいちゃだめだ
募らせた想いをどんな言葉で伝えればいい?
(中略)
情けない自分に諦めろと呟くだけ

日向坂46『僕なんか』歌詞カードより

それでも、その想いが募り強くなる事で、諦められないという気持ちに気づき最後には

僕なんか 僕なんか
もう二度と言いたくない

同上

という言葉に変わっていきます。
この楽曲の振り付けに、CRE8BOY先生は『地に根を張るような力強さ』を表現として取り入れているとの事です。
そして、その言葉の通り、この楽曲のパフォーマンスをたくさん披露する事で、文字通り、日向坂の地盤、地力がどんどん逞しくなっていきました。

ハッピーを届ける楽曲が多かった中で、ただただ"ハッピーを"という漠然とした想いだけではなく、青春の馬によって新たに自分たちのグループの強みとして『苦しさを抱きとめる優しさ』を手に入れた日向坂46。しかし、そこを今一度見つめ直し、よりグループとして強くなる。そのための第一歩として『僕なんか』は意味を持っていたんだろうと思います。

『月と星が踊るMidnight』

そして『僕なんか』の次の8thシングルとして『月と星が踊るMidnight』が発表されました。この楽曲は『僕なんか』で培われた根を張るような強さを培った上で初めて意味を為す楽曲だったと思います。

誰に何言われても僕たちはまだまだ諦めない
過ちを恐れるな

日向坂46『月と星が踊るMidnight』歌詞カードより

この時の振り付けは、壁をこじ開けるような振り付けになっています。
可能性の扉を自らの力で切り拓く、という強い意志に満ちた振り付けです。
これは『僕なんか』で自分の力で地に足をつけた強さを身に着けているからこそ、その足で踏ん張ることで壁をこじ開ける力が生まれています。仮に、『僕なんか』を挟まずに『月と星が踊るMidnight』がリリースされていたら、こういう表現にはならなかったと思いますし、もしこのパフォーマンスをそのまましていたとしたなら、表現したいものがもっと抽象的なフワフワとした形になっていたんじゃないかと思います。
『僕なんか』がある事で、"過ちを恐れるな"、"僕たちは何だってできる"、"思い悩み それでも強く生きろ"、の言葉に重みと力強さが宿っていると感じました。

『One choice』

そして、ついに発売される9thシングル『One choice』
単体ので楽曲が良すぎて、これ自体も凄く良い。

ですが。
この『僕なんか』『月と星が踊るMidnight』を繋げた文脈で解釈すると更に良くて。タイトルの意味する『一択』は、『僕なんか』『月と星が踊るMidnight』で培ってきたパワーを一点に集中させる事で、自身の強く想う意志を実現させるために走る。そういう楽曲としての意味合いを持ちます。

好きになんかならなければ良かったよ
好きになって好きになってつらくなる
(中略)
もしも君に出会っていなければこんなに苦しむことはなかった

https://www.youtube.com/watch?v=0b1UKU8wPvw

という苦しみを歌っていても、そこに悲観的な感情はなく、迷いもなく、

全部全部僕のせいだって分かってるよ
(中略)
思いは色々あるけど答えは出ている One choiceだ

同上

と、前へ前へと走り続ける強さを歌い上げています。

この迷いなく走る姿を歌い上げるのは、やはり表現する者がどういう事をしてきたか、という部分に大きく依存する部分があると思います。
その上で、では日向坂46は何をしてきたかを振り返った時に、『僕なんか』でネガティブになる自分と頑張って決別をして、前を向く強さを表現し、『月と星が踊るMidnight』で自分の可能性を信じて障害となる壁を打ち破る。そういう表現をしてきたからこそ、集大成として『迷いなく前を見つめて走り続ける』という事を真っ直ぐに表現する事が出来たのだと思います。

青春の馬が応援歌としてのパワーを持っている事は、寄り添う事として奮い立たせてくれるからだと思います。
それに対してOne choiceは、自分たちが前を走る姿をみんなに見せる事で、理想の自分、なりたい自分へのイメージをより強く思わせ、そのためにどう走ればいいか、という道標を示すような、そんな楽曲になったと思います。

『One choice』は本当に、楽曲自体の良さも凄いし、振り付けも歌詞も良いし、それを今の時点でも大分素敵なパフォーマンスに仕上がっているので、これはテレビでの披露などあらゆるところでたくさんの人に届いて欲しいし、"届く力"を持った楽曲だと思います。
おひさま以外の方にも届いて、「良い曲だね」って言ってもらいたいですし、新たな代表曲として曲が世間に浸透して欲しいなと思います。
2023年の紅白で披露されますように!!

余談

すんごい気が早いんですが、かげちゃんの立ち位置が、卒業に伴って空く事になる訳ですけれども、多分、最有力は3列目下手のみーぱんをコンバートする、が今のプランなんじゃないかなと勝手に思っています。

が。
みくにんにかげちゃんの後を継いでもらいたい、という気持ちが凄いです。
かげちゃんとみくにん、相思相愛過ぎるので、そこの関係性を以てみくにんが受け継いでくれると、関係性エモ大好き勢としてはありがたすぎます。

Top Yell NEOさんで、ちょっと生々しいところを赤裸々に語っていたみくにんですけれども、だからこそ、かげちゃんが卒業するまでの時間を大切にしながら、そのポジションを誰にも渡さない、という強い意志で、自分のパフォーマンスを磨いて欲しいなと願っております。
みくにんの良いところは、コツコツと努力を積み重ねられるところだと思うので…!ひな誕祭も良かったので期待しています!!

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