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白杯みんなの俳句大会収集箱

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#白杯 #みんなの俳句大会#白杯みんなの俳句大会を収集して回る箱。
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2021年12月の記事一覧

白の俳句道場風【第十一回】

今回は如月桃子ちゃんの白杯提出句を掘り下げていくよ。 如月桃子ちゃんの句はこちら。君すやり秋風そより腹ちらり 秋来ても夜は短し金曜日 星月夜風呂場に響くドビュッシー 桃子ちゃんは絵描きである。茶寮を営んでいて、俺も今はnoteからいなくなったモンちゃんの紹介で訪れたものだ。 以前、俳句は写真や絵に似ていると書いた。どこに書いたかは思い出せないが、自分の感動の一瞬を切り取り、その映像だけでいろいろな思いまで包含しているところが、なんとも似ている。 俳句は言葉によって映像

白の俳句道場風【第九回】

今日の俳句は、丸武群ちゃんの白杯提出句。 群ちゃんの俳句はこちら!旬の果物を生かした二句だ。 柿は無し何はなくとも梨ひとつ 梨を欠き鐘の音もなし柿ひとつ 並べてみてすぐに群ちゃんのコンセプトが韻を踏むことにあると分かる。同じコンセプトなので二句まとめて見ていこう。 柿は無し何はなくとも梨ひとつ 「無し」「梨」という同じ読みを重ねるとともに、柿は「な」し「な」には「な」くとも「な」しひとつ と、リズム良く並んでいて楽しい。 梨を欠き鐘の音もなし柿ひとつ こちらも同じ。

白の俳句道場風【第八回】

今日の俳句は、あおはるちゃんの白杯提出句! あおはるちゃんの句はこちら!香を焚くパソコン越しの送り盆 人肌と温め酒で自粛明け 窓越しに何処吹く風の赤蜻蛉 香を焚くパソコン越しの送り盆 「パソコン越しの」という措辞が効いた一句だね。この時事とか人の行為・心情をものすという行為は、より川柳の心待ちに近いものだ。 パソコン越しでなければならないのはなぜか、思いを巡らせる読者はやはり、感染症が頭をよぎるのではないだろうか。直接的でなくそのようなことを事物に語らせるのが非常にうま