冬虫夏草・梨木香歩
"凄く好きだな"
ページをめくるごとに
その気持ちが増していくのを感じながら
読み進めていました
過去と現在が同時に存在していて
その2つが混ざり合う事もあるのかもしれない
見える世界と見えない世界は
本当はひとつなのかもしれない
そんな事を考えてしまうような物語です
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隣の神主の方を見たら、もうそこには誰もいなかった
覚えず辺りを見渡すと、境内の隅に
ふた抱え、三抱えもありそうな年を経た槻の巨木が
梢を風に吹かれて立っていた
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サカキは人界と人界の境を分ける、という意味で
サカキ、と名がついたのだ
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天狗が出てきたり、河童が出てきたり
巨木の中にいる神様なのか精霊なのか
そういう存在が人間になって出てきたりするのだけど
そういう不思議なことが起こったとしても
「まぁそんな事もあるだろうね」
というような雰囲気で、話が進んでいて
昔の人達が大切にしていた思想が
静かに散りばめられている
優しい優しい日本昔ばなしを読んでいるような
そんな感覚になりました
近年語られている民俗学を
この物語を通して学べる気がして
私は凄く凄く大好きな本です
個人的には
おばあさんのお話が凄く好きで
不思議で心温まる
おばあさんの記憶の一部をほんの少し見せて頂いて
私の心も凄く満たされてしまいました
おばあさんの「ありがとう」が
その人に届いて本当に良かった👵🏻
そう思いました
そういえば、この本のタイトルである
「冬虫夏草」という言葉をネットで調べたところ
たくさんの恐ろしい画像が出できてしまい
鳥肌が止まらなくて大変なことになりました
虫にも色々いるのですね…🐛
(ビックリした…)
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