「チーズケーキに願いを」の感想

「モンブランな日曜日」を去年やった

去年、asaさんと水色デザインさんからお誘い頂いて「モンブランな日曜日」という企画ライブをやった。会場は経堂のaki cafe。さとこの家族からネットで知って来てくれた方まで、いろんな人が来てくれて、またやれたらいいなと話をしていた。

「チーズケーキに願いを」をやることになった

今年に入って、「またやりましょう」「七月はどうかな」という話が持ち上がって、また同じ人達、同じ場所で企画ライブをやれることになった。心地の良い場所で話しやすく信頼できる皆さんとライブを作れるというので、おれたちは結構うれしかったです。

フライヤー

何か月かして、さとこがフライヤー用のイラストを描き終えた。そのイラストを基にして、水色デザインさんがフライヤーを仕上げてくれた。

完成したフライヤー画像。イラストに合わせて字体などを吟味・微調整頂きました。


当日に忘れ物をした

マイクスタンドやミキサー代わりのMTRを持参する都合上、荷物がすごいことになっていたのだが、asaさんのパートナーのけんたくんの助けがあり、車に乗せてもらって会場に向かうことになった。もうすぐ着くよ~というところで、おれは重大な忘れ物に気づいた。カポタストを部屋の机に置いて来てしまったのだった。

カポ。正式名称はカポタスト、ギターの音程を底上げして、演奏の色味を変える道具。

それで、会場近くの楽器屋に寄ろうかということになり(本当にすみませんでした)、ネットの地図を見て、一番有力だったのが「フォルテ楽器」。電話を掛けて「クラシックギターのカポタストはありますか」というと「ええ、ありますよ」とのことだったので店舗へ急行した。おれだけ車から降りて、小さい建物の二階に上がると、ガラス扉の向こうの小さい部屋にずらりとクラシックギターが並んでいた。そこはクラシックギターの専門店だった。

1982年、下北沢に手工ギター専門店としてオープンして以来、入門者用ギターから銘器に至るまで、国内はもちろん世界各国のギターを豊富に取り揃えております。
40年以上のキャリアのある私と一緒にご自分にピッタリ合ったギターを探してみませんか。
皆様のご来店をお待ちしております。 店主 小川
http://www.forute.com/

フォルテ楽器の公式サイトに書いてある紹介

中に入ると後から店主のおじいさんがやって来て、先ほど電話した者ですと伝えるとすぐにカポタストを持ってきてくれた。のだが、値札を見ると5000円近い。自分が持っていたものはせいぜい2000円しないものだったので面食らって、思わず「これが一番安いものですよね?」と確認してしまった。ぶしつけな質問だったかもしれないが、ご主人が教えてくれた。
「ここにはこれしか無いんです。カポタストっていうのは、重いと重い分だけギターの音を殺してしまう。出来る限り軽くないといけないんです。ギターを楽器として鳴らすためには、このダダリオのカポタスト(※5000円くらいのやつ)くらい軽くないと」
それで、せっかく人に聴いてもらう演奏のためのものだし、と思って高いカポタストを購入した。クレジットカード端末の起動に時間がかかったので少し話した。
「僕はずっと、6万円くらいの安いギターを使っているんですが、ここにあるのはしっかりした良いギターですよね」
「そうですね。あなたの弾いているようなものだと、まあ言ってしまえばベニヤ板みたいな合板で作ってあって、その鳴りには自ずと限界があるんです。ここに置いているものには、一つ一つに職人さんの名前が書いてあります。これは、工場の大量生産じゃなくて職人が一つずつ作ったということです。こういったギターはみんな単板で作られているので、やはり音が違います」
「そうなんですね。いつか欲しいと思うのですが、高いですよね」
「色々ありますよ。例えばそこにあるものだと、元値は50万円ですが中古で30万円です」
話したのはだいたいこういう話題について。クラシックギターの世界にまともに足を踏み入れると、毎日モヤシしか食べれなくなりそうだということが分かったが、会計を済ませて「また来ます」と言うと、「色々教えてあげるから、なんでも相談してくださいね」と優しい言葉を掛けて頂いた。下北沢からバスで行くような場所にあるのだが、是非また行って、ローンを組んで良いギターを買おうと思った。その方が、ライブに来てくれる方に良い音で演奏を届けられるのかなと考えている。(すみませんが、ずいぶん先のことになりそうです……)

本番

その後、もろもろのセッティングを済ませて開場。来ると分かっていた人は、皆無事に会場に着いた。暑い中、本当にありがとうございました。おれたちは前半後半に分けて9曲演奏した。

セットリスト

前半
君は花、透明な愛

琴座の散歩
ゆうべの

後半
夜想
この渚は君のもの
辿り着く浜辺
丘の上へ

アンコール
蜩と笹舟
(※ひぐらしって読みます、むずかしい字だね‥)

今回はキャンドルナイトということで、各席に小さなキャンドルを灯してあって、ゆらゆらと揺れる明かりに囲まれての演奏だった。後半は、水色デザインさんの手がけてくださった映像の演出を背景にしての演奏。演奏中は見られなかったが、車から見える流れる風景の映像や、水辺のような映像などを作って頂いていた。きてくれた方から「旅をしているみたいだったよ」と感想を頂きうれしかった。

asaさんが今回つくったのは紅茶チーズケーキ。今回もいくつかのレシピを比較検討しながら試作・砂糖の量などの細やかな調整を重ねて、めっちゃうまいチーズケーキを作っていただいた。おれたちも終演後にみんなが帰ってから頂きました。おいしかったな~。口当たりがいいように、紅茶の茶葉をきめ細かくなるまでけんたくんが擂ってくれたらしい。「どうしても細かくならない部分があって(茶葉の茎の部分とか)、それを一つ一つ取り除きながら擂ったよ」と教えてくれた。

aki cafeの店主である家具・内装職人の安芸さんは、「おなかが空く人がいないように」と卵/ナポリタン二種類のコッペパンを作って用意してくださっていた。ライブ中、おいしそうに食べてる人がいるのが見えた。これも終演後に頂いたけどおいしかったです、ごちそうさまでした。

さとこの展示

それから今回は、さとこの絵を展示する、というのをサブイベントとして開催していた。aki cafeの安芸さんとさとこが二人で話し合って展示を作った。おれは横で見ていたけど、何もしていない。安芸さんの作った額縁などをお借りして、さとこの手作りの紙工作(?)みたいな飾りをあちこちにぶら下げたりしていた。展示していたのはさとこの新旧数点のイラスト。今回フライヤーに使ったイラストの原画や、アルバム「風の匂い」のアートワーク原画なども展示した。

現実が続く

おれたちは依然として「売れないバンドマン」であるし、きのうは都知事選の投票日でもあった。これからまた続いて行く現実の世界で、おれたちは出来る限り真剣になれる遊びをいっぱい見つけて、遊びまくりながら生きて行こうと思っている。
それをまた、今回のように皆さんと共有していけたら、何よりの幸いです。

おわり!!!

追伸:9月まで、月に2本ずつのペースでライブがあります。今日やらなかった曲も沢山演奏するので、ホームページをチェックして頂けたら嬉しいです。
https://shiroiveranda.com/

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