「なんとかなるだろう」と手抜きしたら、なんとかならなかった。

大きなテーブルを囲んで、30名で食事した。親睦会だ。美味しい食事にデザート付き。美味しい食事を楽しむだけなら良かったのだけれど、一人ずつスピーチをすることになってしまった。ある程度内容は考えていたのだけれど、文章としてまとまらないまま参加した。「友達に話すんだ」と思えば、なんとかなるだろう。

一人、二人と話を終え、私の順番が近づいてくる。人の話を聞いていると、自分のスピーチの内容が頭の中でまとまらない。だんだん焦り始めた。

なるべく人の話は聞かないようにして、自分のスピーチをまとめることに集中しようとする。美味しい食事にも手が付けられない。

そして、私の番が回ってきた。緊張する。出だしは順調だ。しかし、つまずいてしまった。スピーチの内容を考えた時に、ボツにしたはずのフレーズをうっかり口に出してしまった。口に出してしまったからには、なんとか話をつなげなければならない。もう大混乱。結局、焦ってしまい、本当に言いたかったこととは別の話になってしまった。

せっかくの懇親会なのに、美味しい食事も、有益な情報も得られないまま終わってしまった。

下準備って、本当に大事だな。ちょっとの手抜きで、大事なチャンスを失うことがある。

「なんとかなるだろう」と手抜きしたら、なんとかならなかった。

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