【小説】四角いからだにキスをして
僕のどこが好き? って聞いてくるやつさ、本当に聞き飽きた。ていうか最初に聞かれたときに「そんなこと私に言わせんなよ」ってはっきり言ったじゃん。それからは何度聞かれても顔とか身体とか適当なこと言ってふざけてたじゃん。だから、それ、なんていうかそういうコント? 冗談の一つだと思ってたわけよ。それがさ、もうじき死ぬかもです、だなんていかにもな感じでベッドに横たわってさあ、点滴とかしちゃってまあ。カスカスのヨボヨボの声で、絞り出すみたいに音出すのがやっとの状況でも聞くの、それ? も